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君と剣と魔法を紡ぐ物語〜私達がお尋ね者っ!?〜  作者: 高見 燈
第6章 イシュタリアの闇
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第36話 実はまだ超初心者な私達

 闇魔界ヘルスレイムの第1層に居る私達だけど、、、その仲間たちとの再会も直ぐに散会した。

 何故なら?先に地下層に行ってしまった飛翠(ひすい)と大地の神獣タイラントの長兄ハルディンさんを追い掛ける為だ。

 でも、私達は分散し文字通り穴を掘りつつ地下層目指す飛翠たちと、正面から正規のルート??で地下層目指す私達に別れたのだ。で、飛翠たちのチームはグリードさん❨コレはもう絶対譲らない彼が。何も言わず当然の如くさっさと行ってしまった。❩それとハウザーさん、お父さん❨聖王ネフェリティア❩と、その奥様フェリシアさん、飛翠の第2の師匠である剣豪ガルパトスさん、それから私のいちお召喚獣である、紅炎の神獣イフリート、海王リヴァイアサン、と、、、風の精(シルフ)の王シーラさん。既に、彼等は飛翠を追って地竜ハルディンさんが開けた穴から降りて行った。でも、1人だけ残ってた。

 それはシーラさんだった。

ふわり、ふわりと浮きながら私達が進むべき道……洞窟を見つめてたんだ。

 「シーラさん?どしたの?え?行かない感じ??」

この御方はなんか……掴み所無いってゆーの?飄々としてて正に自由人っ、❨や?精霊の王だから人ではないのか。❩なので、言動読めないし、突発的。気紛れがまた起きたのかと思って聞いた。

 「……なんか嫌な感じすんの。それだけ。」

シーラさんはその洞窟を見つめたままポツリと言った。でも、そのふわり、ふわりと空中遊泳する様な浮き方は変わらずでふわふわ浮いてた。

 「え?嫌な感じ??ソレなんですかね?これから向う者としてはむっちゃ気になるんですけど。」

 や?と、シーラさんは言うとふわふわ浮きながら私を見て言った。いつものへらへらした掴み所無い笑顔向けてた。

 「まぁ頑張れよってこと。」

 彼は言うと穴に向かって飛んで行った、、、。多くの風の精霊達をオーブの様に身体に纏わせながら。

 「な……なんなの?今の。エールにしては謎過ぎる……。」

私は精霊達と穴の中に消えてゆくシーラさんを見送りつつそうボヤく。すると、ネフェルさんが私の隣に立っていた。

 「蒼華(そうか)ちゃん、気にしても仕方ない。それよりも行きますよ?兎に角、僕達は闇皇帝ルシエドの玉座である最下層に進むしかない、今、別ルートでそこを目指してる飛翠くん達と同じ様に。」

 私はその声に見上げた。何時も涼し気な顔をしてるネフェルさんがこの時ばかりはちょっと怖い顔をしていた。私に話掛けてるのにその銀色の眼は真正面……、広くちょっと薄暗い洞窟を見つめてた。

 「は……はい。」

 (うぅ……、なんか今更ながら緊張して来たっ。)

この空気感に私は既に逃げ腰メンタル!ブレそーになるっ、つか逃げたくなるっ。でも、聞こえる。

 「蒼華姉様、ごめんなさい。色々、心配かけて。」

ハッとした。いつの間にか……私の横に立っていた。紀州犬に似たコボルトのシロくんが。

 「あ……や?ごめんっ!なんか色々起こり過ぎてて私、シロくんを放置したっ!や?あーもぅ、ごめんなさいっ!!」

 言ってる事が言い訳過ぎて頭パニックになって、私はシロくんにその頭を深く下げていた。

 え??と、シロくんはちょっと驚いた声を出したんだけど、いえ。と、直ぐに笑った様な声を返してくれた。

 「蒼華姉様が謝ることではないです、僕の心がまだまだ弱いと言う事ですから。僕には“覚悟”が足りない、グリード君の様に強くならないとですね。」

 え??今度は私が聞き返していた。私は頭を上げシロくんを見つめた。彼は黒い瞳がまん丸だけど、本来なら白目である部分は蒼い。このイシュタリアの人達は不思議とそうゆう眼の人が多い、彼もそうだ。だからなんかそんな不思議な綺麗な眼で見つめられると、ちょっとドキっとしてしまう。色んな意味で。

 「あ〜……と?グリードさん??何故にそー思うんかね?シロくんは。私からすると只の“荒くれキッズ”なんだけど?」

 ふふっ。と、シロくんは可笑しそうに左手を口元に当てながら笑った。彼は犬獣人族(コボルト)なのでその手も肉球あるわんこの前足だ。真っ白な毛で覆われたその左前足で口元押さえつつ言った。その所作すらカワイイのよ。

 「だって飛翠さんを“自分で護る”って決めてるから。だから傍に居ようとするから。でもそれは只の守護者じゃなくて援護の意味で。グリード君と飛翠さんはもうそう云う関係なんだなと思ったんです。」

 ん??と、私はちょっと……首を傾げてしまった。

 「え〜……と??それは“男の友情的”なお話かな??ちょっと……脳内低速気味の今の私には理解出来ないんだけども??」

 とても素直な意見を伝えた。

ふふっ。と、シロくんは笑うだけだった。私を見てとても可笑しそうに。

 (えぇ??なんか久々のシロくんゆるゆるスマイルじゃんよー、私そんな謎発言してます??)

 と、、、思ってる所にアトモーネスの声が聞こえた。

 「蒼華、シロ。再会で盛り上がってるとこ悪いが、そろそろ出発したいのだが?」

 バサッ!と、、大きな碧色の両翼羽ばたかせて煽られてしまった。

 「あ……ごめんっ。」

私が言うと、ぷくくくっ。と、後ろから吹き出す笑い声が聞こえた。

 「ケツが重い。」

 ぬなっ!?   

私は即座に振り返った。

 大地の神獣タイラントが口元に両手当てながら笑ってた。くくくっ。と。

 「タイラントっ!!次ソレ言ったらおやつ抜きだからねっ!!」

 私が怒鳴ると、ふははっ。と、彼は笑う、大きな頭を踏ん反り返らせながら。

 「いいも〜ん♪飛翠がくれるから。」

 ムカッ!とした。

 「お前っ!私の召喚獣って自覚しろやっ!いい加減っ!」

 怒鳴ったのだが、はぁぁ。と、、アトモーネスが大きな碧の羽根のトサカ付いた頭を、ふるふると振りながら言った。しかも大きな溜息まで零して。

 「もう良い、蒼華、シロ、乗れ。お前達は私が運ぶ。ネフェルはライムスに。」

 アトモーネスは流石は女帝。神獣達を纏める者だけあってそう彼等に指示を出していた。

 勿論、私にも。

 「早く地を離れた方が良い。既に奥から闇の力は感じる、駆け抜けるぞ。」

 そう言った樹氷の神獣ライムスは文字通り、全身が氷の彫刻みたいな獅子だ。彼が話す度にその勇ましい口元から白い息が吐かれる。ゴツゴツしててその大きな背に飛び乗ったネフェルさんに、私はちょっと思う。

 (お尻冷たくないのかな?)

 と。でも、何か聞ける雰囲気じゃなかったので聞かなかった。だってまたアトモーネスからお叱りの一声が飛びそうで。

 すると、地竜の1つの頭が振り返った。

黄色い眼したギャルメイクのマリンと言う大蛇だ。灰色の長い首だけが地から突き出てて胴体見えない彼等は、今7頭居る。その中の1人……マリンと言う名のタイラントの妹さんが私達を振り返ったんだ。

 「あ〜で?結局どーすんの?あーしらは突っ込めばイイの?指示系統ちゃんとしてくんない??」

 ギャルメイクのマリンさんは、、、口調もギャルちっくで……イシュタリアってギャル居るんだな。と、ビックリした存在でもある。

 あ〜……と、それに応えたのはタイラントだった。

 「お前らは偵察隊ってことで。先に進んで蹴散らしてくんない??で、状況伝えて欲しいんだけど?俺に。」

 腰に虎巻、黄土色の筋肉メンであるタイラントが言うと、はぁぁ??と、マリンと言う娘、、、いや、地竜、大蛇は怒りの声を放った。

 「ソレはなに??囮ですかぁぁ??タイ兄!あーしらを何だと………」

 「おやめっ!マリン!!」

 ギャルの声を物凄い迫力の声で遮ったのは、桃色の眼した地竜だった。長女テトラさん……が、マリンさんを叱りつけた。

 「今はそれどころではないっ!すまぬ、タイラント。解った、お前の言う通りにしよう。我等は先に潜り込み戦況を伝える。当然、お前達の援護をするカタチで動こう。」

 テトラさんはちょっと悄気げたマリンさんを眺めつつ言った。うん。と、タイラントは頷いた。

 「ごめん、テトラ姉さん、頼むよ。」

テトラさんは大きな蛇頭をタイラントに向けながら言った。

 「いや?その為に我等は来たのだ、お前の呼ぶ声に応えたのだ。タイラント……大丈夫、安心しなさい。お前の大切な者達を護る為に力を貸すから。お前はその者を護りなさい、宜しいね?」

 うん。と、タイラントは大きく頷いていた。

 (なんか……私まで泣きそうになる……このお姉さんの言葉に。不思議な家族構成だけど……、私達人間と何も変わらない、家族を思う気持ちとか。)

 思わぬ感じで神獣の家族達の絆を見た私は、驚きつつも何処かじんわりと心が温かくなり同時に、勇気を貰った気がしていた。だから、私の心は弱々メンタルが払拭されてた。

 (よしっ!行くぞ!最下層へ!!)

 

 こうして私達はーー、駆け抜ける。正面ルートから最下層に向けて突っ走ったのだ。

 

 ▷▷▷▷

 

 地竜達は地を潜り先を目指す。

私達は召喚獣達を引き連れて地底の洞窟を走っていたーー。

 でも、直ぐに目の前にゴーレム達の大軍が、のしのしと歩いて来るのが見えた。

 「ネフェルさん!ゴーレムが!」

 私が叫ぶと飛んでるアトモーネスの横で空中を飛びながら駆けるライムスに跨がるネフェルさんが答えてくれた。

 「蒼華ちゃん!先ずは貴女とシロくんの魔法で先陣を切って下さい!」

お互いに離れてるし召喚獣達の移動スピードは速くて風を切ってるので、どうしても叫ぶ様な会話になってしまう。だから、ネフェルさんの声もむっちゃ張ってた。

 「魔法っ!?言うてもなんかむっちゃ初期魔法しか使えないけどっ!?」

 私が言うとアトモーネスがイラついた様に言った。

 「お前っ。我等の与えた力をナメ腐ってんのかっ!?」

 「ひっ!ごめんっ!違うて!魔石のハナシ!!」

 うっわ!むっちゃキレとるがなっ!!

でも、ネフェルさんの声は聞こえる。 

 「いいですか!?直ぐに僕とライムスが第2波を放ちます!ですが、僕の術に少し時間が掛かる!なので、時間を稼いで欲しい!」

 「えっ!?」

 ネフェルさんの言葉に私は横を見たんだけど、既に彼は右手に持つ神導書を開いていて、その身体も黄金の光に包まれてた。まだ柔らかな優しい光だったけど。

 「えと……解りました!」

 そう言うしかなかった。ネフェルさんの横顔がとっても強張ってて、私の顔すら見てなくて目の前に歩いて来るゴーレムの大軍を見据えてたから。しかも、そのゴーレム達は地上で見たゴーレム達とは違くて真っ黒な身体してた。でも、眼だけは稲光走ってるみたいな蒼い光を放ってた。

 私はそんなゴーレム達を見てから黄金のロッドを握り、私の前に乗ってるシロくんに言った。

 「シロくん、行ける?私達ってなんか突発的に色んな魔法使えてたけど、、、よくよく考えたらさ、自分の魔法って……何??」

 するとシロくんも、あ。ですね。と、困った顔で振り返った。

 「僕たちは超初心者ですよね?イレギュラーで強力な魔法を使えたりしましたけど……。実際、今使える魔法は初期のちゃんと継承したモノですよね?僕の禁呪はもう使えませんし。」

 「え?」

私が聞き返すと、シロくんはちょっと真面目な顔をして言った。

 「あ。そのハナシはまたちゃんとします、それよりも蒼華姉様、“紅炎の魔法”が良いと思うのですが……どうでしょうか?」

 「え?紅炎の魔法??なんで??」

シロくんは私が聞くと、う〜ん。と、少し首を傾げながら言った。

 「僕がちゃんと継承してる“大地の神獣タイラント”の大地の魔法……それと、蒼華姉様の紅炎の魔法と合成させたら、“大噴火”❨ギガデス❩と言う魔法になるんですよ。これは当然、試した事はなく僕も魔導書を読んで知った魔法なので、成功するかどうかは。」

 「え??バチ??ソレ行けるよ!シロくん!やってみよ!」

私は即答だった。するとシロくんは、ふふっ。と、笑う。

 「解りました、やりましょう。蒼華姉様。」

 私はそう言ったシロくんを見て、うん。と、強く頷いた。

 

 彼が居る事で道が開けるーー。  

私にとって未知なる明るい光なのだ、、シロくんは。 

 

 

   

 

 

    

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