1 ありあと、不思議な出会い
「おはよう!」
「おはよう! ありあちゃん」
「おはよう、あかりちゃん」
日良小学校5ー3組、悠生ありあと、柊あかりが、朝の挨拶をする。平和ないつもの光景だ。
だが、今日は少しだけ違った。
「ありあちゃん、チェーンが……ネックレス?」
ありあの襟元に、金色のチェーンが見えている。
「ぺ、ペンダント! <メニメニ>の。パパに買ってもらったの!」
「そう。気をつけないと、校則違反で取り上げられちゃうよ!」
「う、うん、ありがとう、あかりちゃん」
ありあは、襟元を正し、チェーンを隠した。
少しだけ遡る。
その前日の夜。
自分の部屋で、ありあは絵を描いていた。
大きな瞳を輝かせて、画用紙いっぱいに鉛筆で線を描く。
シャーペンより、描きやすいのだ。
「いつか、お母さんみたいな、絵を描くんだ」
ありあが幼い頃に他界した母は、水彩画のプロのアーティストだった。
結構有名なため、比べられることも多かったが、ありあはあまり気にしていなかった。
むしろ、母が誇らしかった。
ありあは、あまり器用なほうではなく、絵を描くのにも時間がかかる。
「ふう」
階下のリビングに、飲みもの休憩に行こうとして、気づいた。
「ふえ?」
窓を叩く音。
ありあは、身震いする。
「お、おばけ? 泥棒さん? パ、パパ……!」
《ありあ。俺は、聖騎士フィン。
おまえに話があるんだ》
窓の外から、男の子の声がする。
「聖騎士? フィン? で、でも、パパが知らない人と話しちゃだめって」
《パパ? うーん、俺はフィン。おまえはありあ。
ほら。もう、知り合いだ》
困り顔のありあ。
「あの、玄関から、お願いします。パパと一緒に……」
《じゃかーしい!》
窓の外側から、男の子が入ってくる。
「きゃ〜〜!」
オレンジ色のパジャマ姿のありあは、顔を赤らめる。
「こんな時間に、男の子と二人きりなんて! 不良だと思われちゃうよ!」
「二人きり? いや。
姫もいらっしゃる」
「姫?」
フィンは水晶球を取り出すと、それをありあに見せる。
そこに、美しい、ドレス姿の少女が映し出される。
よく見ると、少しだけありあに似ている。
《初めまして、私は、プリズム星の王女、アリア》
「ありあ?
私と同じ名前」
《私と、魂の色を同じくする者、ありあ。
お願いします。プリズム星を、オメガ・ルミナンス星から救ってください》
「プリズム星?
オメガ・ルミナンス星?」
ありあが、混乱気味に言う。
《ありあ。
地球も、オメガ・ルミナンス星に侵略されてきています》
水晶球が輝きだし、ペンダントに変わる。
次の瞬間、水晶のペンダントが、ありあの首元に下がっていた。
「これは、どういう?」
混乱するありあ。
すると……。
フィンの姿が縮み、ありあの足元に<うさぎ>が出現する。
ただし、耳は、細長い消しゴムの形をしている。
「おまえと住むためのカムフラージュだ。
よろしくな、ありあ!」
フィンは、前足を上げた。
【次回予告】
ありあです。
効率と正確さを重視する、デジタル思考のオメガ・ルミナンス星に、
あたたかさやぬくもりを重視する、プリズム星は侵略されてしまったんだって。
私と魂の色を同じくする、アリア姫の宿ったペンダントを渡された私は、
モンスターや、そのボスを倒すように言われて???
次回<お絵かきワールドへ>
みんなの想い、優しい絵で守るよ!⭐︎




