1つの終わり
我慢良くない
膀胱が限界を迎える前に扉から一歩踏み出した俺は左右の確認をし、どっちにトイレがあるのか一瞬迷ってからとりあえず左に行くことにした。何故か?だって『左右』って最初に左だからね!
真っ直ぐに進むとあっちこっちに扉がある。そしてこの中にトイレがあるのか?と思いながら1つ1つ丁寧に中を覗く、しかしなかなか当たりを引かない。そんな事をずっとしていたら鎧を着たオッサンに
「何をしている」
と言われ縄で縛られてしまった。あの…トイレに行きたいんですけど、と言える雰囲気では無い事を賢い俺は見抜いた!なのでもう少し耐えてくれよ、我が膀胱よ。てか、怖いよ!何も抵抗できないよ!ヘルプミー
黙って歩いているとデッカイ広間に連行された。牢屋コースだと思ったが、違ったのか。そして目に映るのは王冠被って椅子に座ってるザ・王様や王妃と王女…で呼び方合ってるっけ?が居る。さらに、周囲は偉そうな人少々に、鎧のオッサンの量産型が大量。場違いな俺1…希少です、な状態。
これはウンそうだなぁ、異世界やなぁ、わかったからもうトイレ行かせてなぁ〜、と考えていると王様が話を始めようとするではないか!これはヤバイ!こんな場合大抵どんな物語でも話が長いんだよ!膀胱はもう荒波なのよ!先手を打つしかない、尊厳の為に!
「失礼!さっきからトイレに行きたくてもう辛いんです!尊厳のピンチなんです!この歳で漏らしたとか恥ずかしいのでトイレの場所まで連れてってくださいお願いしますその後話しましょうそうしましょうね可哀想でしょ?このオッサンがピリッとした雰囲気出したせいでずっと言えなかったんですよ!トイレに行きたいって、起きた時から俺の膀胱はピンチだったのに!さぁ!早く俺をトイレに連れてけぇぇぇ!」
…場の空気が凍る中一言王様の声が発せられる。
「その者を早くトイレに連れて行ってあげなさい」
こうして俺の最初の旅は終わりを迎えた。




