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第二十章 パン屋

雨が上がったのは四日目の朝だった。


空は晴れていた。


風は冷たい。


地面はまだ濡れている。


日差しだけが戻っていた。


沈帰塵は三条通を西へ歩いた。


橋のたもとのパン屋には、朝から行列ができていた。


彼も並ぶ。


前には若い母親と小さな女の子がいた。


女の子はショーウィンドウに張りついていた。


「ママ、これ」


「今日はだめ」


「えー」


「昨日も食べたでしょう」


女の子は口をとがらせた。


母親は笑った。


沈帰塵はあんパンを一つ買った。


その場で食べる。


甘すぎない。


静かな味だった。


橋へ向かう。


川の水は増えていた。


三日間の雨だった。


石の上を勢いよく流れている。


彼は立ち止まった。


流れが途中で曲がっている。


石ではない。


水でもない。


下に何かある。


沈帰塵は川をしばらく見ていた。


あんパンを食べ終える。


もう一つ買おうかと思った。


だが、やめた。

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