第13話
ガンガン書いて更新していくぞ~。
【ご報告】
いつもロクスタを応援してくださってるみなさん、ありがとうございます。
突然のことで申し訳ないですが、
6月のワンマンをもって、私桐嶋かなめは16時からのスタディータイムから卒業します。
デビューから駆け抜けてきた3年と少し、慌ただしくも、とても充実した日々を過ごすことができました。
支えてくれる全ての人に感謝しています。
本当にありがとうございます。
私、桐嶋かなめは次にやりたいことを見つけました。
というより、桐嶋かなめになる前にやり残したことをちゃんと終わらせたいと思いました。
今年に入って事務所の人と何回も話して、色々なことが落ち着くこのタイミングでの卒業となりました。
事務所も退所して、フリーとして活動していきます。
最後まで精一杯務めますので、よろしくお願いいたします。
この文章を公開して2時間くらい経っただろうか。
SNSの通知が鳴りやまない。そんな中で親友からの着信が入った。
「もしもし?」
『ちょっと! 私聞いてないんだけど?!』
「めいだって言ってくれなかったじゃ~ん。だからお返し」
『やり残したことってやっぱり?』
「……うん、そうだよ。リア」
『地下に復帰するの?!』
うん、絶対驚くよね。
もし立場が逆だったとして、めいがメイリーやるために地下戻るって言ったら私も驚くもん。
でも、やりたいことはちょっと違くて。
「うんとね、6月に卒業して、12月にリアとしての本当に最後のライブをやりたいの。そこでさ、私の後継者をお披露目したくて」
『後継者?』
「うん。私と私たちのあの歌を誰かに歌い継いでほしくて。リアがステージに懸けた想いを受け取って、自分なりの表現をして、たとえ名前や設定とかは違っても。リアを受け継ぐ次の世代なんだ、って示してほしい」
『……かなってさ、ほんっとやりたいことが同じだよね』
苦笑交じりにそういうめい。
っていうことは?
「え? めいも? ……もしかして、ゆいちゃん?」
『せいか~い。私の引退の次の日にね、ちょっと色々あって。ゆいちゃんの夢と、私の歌をいつか聞いてほしいって、ちょっとした打算もあって』
「ちょっと~、私を推してくれてる子にこんな闇深い世界勧めないでよ」
なんて言ってみたけど、ゆいちゃんはかわいいから。
たぶん間違えなければ、大丈夫。
間違えちゃったら、どうなるかわかんないけど。
諦めきれずにずるずると引っ張り続けるのも道だし、諦めて別の夢を見つけるのも道だし。
そこはゆいちゃん本人が決めることだから。
『ねぇ、どっちにする?』
「私はやっぱりこの前久しぶりに歌ったし、あっちかな」
『おっけー。じゃあ私があれもらうね』
なんて少し話すだけのつもりが3時間くらい話して、めいの眠気が限界に来たところで通話は終了。
あ、マネージャーから連絡来てた。
大丈夫です~、ちゃんと朝起きれるし、集合場所にもいけます~。
私もベッドにもぐりこんで、目を閉じる。
明日は久しぶりに早起きだからな~。
こんな時間に寝るなんてすっごい久しぶりかも。
明日からバタバタするぞ~。
「あ、かなめさん。そろそろ招待者固めてリスト送ってもらえると助かる」
いよいよ2週間後に卒業を控えたある日のこと。
マネージャーにそう言われて思い出したのは最近ちょっと忙しそうな私の親友のこと。
その親友の従姉妹にして、私を推してくれてるあの子と妹ちゃんのことを。
ファンなんだけど、めいの親戚だし。こっちにくるんだもんね。
ちょっと特別扱いかも。ま、最後のわがままだからへーきへーき!
手に持ってたスマホで予定を聞いてみると、めいは大丈夫。
ゆいちゃんたちには聞いてみるとのこと。
あ、待って? ゆいちゃんからリプ来てたから一旦投稿見てみよ~。
『チケット落選……終わった。中間テストで学校半日だったのに』
ちょっとさかのぼるとそんな投稿を見かけた。
平日開催だったから学校あるし厳しいよね、って不安だったけどスケジュールは大丈夫そうだな~。
『……うそ、まじ? こんなことあっていいの?』
あ、ほんと少し前に投稿したやつだ。
これたぶんめいから連絡来た感じだよね。
なんて思ってたらめいからの連絡。
だよね~。来てくれるよね~。
ハート押しとこ。
「ゆいちゃんに、まってるよって伝えてね、と」
めいに返事をして私はレッスン場に移動する。
ロクスタとしての桐嶋かなめとしての最後のライブだから、いつも以上に手は抜かない。
最高の桐嶋かなめとして卒業したいから。
鏡の前で踊り始めると、思い出したのはリア・ライズになる前。
お互い高校生で、お金なんてそんなになかったからビルのガラス窓を鏡代わりに練習したっけ。
「めい、そこ違う。右からだよ」
「えっ、嘘? 動画の通りだけど」
「この動画反転してないじゃん。だから左側に見えるけど実際は右だよ」
なんてお互いの覚えたい曲の振り付けをチェックしあったりしたっけ。
デビューして、少しして。ちょっとお客さんがついてきて。
たまにスタジオを借りて練習できるようになった頃。
偶然見つけてしまったオーディションになんとなく応募した。
「……以上の方が今回のオーディションの合格者となります。お疲れさまでした」
合格してしまった。
……そして、私は大事な友達を傷つけた。
気にしてないって本人は言ってるけど、私が気にした。
応募した時にどうせダメだから言わなくていいや、なんて思わずに言えばよかった。
色々な後悔と、それでも憧れていた世界は輝いて、楽しくて。
だからこそ人よりちゃんとやらなくちゃいけない。
そんな気持ちを抱えてやってきた日々を、もうすぐ終える。
最後のライブまで、あと少し。
次は明日公開したいです。




