火刑
〜日曜日〜
「白茅さん、おはようございます。現在時刻は11時15分です。15分の遅刻だと思っていますか?”1時間15分”の遅刻ですよ。気にしているわけではありませんが、とりあえず白茅さんの首を切って街灯に生首を吊るしたいという衝動に駆られました。」
「いや、駆られないでください!ほんっっっとごめんなさい!!」
俺は咲穂子との待ち合わせ場所の駅のみどりの窓口の前で大勢の人がいる中、綺麗な土下座をした。通りかかる人達が近くで路上ライブをしているオッサンより注目を浴びてしまっている。なんかごめんオッサン。
俺がここまで遅刻したのには、もちろん理由がある。
〜1時間前〜
「で、火刑の方針でよろしい?屑兄。」
「お、落ちついてくださりませんか!?姫様〜〜〜!!」
なぜ姫様が中世の死刑方法にまでに至ったのか。その理由はこの前(10話参照)の姫の部活を見に行くという約束である。その約束を俺が忘れていたとういうか、作者が忘れていたかはどちらが原因かはわからない。だが、姫様は現在チャッカマンを持って俺を椅子に縛り付けている状態はよろしくないよな。
「なんで...そうやって約束をやぶるの?バカバカバカァ!この粗○ン!!」
姫はギャーギャー泣きながらチャッカマンを振り回す。いや、危ねぇって!一家心中とか勘弁だよ?
「姫様!これには深い理由があるのでこざいます!今日は大事な試合が控えておりますので、今はお怒りをご沈めしていただけないでしょうか!」
俺は部活という名のメッキで糊塗をした。すまない妹よ今度大好物買ってあげるから!
「そ、そうなの?じ、じゃあ縄をほどいてあげるわ!」
「あぁ!帰ったら絶対今までの約束を果たすから首を長くして待っててくれ!我が姫よ!」
「Offろ...わ、わ、わかったわ!覚悟しとくわ!」
最後、赤面でなにかを覚悟していたかは謎であるが、俺は玄関のドアを開け、全力疾走で駅に向かったというわけですよ。
「....という訳ですよ。」
「なにか言ってましたか?いつもの独り言だと思っていたので、シカトしていました。」
「食に集中するという方針ですかい、そうかいそうかい!」
現在、俺たちは駅から離れ高層ビルにあるスイーツバイキングをしている。ここは、JKやら中年の奥さん方などで、男のグループは1つもいない。カップルはいますけどね!(゜⊿゜)ケッ!
俺の向かいの席に座っている咲穂子は甘い物が好きらしく、俺の手をなりふり構わず引っ張りここに連れてきやがった。はい、反省はしてますから抵抗はしません。?
「白茅さん、スイーツバイキングに来て、カレーをしか食べないというのはいかがなものかと思います。」
「そうか?カレーバイキングもなかなか良いもんだぞ。」
この会話の中でも咲穂子の右手はケーキをフォークで刺して口に入れることをやめない。いつものクールな顔を維持しようとしているのか知らないが、口元が緩んでいる幸せな表情を必死に抑えている。正直、こういう一面が見れて嬉しいと思う俺がいる。
「幸せな表情だな。」
思わず口に出してしまって、口をおさえた。
「確かに、普段は白茅さんといっしょにいると不幸せになるのですが、スイーツのおかげで不幸せが緩和されたというのは事実ですね。」
「俺がプラスでスイーツがマイナスと言いたいのかなるほどね!」
「逆の逆の逆の逆の逆の逆の逆ですね。」
「遠いんだよ、咲穂子は!」
この後も、バイキングの終了時間のギリギリまで粘りたいと咲穂子が言葉には出さずにも袖を引っ張るなどの行動で表してきたので、しばらくここにいることにした。




