18 話してみようか sideシャーロット
……深い海、ここは深海。真っ暗で光が届かない…沈んでいく、沈んでいく……私はこのまま消えて行くのね。…………?…誰か、私を呼んでいる………そこにいるのは誰なの?
「大変だったね、……大丈夫だよ、大丈夫。彩音ちゃんもシャーロットちゃんも大丈夫!あなたには心強い友達がいるんだから、ね?あ…もちろん私も頑張るよ。まかして!」
顔は良く見えないけど、優しい声が聞こえた。すっごく、何処かで聞いた声…それこそ彩音の時代位昔に聞いたことある感じだ。……誰かしら?
って、いやいやいや…
私は転生してるんだから、この世界で知り合いなんて居るはず無いわ。……うーん、彩音ときちんと話が出来たら楽なのになぁ〜
どうにも私、シャーロットと彩音はこの世界できちんと話をすることは出来ない。心の底でお互いがいることを認知し、お互いを殺し合っていく。……主導権を握る為にだ。
ん。あれ?あーーっ、もう!完全に彩音にやられて来てる!……喋り方が完全に彩音だったわ。庶民の喋り方。
……ごほん。
「あなたは誰ですの?私はともかく、彩音を知っているのは何故?」
「………ずいぶんと返事が返って来るまでが長かったなぁ。…まぁ、いっか。私のことは、彩音ちゃんが知ってるはずだよ。だから、まだ秘密。彩音ちゃんに私のこと聞いてみてよ!」
「彩音と私は一応同じ肉体を持った人間だから、私と彼女が話し合うことは出来ないんですの。」
「ほら、だからさっき言ったじゃない。あなたには、心強い友達がいるって……」
…………?
私に友達なんていない。
メイソンもルーカスも同じ生徒会役員ではあるが私は彼らにもずっと秘密を抱えている罪悪感がある。友達どころの話では無い。
「もぉ、素直じゃないなぁ〜。皆、あなたのこと気にかけてるのに。…これじゃあ、彩音ちゃんだけじゃなくてあなただって悪いわ。結局、彩音ちゃんもあなたなんだから。」
「…彩音も私…」
少し言葉が気にかかり、考えてみる。じっくりと考えてみようとした所、正体不明の声の主が
「とにかく、一旦起きろぉー!」
と叫んだので、私の思考は中断した。
「あ、起きた?」
目が覚めると、私はソファーで寝かされていて側にはリリィ=アネットがいた。……どうして彼女がここにいるのだろう?
「話してる途中で気絶しちゃうんだもん。心配したよ。」
不思議に思ったのがわかったのか彼女は説明してくれた。……というか、心配?私の?
やったのは彩音とは言え、彼女からしたら私がやったことになる酷い仕打ちがあるにも関わらず……?
……じゃない。『彩音も私自身』なら、彩音の行動を制限出来なかった私が悪い。なら、謝らなきゃ。
「アネットさん、ごめんなさい。」
素直に口に出すことが出来た。
「…えと、うん?」と今度は彼女が不思議そうにする。
「私、あなたとルビィに酷いことしたから…」
「……やったのは、あなたじゃないでしょう?もし謝る気があるなら、ルビィに謝らせて。」
彼女はまるで私と彩音が別者だと言うような言葉を示した。
「あなたは、私と彩音の…2つの存在についてわかっていますの?」
しばらく私をじっと見つめる。
「正直、薄っすらとしかわからない。だから、教えて。あなたのこと、この世界のこと…」
話してみようと思う。相手が全て信じてくれるとは思っていない。
《話した所で何が変わるの?》
《どうせ信じてくれない》
《…私の異常が知られる》
《気味悪がられる》
《怖い、怖い、怖い》
でも、…話すことが私の誠意をみせることだと思うの。だって、相手はそれでも聞きたいと言っているんだから。




