11 会議終了及び新キャラ登場
「…アネット、何をした?」
あまりのイベリアの乱れ様に流石のエイハブさんも関与することにしたらしい。
「ちょっとした魔法をかけただけです。」
「嘘つけ!お前が大きな魔法を使っているのはわかっている!」
「……ちょっとした、ね。イベリアのあの様子はどう説明する気?」
少し苦笑いする。エイハブさんは、真面目にイベリアを心配しているのに対して、メイソンはこの状態の原因の方に目がいってる。研究肌…っていえば良いのかな?そうさせた本人である私が言うのもなんだけど、メイソンももっと心配してあげた方が良いんじゃ……なんて思う。まぁ、今回のは研究のことだけじゃなくて私が危険かどうかも計っているんだろうけど。
「答えろ!」
真剣に怒るエイハブさんの声が響く。……とは、いえどうしよう。今、エイハブさんを敵にするのはとてもまずい。でも、まさか、ここまで酷いとは思わなかった。これでは、イベリアと真面目に話も出来ないだろう。
察しの通り、私は今魔法を使っている。だが、ここで魔法を中断したら私の残りの魔力ではもう魔法が使えないだろう。
「……今、魔法を解除することは出来ません。私は一度彼女から攻撃を受けていま……ルビィ!?」
断ろうとした時、ルビィが現れた。
私はルビィに召喚魔法を使わなくても良い様な魔法回路を施してある。
でも、今まで特に自分から現れることは無かった。
『リリィちゃん、やめて。あの子、苦しんでる。……リリィちゃん、私の為に、してくれていることはわかってるの。でも、私、人を苦しめてまでやって、欲しくない。』
ルビィの叫びが聞こえた。
瞬間、“以心伝心”の魔法を使ったことで私の魔力は尽きた。
……そうだ…私はルビィが危険だと勘違いされたくなくて、ルビィに広い世界を見せてあげたくて、ルビィがもっと自分を知れたら良いなと思って、……権力も何も無い、落ちこぼれの私と一緒にいてくれたお礼がしたくて生徒会役員になりたいと思ったんだ。
でも、ルビィに嫌な思いをさせちゃったら意味が無い。
「有難う、私を止めてくれて…」
ルビィは私の胸に来た。そして、そっと跳ねる。「 。」今、魔力の無くなった私にはルビィが言った言葉の全てを聞き取ってあげることは無いけど、ルビィの優しさが伝わった。
朝、私がいつも通り学校へ向かった。結局、昨日は魔力の大きな消費によって疲れて倒れてしまった。多分、誰かが私を部屋へ届けてくれたのだろう。お礼を言いたいとは思うけど、無理してまで会う必要がないだろうと思うのも本音。生徒会役員になるのは諦めたから。…別にルビィがいいなら私も良いのだ。メイソンという友達がなくなるのは寂し……うーん…いや、まぁ、寂しいか。それより、1番の問題は、まだ私とルビィは国に目を付けられてるままなのだ。……今日は図書館へは行かずにその問題について対策を練っておくか。本当は、先生であり司書でもあるオセフィア先生に相談したいが…先生を巻き込む訳にはいけない。先生は、私に優しくしてくれた人。悩みを相談したりする様な仲なのだ。
……っと、学校に到着するとなにやら人の視線が痛い。なんだ?ヒソヒソと、感じの悪い…私は庶民であるが、特に目立つことをしないから基本的に直接何かをされる訳では無い。「何であの子が…」「何か嫌らしい手段でも使ったのよ」「なんてったって、あの子は庶民だものね」周囲の人から嫉妬を感じる。でも、それこそ私は庶民だ。嫉妬なんてされる筈が無いのだが…
「リリィ=アネット、これはどういうこと!?」
少しチャラ目の人が取り巻きを連れて私に聞く。えーと、この人は…確か、……キャビレア=セリウスだ。
……なんてボーと考えていたら反感を買ってしまった様だ。
「私が何か気に触る様なことをしてしまいましたでしょうが?」
「どうして、ドラゴン持ちで無いあなたが生徒会入りしたのよ!?」
「は?」
「え?」
「「…………。」」
取り敢えずポカーンだ。
聞くところによると、どうやら私は正式に生徒会入りするという情報が今日流れたらしいのだ。
「えーと、ちょっと待って下さい。確かに、確かに私は一度生徒会に入ろうとしましたが…イベリアに反対されて、諦めて…その筈で…」
「イベリア!?」
……そうだった、この人、イベリアと敵対してるんだった。というか、つい本能的に呼び捨てしちゃった…
セリウスさんは、とにかく派手な人。だから、規則を守らせようとするイベリアが苦手なのだ。
……もちろん、規則を守らないセリウスさんも悪いのだが、イベリアは厳密過ぎるのだ。とことん拘る。本当、どうして私の様な一般生徒に攻撃を振るったか全くわからない程ルールに厳密だ。厳密というか行き過ぎている。その為、反感を買いやすい。
「…あんたもイベリアに酷いことされたんだね……」
なんて本来の私を詰る目的を忘れて「こんな冴えない一般生徒に酷い…」という同情が集まってしまった。あれだね、敵の敵は味方って奴。なんてしばらく私を取り囲んだまま談義(私を除く)していたからか予想外の人物が現れた。
「皆様、そろそろ始業のチャイムがなりますわよ?さっさと戻りなさいな。」
…話に出てたシャーロット=イベリア本人が現れた。
「ハァ?あんたに言われなくたって、ウチら今行こうとしてた所ですけどぉ?」
と、喧嘩腰に向かっていくセリウスさん。「罰則、またくらいたいんですの?」と冷静に返すイベリア。それを聞いて舌打ちをしながら「行くよ!」と取り巻きを連れて去っていった。イベリアを睨むことを忘れずに。
彼女が去ったのを見届けて、イベリアは私を見る。そして…
「別に、あんたを助けた訳じゃないんだからね!」
……は?
さっきまでの口調どうした……と思う私がいた。




