神殿は全部で4階建てだった
少し遡って、アシュトンが「時を渡りし人」といっていた言葉だが、この世界に何十年・何百年かにたまに異世界から迷い込んだり、召喚された者がいる。その者達を称して時を渡りし者と呼んでいた。この時を渡りし者は、この世界にない知識や変わった名前やチートスキルを持った者が多い。
むぎは完全にこの「時を渡りし者」に該当する。
むぎはアシュトンが眠っているのを確認すると、側に近づいて様子を窺っていた。アシュトンの着ている服は随分と位が高そうな者が着る様な服を着ていた。だが、1人で行動をしている様で普通なら執事やメイドや護衛の者がいても不思議でないのに誰もいない。それに、こんな辺境そうな場所に来ている。どういう事なんだ?そう思いながらむぎも違う部屋に行ってから眠ってしまった。
朝になって、むぎもアシュトンも目が覚めてダイニングに出て来た。むぎがアシュトンに昨夜と同じ様に肉を焼いてもらっているうちにおにぎりを出していた。朝の肉は豚肉にしてみた。香ばしく焼けた豚肉はとても美味しかったが、やはり最低限の調味料は欲しいと思ったむぎであった。アシュトンは昨夜の食事の時におにぎりを初めて見てむぎが食べるのをみてから食べていた。
この世界にというか貴族はおにぎりなんかは食べないか。朝食を食べ終わると寝ていた部屋に戻って行った。
アシュトンは自身のガチャスキルを確認するのにガチャを呼び出した。ガチャのチケット枚数を確認すると昨夜寝る時は1枚だったのが、3枚になっていた。それに、このガチャは誰にも見えないで自分だけが見えて使えるのだと思っていたが、昨日むぎが同じ様に見えて使えていたのが不思議だった。それに出たカプセルが全て上位の様な感じだった。自分で回したときは下位の物だったのにどうしてだろう?
むぎがガチャを見れて引けるのは時の女神の加護が影響している。これらのスキルは神達が作ったスキルなので加護を持っている者なら、誰でもガチャを見る事も触る事も出来るのである。
そうだ、ステータスを確認してみよう。魔法スキルが増えたんだろうか?と「ステータス」と頭の中で唱えると目の前にステータスが表示された。
氏名 アシュトン・フラジリアン
年齢 15
種族 人族
スキル ガチャ、建築スキル(MAX)、回復魔法(MAX)
パッシブスキル 無し
加護 無し
えっ?スキルが増えてる。そうだ、ガチャで出たスキルだ。出たカードを使うとその人のスキルになるみたいだ。スキルの後ろのMAXって何だろう?
このスキルのMAXはその属性の魔法が魔力量に応じた威力及び最大魔法が使える。普通は属性魔法ごとのランクしか使えない。例えば火魔法(初級)という感じに表示される。アシュトンの父親は火魔法(上級)長男は水魔法(上級)次男火魔法(中級)フラジリアン侯爵の初代は火魔法(最上級)だった。
アシュトンの魔力量はそんなに多くないので使えても中級魔法までだな。
アシュトンは自身のステータスを見て、ガチャで出たスキルが自身のスキルになっているのが不思議であった。それにしても、むぎがガチャを引いた時に出たカードだけど、知らない物がいっぱいあった。でも、今の環境で必要な物が出ていた様にも感じられた。それに、召喚出来る者なんだけど、神とか精霊王とか神龍とか陸神獣って召喚してもよい者なんだろうか?アシュトンは不安になっていた。
むぎは神殿の1階は探索をしたが、2階はしていなかったので、アシュトンに内緒で探索をしていた。2階は殆どが1階の部屋と同じ広さだったが、3つだけは違った。その3つの広さだけど、厨房とダイニングを合わせた広さになっていた。地下はどうなんだろう。と地下に降りて行くと、巨大な部屋になっていて、台座が108台あった。台座の下に壊れた像が落ちていたが、残っている像もあった。その像が何の像かはむぎは知らなかった。地下1階はこの台座がある部屋だけであったが、まだ下があった。地下2階は何があるんだろうと下に降りると、祠があった。祠の数は8だった。祠をよく見ると真・火・水・風・土・緑・光・闇と記されていた。ここで行き止まりみたいなので、むぎは1階に戻っていった。
むぎが1階に戻ると、アシュトンが正面の扉の所にいた。「むぎさん、何処に行っていたんですか?いないと思って外に探しに行こうと思った所だったんですよ。」「アシュトンさんが部屋から出て来ないので、この神殿を探索してたんですよ。」「そうだったんですね。それで、何かありましたか?」「2階は部屋だけだった。地下は2階まであって、地下1階は台座が108ある部屋で像があったよ。でも殆どが壊れていたけどね。地下2階は祠が8あって何か文字が記されてた。」「地下にはそんな物があるんですね。今度は私も一緒に行きますね。」と言ってダイニングに戻って行った。
アシュトン「むぎさんは外には出たんですか?」「まだ出た事がないんですよ。」「それじゃ一緒に外に行きませんか。」「いいね。行こう。」と昼食を済ましたら外に行く約束をしていた。




