第5話 夕焼けの港に響く銃声
『ターフのカノジョ外伝 = チャリティーアイドルホースベコ =』は北陸復興支援と地方競馬(金沢競馬含む)の繁栄を目的に「お座敷ちゃんねる」が展開している北陸復興支援プロジェクト(タフカノベコプロジェクト)から出てきた2.5次元[3次元ベース]の『ターフのカノジョ外伝 = 北陸復興姫ベコ =』と2次元ライトノベル『ターフのカノジョ』を実際の競走馬ベコを介して世界を繋ぐ2.5次元ノベル。
ベコを現実へ引き出しリアルな陣営の想いとベコのブログ部分とターフのカノジョとクロスオーバーさせた物語です。
夕方。日が沈みかけ馬房の影が長く伸びていた。
「ベコ、もらった人参だよ」
パドゥドゥのオーナーの声が柔らかく響く。
私は耳をぴんと立てその言葉を逃さない。
「人参?!」
胸が高鳴り、落ち着かない。
馬房のラジオからはニュースが流れていた。
『ニュースです。福井市内で瞬間停電が発生しましたが現在は復旧しております。原因は調査中とのことです』
オーナーが差し出した人参をかじる。
甘い。美味しい。
オーナーは私の首を撫でながら言った。
「停電は大変だね」
私はもう一本の人参を口いっぱいにほおばった。
その頃、NEO下北野競馬場の地下では異変が起きていた。
「どういうこと?地下に入った途端、照明が・・・」
「総帥、下がって」
あきらがさなの前に立ち刀を抜く。
暗闇の奥からライトが揺れながら近づいてきた。
工事作業員らしき女子が二人。
金髪の子がぶつぶつ言いながら通路を歩く。
「わけわかんないじゃん。頭に電源来てるのに・・・」
「しーちゃん待ってなのです。真っ暗なのです」
「ことり、ヘッドライトしてるんだから文句言わない!屋外キュービクル調べるよ」
黒髪ロングの女子が軽く会釈し二人は外へ向かった。
「私らも外に出よう。中にいても暗いし」
さなの言葉で一行は地上へ出る。
外では、先ほどの二人が受変電設備の箱を開けていた。
「ことり、そっちは?」
「入力電圧はちゃんとあるのですぅ」
「じゃあなんで発電機回って・・・あ!27信号動いてる!でもなんで?」
ももとあきらはその様子を黙って見ていた。
「全然岡山に行けないじゃん・・・」
さなが苛立ち始めたその時スマホが鳴った。
「もしもし・・・え!ヤバい!すぐ住所かGPS送って!」
さなの声が一気に険しくなる。
ももとあきらの表情も固くなった。
嫌な予感が走る。
「まりあ、まーなからターゲットポイントが来るから大至急そこへ向かって。チームDが危ない!」
状況は掴めない。
だがただ事ではないことだけは分かった。
四人は車へ走りスマホに届いた緯度経度を確認する。
「まりあ、そこへ向かって!」
さなは助手席で腕を組み窓の外を見つめた。
その横顔はいつもの軽さが一切なかった。
「ももとあきらが頼りだからお願いね」
車は北陸自動車道を北上する。
20分走っても、さなは一言も話さない。
車内に重い緊張が満ちていく。
再びスマホが鳴る。
「塩屋漁港の住宅地の中に白い工場がある。そこ!NEO下北野テレポックスが電力不足で機能しないから金沢から応援向かわせるけど時間がかかる」
まーなの声が車内に響く。
「チームDの反応は?」
「まだ大丈夫。でも念のため、あいさちゃん向かわせます」
「マイカかマナカかシミズ、誰でもいいから連絡つかないの?向かってるから連絡憑いたら一旦引き上げさせて!」
さなの声は怒りを含んでいた。
「連絡がつくならそうしてますよ!」
まーなの返答は短く切迫していた。
なぜテレポックスをわざわざ止める必要があるのか。
私は考えるが答えは見えない。
夕焼けの港に到着した。
「白い工場を探して!」
「ありました」
ももが指差す先に、白い外壁の工場があった。
「私たちが見てきます。さなさんたちはここで待っててください」
ももとあきらが工場へ潜入する。
ピロリン。
[その位置で間違いないです]
まーなからのメッセージ。
さなが首を横に振り行けのサインを出す。
私は銃を構え入口へ向かった。
さなも続く。
そして――
入口に着いた瞬間工場内から銃声が響いた。
乾いた破裂音が夕焼けの港を切り裂いた。
■ 第5話 夕焼けの港に響く銃声 ■
塩屋漁港・・・石川県加賀市にある漁港です。白山の美しい景色を背景にできる釣り愛好者には魅力のスポット。
ヒラメ・カレイ・コハダ・ハチメ・スズキ・セイゴ・ハゼなどが釣れるようです。
萌えよWorkersとのクロスオーバー・・・女性作業員として作業責任者の童夢志保と新米電気工事士が登場。
27信号とは・・・不足電圧継電器の信号です。一般供給されている電源不足(電圧低下または無電圧[停電])を感知した時に信号を出し非常用発電機に切り替え稼働させる等の連携を取るための信号のこと。
■ お願いとご挨拶 ■
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【ターフのカノジョとは】
競馬が繁栄し、法改正によって人々の日常に深く根付いた世界。
競馬産業は大きな変革を遂げ馬の生産頭数は適切に管理されるようになった。
競走馬は単なる経済動物ではなく一頭一頭がかけがえのない命として尊重され、引退後の第二の人生まで見据えた新たな産業構造が確立されていた。
その変革の中で誕生した第三の競馬体系――「学園競馬」。
専門職に就く大人たちから直接指導を受け、騎乗技術や予想技術、馬の生産・育成・管理、さらには競馬産業の運営に至るまで競馬に関わるあらゆる分野を体系的に学ぶ教育制度。
人々は、それを「競馬道」と呼んだ。
競馬道学部に集う生徒たちはそれぞれの専門分野で知識と技術を磨き、互いに競い合いながら次世代の競馬界を担う存在へと成長していく。
夢と誇りを胸に仲間と切磋琢磨する日々。
その先には、誰もが目指す栄光の舞台が待っていた。
しかし繁栄する競馬産業に目を付けた者たちもいた。
競馬界の光の裏に潜む欲望と野望に満ちた悪の影。
その脅威から競馬界と人々を守るため暗躍する者たち。
そして特殊能力「スキル」を駆使し勝負を有利に導こうとする者たちの出現。
新たな力が競馬界の在り方を変え、さらなる激動の時代へと突入していく。
これは競馬の未来を切り拓こうとする者達の物語。
馬と人が紡ぐ新たな競馬の時代。
学園競馬を舞台に少女たちの熱き青春と競馬界の光と闇が交錯する。
『ターフのカノジョ制作委員会とは』
みんなで創り未来へ受け継ぐ参加型ノベルプロジェクト
ターフのカノジョは、作者だけで物語を完成させるのではなく参加者からアイデアや意見を募り、みんなで世界を創り上げていく参加型ノベルプロジェクトです。
発起人である中原牧人だけでなく、一人ひとりの参加者が持つ発想や想いを大切にしそれぞれの視点やアイデアを物語の可能性へとつなげていきます。
さまざまな意見やアイデアを持ち寄り、互いの個性を尊重しながら一人では生み出せない新たな物語を共に創造していく。
それが『ターフのカノジョ制作委員会』の目指す創作のかたちです。
そして、このプロジェクトが目指すものは物語を完成させることだけではありません。
参加者一人ひとりの想いとアイデア、そして共に創り上げた創作の軌跡を日本の書籍というかたちで次世代へ受け継いでいくこと。
時代を超えて読み継がれ後世の人々が当時の参加者の情熱や創造性に触れられるような文化的・歴史的価値を持つ作品と記録を残すことを目指します。
誰か一人の物語からみんなの物語へ。
その想いを未来へつないでいくプロジェクトです。
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