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明日も葵の風が吹く  作者: 有坂総一郎
密貿易

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チョロイン?

明和8年3月10日 夕刻 江戸 新橋 有坂民部邸


 千代田の御城からなんか来た……。


「民部殿に上様から下賜品を届けに参った。有難く頂戴するように」


 あぁ、そう言えば、右近殿が上様経由で友禅をくれるって話があったな……一週間も前のことだが。


「ご使者殿、お役目ご苦労でござる。拝領品、しかと受け取らせていただきまする」


「上様からの伝言である。そちの働き、今後も期待しておる」


「有り難き仰せ。」


「これにて我らの用は済んだ、ごめん」


 えらくあっさりとしたものだ。もっと格式張ったものかと思ったが……非公式の下賜品という扱いにしたのだろう。


 拝領品を家人に居間に運ばせると同時に私と結奈も居間に向かった。


「旦那様、一体何を頂いたのです?」


「あぁ、以前、右近殿から友禅を贈りたいと話があったのだけれど、賄賂に思われるからって話になって上様を経由することにしたんだよ」


「それで今日届いたというわけですか?」


「まぁ、そういうことだ」


 話してなかったな……例のガタパーチャの一件で頭の片隅に追いやられてたし。


「あぁ、それでだ、結奈。明日、日本橋に出向くから付いて来てくれ」


「旦那様が日本橋?似合いませんわね」


「この友禅に似合う髪飾りでも買おうと思ったんだが、どうもセンスがなくてだな……」


「まぁ。それで先日ぶすっとした表情だったのですね。幸太郎は義兄上に聞いてくださいと言って話してくれませんでしたけれど……ふふっ……」


「そういうことだ。そのなんだ、取り敢えず着てみてくれ」


「せっかちね」


 その後着てくれたが、うん、まぁ、とても良く似合っていた。季節的にもいい感じだった。


 似合っていると言ったら素直に喜んでくれたらしく晩飯がえらく豪盛になった……最近、思うのだが、結奈って結構チョロイン?

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