14 絵日記①
昔々のお話です。
昔々、メル=ホリアスがまだ王妃で無く学生だった時……。初めて赤いドラゴンに遭遇した時……。
赤いドラゴンとレイアが初めて会ったのは、ウィズイン魔法学園の敷地内だった。校舎から少し離れた所。そこには、小さな教会のような、建物があった。
「どうしたの?何に怯えてるの?」
「寂しい、の。私、いつも1人なの。」
メルは、何故かちょっかいをかけてくるクラスメートのレイア=サリエルに疲れていた。彼女のちょっかいを避ける為に、メルとそのパートナーのサファイアは校舎から離れたその建物まで訪ねた。
この学園は、関係者しか敷地に足を踏み入れることが出来ない様に結界が貼られている筈なのだが…小さな女の子がいたことが気になって声をかけた。たまに魔力を持った子供が敷地内に入ってしまうことがある。だから、今回も同じだろうと思ったのだが…メルが話しかけると、その女の子は凄く怯えた反応を見せた。
「じゃあ、私があなたの友達になる!そしたら、寂しくないでしょ?…私はメル=ホリアス。この子は私のパートナー、サファイア。あなたの名前は…?」
「…無い、の。」
名前が無い…?どこかの孤児院から抜け出してここまで訪れたのだろうか?それにしても、名前が無いなんておかしい…
「本当なら、……本当なら私がつけて良いものじゃないんだけど……名前が無いとなると不便だから、仮の、仮の名前を私が付けても良い?」
「……名前、くれる、の?」
「うん!あ、仮だからね。
そうだなー、ルビーなんてどお?」
「ルビー、……私、ルビー……」
「うん。…なんだか、あなたからサファイアみたいな雰囲気が感じられるの。それに、サファイアの青くて綺麗な目とは対照的にあなたの目は……とっても赤くて綺麗だわ!」
「リュウ!」
サファイアもルビーも嬉しそうにしている。
「……って、あ!ヤバい。もうこんな時間…セージが怒るからもう戻らなきゃ…!」
「…帰っ、ちゃう、の?」
女の子は寂しそうにした。…うぅ、友達発言からの今すぐ帰るって…なんだか罪悪感…
「またここに来るよ!そしたら、一緒に遊ぼう?だから、あなたもとりあえず住んでいる所にに帰って……この学園は一応部外者立ち入り禁止なの…。だから、次ここ来る時はバレ無いように気を付けてね。これは、私達だけの秘密だよ?」
それから、私達とルビーはちょくちょくと一緒に過ごした。よくやっていることは、お絵描き。私は描く題材があまり見つからないので、絵日記のようにして絵を描いている。ルビーは、私の学園での話を聞くのが好きみたい。…ルビーは無口であまり自分のことを語りたがらないから、彼女自身のことはあまり知らない。これから、もっと知れると良いなぁ〜。




