表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私の夢は私が決める ~婚約者に「夢を叶えるために支えて欲しい」とお願いされましたけれど、勝手だと思いませんか?~  作者: ほし


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

50/51

50 領地に戻りました (3)

50




 ポワミエ伯爵邸にあるコレットの自室。

 そこでは、ドレス選びに頭を悩ませるコレットの姿が。


 実は、ロデールからの手紙には、ポワミエ伯爵邸に訪れる旨が書かれていたのだ。

 彼に少しでも自分を良く見せたい一心でドレスを選んでいるが、なかなか決まらない。


「こちらのドレスが良いかしら。でも、あからさまよね……」


「ロラ卿はお喜びになると思いますよ」


 コレットが指さしたのは、ロデールの瞳と似た深い海のような青色のドレス。

 上半身を中心に、至る所にダイアモンドで作られた花が縫い付けられ、海に白い花が咲いているように見える。裾に向かって広がっており、幾重にも重なったフリルはまるで波打ち際のよう。


 自分の気持ちを暗に伝えるには一番、適切だと考えたが、少し迷っていた。誰の目から見ても分かりやすいので恥ずかしく思っているのだ。

 しかし、侍女からの言葉を聞いて考えを改める。


「……じゃあ、こちらのドレスにするわ」


「ふふ、承知いたしました」


 コレットがようやくドレスを決め、侍女達はすぐに支度を始める。


 鎖骨の部分にはドレスの白い花に合わせて、ダイアモンドのネックレスが。髪型はひとまとめにして巻き、前へ垂らした。


「お嬢様、いかがでしょう」


「わあ! とっても大人っぽくて素敵ね。ありがとう」


 侍女たちに美しく着飾ってもらい、コレットは悦に入る。



 私の姿を見たら、ロデール様はどのような表情をなさるかしら。

 耳を赤くしていただけたら嬉しいわ。



 コレットはロデールが耳を赤くさせる様子を想像し、可愛らしい笑顔を浮かべた。



 しばらくして、使用人からロデールがポワミエ伯爵邸に到着したことを知らされる。


 コレットはロデールの体調が気がかりだった。しかし、彼の姿を見て、想像していたものより、ずっと元気そうで安心する。


「いらっしゃいませ、ロデール様。お会いできて嬉しいです。どうぞ、お入りになってください」


 そう言って、邸宅内へ招く。


「ああ、私もコレットに会えて、とても嬉しいよ」


 ロデールは言い終わるや否や、みるみるうちに耳を赤くさせる。

 ドレスを見て赤くしてくれたのだろうかと、コレットは自身の意図した通りになったことを期待した。


 その時――


「こんにちは!」


 玄関にある二階の部分から姿を現したサロモンは、コレットやロデールに向かって階段を駆け下りる。


「お邪魔してしまって、ごめんなさいね。サロモン、ダメでしょう!」


 サロモンを追いかけるように、ポワミエ伯爵夫人や乳母が姿を現す。


「構いませんよ、ポワミエ伯爵夫人。どうか、ご無理をなさらないでください」


 ポワミエ伯爵夫人が体調を崩していることを知っているのだろう。伯爵夫人を気遣うと、ロデールはサロモンの背丈に合わせて屈む。

 受け入れてもらえたことを察し、サロモンは嬉しそうに彼の前へ。


「初めまして、ポワミエ伯爵令息。私はロデール・ロラ。覚えていただけたら嬉しいです」


「はじめまして。ぼくの なまえは、サロモンだよ!」


 ロデールが自己紹介をするとサロモンも名乗った。その後、サロモンはあることに気付き、ロデールとコレットを確かめるように何度も見比べる。


「おにいさんの おめめ、とっても きれいだね。おねえさまが きているドレスのいろに そっくり!」


 サロモンに指摘され、ロデールの耳は一層、赤く染まる。それと、ほぼ同時にコレットも顔を赤くさせた。

 伯爵夫人や乳母はこれ以上、場を荒らしてはならないと思い、サロモンを誘導する。


「サロモン、これ以上は邪魔になるから、あちらで遊びましょう」


「坊ちゃま、おやつも御座いますよ」


「はーい。おにいさん、またね!」


 伯爵夫人や乳母は二人に頭を下げ、乳母に抱っこされたサロモンは手を振りながら去って行った。


 少し気まずい雰囲気に場が静まり返る。

 そんな中、先に口を開いたのはコレットだ。


「あの……弟が失礼いたしました」


「い、いや……」


「えっと、ご案内いたしますので、どうぞこちらへ」


「……ありがとう」


 コレットは弟の非礼を詫び、部屋へと案内することに。その半歩ほど後ろをロデールが続く。



 サロモンのお陰で、ロデールの気持ちを知ることができた。


 しかし、それと同時にコレットの気持ちも周りに知れ渡ることとなり、消え入りたくなるほど恥ずかしくなった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ