猫獣人が住人になった
アシュトンとむぎは領主邸に戻って行った。領主邸に着くとカトレア達がダイニングにいた。「アシュトン、ソノーラが野菜を使った料理を作ったので味見をしてほしい。と言ってたよ。」アシュトンは厨房に行くとソノーラが料理を持って待っていた。「ソノーラ、その料理がそうなのか?」「アシュトン様、お口に合うか分かりませんがよろしくお願いします。」アシュトンは料理を1口食べると、今まで食べた野菜の中で1番旨かった。「ソノーラ、物凄く美味しいよ。」「ありがとうございます。」とソノーラが喜んでいた。
アシュトンが「今夜はこの野菜も使った料理が食べられるんだね。楽しみだよ。」「アシュトン様の為に美味しい料理を作りますね。」と言って、料理の下準備を始めた。
むぎは領主邸から神殿に戻り、酒造工房の設備の使い方を大賢者の知恵を使って調べていた。むぎは前世の知識はあるが、酒造工房での設備は見た事があるが製造方法や扱い方は知らなかった。
バルバロッサが神殿に戻って来たが、メリナとモニカは酒造工房に残っていた。シルバーフェンリルも帰って来たが、ある者がこの村に来ていた。「むぎ殿、北の門の所に猫獣人達が来ていた様だけど、儂にこの村への入村の許可を出せないからそのまま門の所に待機してる。」「えっ?シルバーフェンリルさん、それは本当ですか?」「はい。」「それはまずいので、今から私を北の門の所まで連れて行って下さい。」と言って、慌ててむぎはシルバーフェンリルに乗って北の門へと向かった。
北の門外では猫獣人が15人いたが、御主人様がいないので随分と弱っていた。猫獣人は主に仕える事で猫獣人の本領発揮をする事が出来る獣人なのである。獣人はいろんなタイプの獣人がいるが、猫獣人と犬獣人は主に仕えてこその能力を発揮出来る獣人なのである。門外にいる猫獣人達は今は主となる人物がいなくて弱り切っていた。
むぎとシルバーフェンリルは北の門の所に着くと、北の門の扉を開けて猫獣人達に入村の許可を出した。猫獣人達が門の中に入ったが、今にでも倒れそうな猫獣人がいた。むぎが「大丈夫か?」「すみません。私は猫獣人のリーダーでフューネと申します。貴方様の元で働かせて貰えないでしょうか。」「フューネさん、いいよ。私はむぎって言います。今後もよろしくね。」「むぎ様の役に立てますように頑張ります。」というと、むぎと猫獣人達の間で仮契約をしたみたいで、今にでも倒れそうな猫獣人の表情が和らいだ。「フューネさん、ここより南下すると神殿があるので、そこまで来てくれますか。そこに私が住んでるし、フューネさん達もそこに住むといいよ。」「むぎ様、私達の事は呼び捨てでお願いします。少し時間がかかりますが神殿に行きますね。」「それじゃ、フューネ達を待ってるからね。」と言って、むぎはシルバーフェンリルに乗って神殿に向かった。
むぎはフューネと仮契約をした覚えが無いが、会話の途中でむぎの魔力が若干失われたが、自然回復の方が多いので気にしていなかった。フューネ達はむぎと仮契約をして、少しだけだが能力が戻ってきていた。フューネ達、猫獣人は生活魔法(上級)を全員が使えて、後は個別にスキルを持っている。普段は契約をしてメイドとして屋敷に住み込みみたいな状態でいるのだが、前の主人が突然亡くなってしまい、引継ぎも出来なくてそのまま屋敷を追い出され今に至っているのである。
フューネはメイド長として猫獣人を仕切っていたので、今回もリーダーとして振舞っていた。
むぎとシルバーフェンリルは神殿に着くと、ダイニングに行くとバルバロッサが腹を空かせていた。むぎはとりあえずはおにぎりを出してフューネ達が来るまで待っていた。
フューネ達が神殿に来ると、むぎがフューネ達を出迎えた。「フューネ、来て早速だがこの中に料理が作れる者はいるのかな?いたら、料理を作ってほしい。」とお願いした。「むぎ様、私が作れますので少しお待ちください。それと、厨房は何処でしょうか?」むぎはフューネに厨房の場所とシステムキッチンの使い方を教えた。厨房内のテーブルに肉と調味料を取り出した。フューネは大量の肉を見てびっくりしていた。フューネは他の猫獣人にも声をかけて一斉に料理を始めた。「むぎ様、このお肉全部を調理したらいいのですか?」「大量だが全部をお願いするね。」「はい。分かりました。」と言いながら、仲間と一緒に料理を作っていた。
フューネ達が料理を作り終えてダイニングに持って来た。その時にむぎはおにぎりを収納から出していた。
むぎが「全員分の席が無いが、順番に食べて貰っても大丈夫?」「むぎ様、私達は後で構いませんのでお気遣いありがとうございます。」「私がみんなと一緒に食べたいんだ。」「むぎ様がそういうのなら、分かりました。」と言って席には歳の若い者から順番に座り始めた。むぎとフューネが会話をしている横でバルバロッサは凄い勢いで食べていた。シルバーフェンリルはいつもの様に床で食べていた。「フューネ、肉が足りない時は言うんだぞ。収納から出すからね。」「むぎ様、まだ有りますので大丈夫だと思います。」「多分足りないと思うよ。」とむぎは出した肉の量がいつもと同じ量だったので、フューネ達の分までは出していないからであった。物凄い勢いでバルバロッサとシルバーフェンリルが食べていた。そこそこ肉とおにぎりが減ってきたので、むぎは厨房に行ってさっきとは違う肉を収納から取り出した。
ダイニングに戻るとテーブルの上におにぎりを追加で出していた。




