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はやいよ!

──パンッ、パパパーン!


向かっている途中、何かが爆ぜる音が遠くから聞こえてきた。


「鉄砲の音でしょう。どうやら蒲生殿と明智勢の合戦がもうすでに始まったようです」


そばにいた家臣が言った。


「もう始まったのか」


「ここまで聞こえてくるということは、明智勢は城外に打って出ているのでしょう」


前世で安土城についてネット検索したことがあるが、軍事的な城ではなく、信長の威光を見せつけるための城……というようなことを書いてあるサイトだかブログを見かけた記憶があるぞ。城の防御力が微妙だから明智は打って出る作戦がベストだと判断したのか……。

 

 俺たちは軍を進め、蒲生軍に加勢した。明智勢は手強く、押しては退き押しては退きの繰り返しだったが……やがて兵数が足りなくなった明智勢は安土城へと退散した。追撃しようとしたが、「深追いはやめた方が……」という家臣と蒲生殿のアドバイスによりナシになった。俺も兵たちも疲れてたし……。

 まぁ、明智勢の兵数を削ぐことには成功したようだし、よしとしよう。




──次の日。


「総大将の光秀が安土を出ました! 城に残っているのは明智弥平次です!」


蒲生からの使いの者が大急ぎで知らせた。

光秀が安土を出た? どういうことだよ、大将首が遠のいて行く……。


「あくまで噂ですが……、秀吉様がとてつもない速さで戻ってきているらしいのです。嘘かまことか、明日にでも上洛するのではないかとの話もあります。光秀は京方面を守るために退いたのでしょう」


「ええ、速い!」


俺が元いた世界の歴史では、山崎合戦は六月十二日か十三日だったはず。いくらなんでも秀吉早すぎないか?


 ……もしかして、バタフライなんとかってやつじゃ……?

俺が本来の信雄とは違う行動をしたことによって、秀吉の行動も変わってしまった……? いや、でも、秀吉上洛の話はあくまで「噂」だ。


「……追いかけよう! 光秀を追いかけよう!」


「しかし、安土城はどうするのです! 明智弥平次が居座っているのですよ!」


あせる俺に家臣が諫める。


「お父上の大切な城を捨てるのですか? それに光秀に追いつける保証はありません。追いつけず、その間に他の者に光秀を討たれたとしましょう。すると世間はどう思うか? 父親の城を取り戻そうともせずに逃げたと思いますよ?」


「……うっ」


そうなったら本当にうつけものだ。上手く追いついて討てたらいいが、討てなかったら……。


※安土城の防御力については諸説あるみたいですね。

主人公は主にネットで歴史の豆知識得ている人なので、「ググったら出てきた」情報で考えています。

この物語はフィクションなのでその辺はご容赦を。

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