第12話
人生2回目のコロナになってました。
Prettical Reactionのデビューライブに行ってきて。
エッセイ書き上げて、投稿して。寝て起きて。
仕事行こうと思ったら変えたばっかの車が故障。
1日休み。ぴえん。
次の日、代車で出勤して体調不良で早退。
念のための検査でコロナ陽性。
そこから3連休終わりまで体調不良がえげつないwww
マジで!みなさんお気をつけて!!
「そっかぁ……、そうかぁ……」
へとへとになって座り込む私を見て、芽衣ちゃんが遠い目をしながら呟く。
4月。進級を果たした私は、新入社員研修の終わった芽衣ちゃんからレッスンを受けることに。
一駅隣の駅前のレンタルスペースに集合した私たち。
まずは今の体力がどれくらいあるかチェックするね、と言われるままに身体を動かしたんだけど……。
「まずは……、基礎体力作りからかな? ランニングは無理だと思うから、まずは30分でいいから毎日歩いて?」
ですよね~……。わかってた。
でも、たぶんずっと動くわけじゃないし大丈夫な気はするんだ~。
なんて思ってたら、芽衣ちゃんから無慈悲な一言。
「たぶんね、今の体力のままダンスレッスンとかしても、ギリギリ15分枠とかなら大丈夫だと思うの。でもそれ以上になったらかなり怪しいし、なんなら15分枠こなせたとしても疲れて寝込みそうで……」
ば、ばれてる! ……わ、私の体力のなさをなめんなよ!!
1日動いたら2日間は動けない。運動なんて大嫌い!
この前芽衣ちゃんのお手伝いした後だって、疲れすぎて3日くらい家帰ってからすぐ寝てたんだから!
でも、ステージに立つんだもんね。あとあと! 声優になったら長時間収録とかもあるかもだし!
体力はやっぱつけないとなぁ……。
「ダンスレッスンもちょっとやろうかなって思ってたけど、今日はやめとく。ってかある程度体力つくまでは。その代わり、今日は発声、滑舌を鍛えるよ!」
発声! 滑舌!
身体は疲れてるけど、そんなこと言ってらんない!
声優の勉強だ!!
「まずは腹式呼吸をして、肺活量鍛えていくよ~。腹式呼吸って言うのは息を吸ったときにお腹が膨らんで、息を吐いたときにお腹がへこむ呼吸の仕方で。基本になるかな? 鼻から吸ったり、口から吸ったり、人によって違うけど。リラックス効果もある鼻から吸うので今日はやってみよっか。じゃあ、私のお腹よく見ててね」
おお~! 腹式呼吸! ちゃんと教わるの初めてかも。
芽衣ちゃんが息を吸う。
すぅー、という音が聞こえて、芽衣ちゃんのお腹が膨らむ。
けっこうぽっこりしたかな?ってところでぴたりと止まる。
数秒の後、ふぅー、と息を吐き始め、お腹がへこむ。
吐き終わったら、また芽衣ちゃんの動きが止まった。
「背筋を伸ばして立って、でも力を抜いてリラックスした状態で、ゆっくりと限界まで息を吸った後、5秒息を止めるの。そのあとまたゆっくり限界まで息を吐いて。吐き終わったら同じように息を止める。これを5回。やってみよっか」
「うん!」
芽衣ちゃんに言われてやってみて思った。
簡単なことなのに意外と身体にくる。
意識してお腹で呼吸をすることがこんなに腹筋にくるなんて。
息を長く吸って、長く吐けたら、一息でたくさん話せるし、踊りながらでもちゃんと歌える。
だから、ちゃんと覚えてできるようにならないと。
「これ、今日は立ってやったけど結衣ちゃんは寝てやればいいからね?」
助かる~。じゃあ寝る前に毎日やろ!
「で、次に発声練習。基本的なのはやっぱりこれだよね」
そういうと芽衣ちゃんは息を吸って大きな声を出す。
「あ、え、い、う、え、お、あ、お! か、け、き、く、け、こ、か、こ!」
「あっ、これ……!」
「そう、発声って言ったらこれだよね! ってやつ。これをわ行までやるの。ひとつひとつしっかりお腹から声出すイメージでね?」
これもやってみるとお腹にくる~。
でもでも、これって基礎中の基礎だよね。
ここで躓いてたら話になんない!
これもちゃんとできるようにならなきゃ。
「最後、滑舌なんだけど。早口言葉、何個か教えるからこれやってみて?」
紙に印刷された文字を読んでみると、本当に難しい!
舌が回らない! 動画に合わせてセリフ話すのはけっこうできてたんだけど……。
「有為雄の見誤りをお憐れみ」
「ういおのみあやまりをおわらめに」
「生産者の申請書審査終了」
「せいしゃんさのしんせいしょしんしゃしゅうりょう」
「特許許可局 農商務省特許局 二本銀行国庫局」
「とっきょきょかきょきゅ のうしょうむしょうとっきょきょきゅ にほんぎんこうこっきょこく」
かみかみ! なんで芽衣ちゃんすらすら言えるんだろ?
「……早口言葉ではあるけども、まずはしっかりと言える速さで言って、だんだん速度上げてけばいいからね?」
……芽衣ちゃんの優しさが辛い。
って思ってたけど、芽衣ちゃんも最初は全然できなかったらしい。
最後の最後に教えてもらったのは外郎売!
有名な声優さんが収録ある日には必ず朝起きてやってから現場に向かうってやつ!
あとはどんな専門学校とかでも絶対に触れるらしい、オーソドックスなやつ!
芽衣ちゃんがやってるのを見せてもらったけど、すっごいの!
ちゃんと言えてるのはもちろんなんだけど、テンポとか間とか声色とか!
なんか声優って感じがした! 私もこんな風にできたらいいな。
「あ、もうそろそろ帰らないとおばさん心配しちゃうね。これでおしまいにしよっか」
「……ありがとうございました~」
外郎売をゆっくり読んで、苦手なところを練習して、ってやってたら時間がきちゃった。
つっかれたけど、楽しかった!
電車の時間が近かったから、芽衣ちゃんに甘えて片付けを任せて会場を後に。
会場代もいらないって。芽衣ちゃんに申し訳ないけど、助かったのも本音。
最寄り駅について、家までの帰り道。
スマホを見ていた私に飛び込んできたのは衝撃のニュースだった。
コロナのせいでめっちゃ優先順位変わって、親ドルりにゅ~あるよりも2を優先更新していくことになります。
色々な仕掛けがちゃんとゴールに向かいますように……。




