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聖騎士2

最近、主人公の戦闘方法がファンタジー系ゲームの方に偏ってきているのでタイトルを変更しようかと思っています


そもそも主人公のコンセプトがフルダイブVRゲームの経験を反映させる、なので一種のゲームだけという訳ではないので、ですね


新しいタイトルは傭兵操者から電脳兵士(シベール・ソルダ)にしようかな、と思うんですよね

「これで十!次頼む!」


「任せろ!」


戦闘開始から一時間だろうか、あれから五度、《ホーリー・エンチャント》を唱え魔法の付与を再度与えた後でオーガを相手にしている前衛達は二巡していた


槍や剣を持つ者達は全部で十二人、六組が出来るのでそれぞれの組が十体ずつ倒したので討伐数は既に百を超えている


俺とアロイージも三度目の戦闘を終えて後ろに回る、体力はまだ問題なく士気も高いまま維持されている


それもこれも上手く作戦が嵌まり全員が余裕を持って戦えている事にある


とはいえオーガの方も装備が角材から鉄の剣に変わっていた、オーガの体格なら片手剣や短剣といったサイズであっても人間なら大剣や片手剣として扱うサイズである


それがオーガの膂力で振るわれる為に更に気が抜けなくなってきていた、その精神的な疲労も考慮して来なければならない


「そろそろ都市の連中が動き出しても良い頃だと思うが……」


増援の要請を行っている為に足止めに終始している、シャルロットの足なら三十分もあれば着く、そこから部隊編成をするにしても先行して少数精鋭の部隊が来ても良い時間だと思うが、まだその様子はない


幾ら負担を減らしてるとはいえずっと続けていける訳がないのだ、短い休憩ではなく一度退いて休ませた方が良い人間も居るだけに、焦りが生まれる


「報告!オーガ・アーチャーを確認!」


「前衛、バリケードまで後退!無理なら楯を構えろ!弓兵、遂に出番だぞ!」


現れるだろうとは思っていた弓を構えるオーガ、敵の姿を観察していた斥候役の一人がもたらした報告から即座に指示を飛ばす


流石に高ランクの探索者達だけあって状況判断が早い、それぞれ自分の立ち位置に応じて退避や防御に移る


そして一拍遅れて強烈な衝撃がバリケードに突き刺さる、オーガの膂力で引かれる弓の弦もかなり強力で普通の人間に引けるような代物ではない、城壁の上に設置するバリスタにも匹敵する威力にバリケードが揺れる


バリケードの方はやけに組み方が上手く崩れるような事こそ無かったが補強として組み込まれたオーガの剣がなければ貫通されていたかもしれない


幸いにもバリケード狙いで楯を構えていた人間には向かっていなかったものの、これは楯で受けられるか疑問だな


見ればオーガ・アーチャーが二度目の矢を放とうとしている、だが矢をつがえる為に棒立ちとなっているオーガの頭に矢が立てられる


アーチャーにはアーチャーを、弓持ちの探索者が放った矢がオーガを仕留めたのだ


「すげぇ、弓でオーガって倒せるんだな……」


「魔弓ならともかく、私達の矢は魔法付与して貰ったからだけどね。とにかく、矢の数にも限りがあるんだから、無駄にしないよ」


弓使いの探索者達はそう話す、彼等の武器である弓にも《ホーリー・エンチャント》の効果は乗っている、と言っても付与した魔法は時間ではなく放った矢の数だけ効果時間が減る


何もしなければ剣や槍に付与した時間と変わらないが、矢に付与した魔法が流れ込み、大体で十回の矢を放てば魔法の効果は失われる


対してオーガの中でも弓を扱う個体は少ないという、弓の扱いは難しくそれ故に大抵のオーガは殴った方が早くて簡単と、脳筋思考になるのだとか


なのでオーガ・アーチャーは数こそ少ないが厄介な相手となる、これからもたまに混じってくるだろうから見付け次第倒すようになる


「とはいえ、情報通りならこれで漸く25階層辺りか」


厄介な敵が現れた事に違いはないがオーガ・アーチャーが出現するのはこのダンジョンの25階層以降という事なのでそこまで敵を撃退してきたという証拠でもある


だがこれは残り半分という希望となる事柄ではない



「更にオーガ接近、全て鉄装備!」


「まだ片付いてないが、もう増援か」


あれから三十分、未だに増援は現れずオーガによる攻撃を凌ぎ続けてきた俺達だが、そのオーガの装備は鉄で作られた全身に鎧を身に付けていた


体を全て覆う全身鎧ではなく要所要所を護るような鎧だが俺達にとっては厄介な相手である、《ホーリー・エンチャント》は聖属性の魔法を付与するが武器の切れ味に関してはあまり効果はない、そもそもが対アンデットという用途が主の魔法なのだ


オーガに対してはオーガの魔法耐性の低さから有効ではあるが、鎧には関係ない為にどうしても苦戦してしまう


それまでの防具を着けていない状態なら直接心臓に刃を突き立てられた、革鎧ならば業物で革鎧ごと斬る事が出来た


だが鉄鎧となるとそうはいかない、幾ら業物と謂えども斬鉄をするには高い技量が必要となる、更に交代しているとはいえ連戦続きで疲労している状態でそれを行うには余程の体力と精神力が必要となるだろう


そして今、敵を倒し切れていない中で新たなオーガがやってきた


そのオーガ達も同じように鎧を身に付けており、今のオーガを倒しても直ぐに前線を支えている者達に襲い掛かるのは明白である


だから切り札を切るのは今だ


「魔法攻撃!後方から迫るオーガに向けて攻撃!味方に当てるなよ!」


最後の最後まで温存しておいた魔法使いによる魔法攻撃だ


例え鉄の鎧でも生半可な防御は貫く魔法であれば関係ない、鎧ごと吹き飛ばす


俺の指示により魔法の発動を行う魔法使い達、そして後続のオーガが辿り着こうとした時、炎の槍や雷の矢といった魔法が殺到する


それは悉くオーガの防御を破りオーガが塵へと変わっていく


その様子に前衛達も歓声を上げ、俺もこの調子ならばもう少しは持ち堪えられると確信する


上手く行けば全てのオーガを倒しこの場にいる面々だけで魔の行軍(スタンピード)を乗り越えられるかもしれない、そう思った時だった


「いやはや、まさか此処まで粘るとは予想外でした。お陰で我々の計画が半ば破綻してしまいましたよ」


不意にダンジョンの入り口から聞こえてくる声、その言葉から決して友好的ではないと思われる相手だと分かる


オーガだけに注意を払っていたから前線で戦っている者達以外はその声に振り返る、そこに居たのは緑色の肌と緑色は目をした不気味な男だった


ゴブリンでもオークでもオーガでもないその男は手に黒い物を掴んで引き摺りながら近付いてくる


その黒い物には見覚えがあった


「シャルロット!?」


「貴様……!」


それは手紙を届けに向かった筈のシャルロットだった、ボロボロになった旗を纏い、血を流しながら荒く息を吐いている


「全く、本当に余計な事をしてくれましたね。上手くいけば此処にいる人間だけでなく周辺の村、更には街の人間も大量虐殺が出来たというのに。貴方達のせいでその目論見も台無しです、よ!」


放たれる魔法、それは瑠璃へと向かっていくが俺が割り込んで聖槍アキレウスで叩き落とす


炎の塊のようだったそれは槍に触れると爆発する、その威力はかなりのものだ


「成る程、貴様が黒幕か」


「ええ、取り敢えずは邪人族と名乗っておきましょうか。別に名前を告げても意味ないでしょう。我が女神マーヤの為、直ぐにその命を捧げて貰うのですから!」


「やれるものならな!」


退路を断たれる形となったものの、目の前の相手は一人で魔法使い、冷静にやれば勝てない相手ではない


聖槍アキレウスを構え、真っ直ぐにその心臓を穿ちに掛かる


邪人族などという種族は聞いた事もないが先手必勝、少なくとも物理的なステータスはそこまで高くはなさそうな魔法使いタイプならば距離を詰めるだけで大きく有利に立てる


「な、に!?」


「私は武芸が得意ではありませんからね。なので別の者の手を借りさせて頂きますよ」


だが槍の穂先が相手に触れる瞬間、横合いから割り込んで来た一撃に狙いを逸らされる


それをやったのは頭から小さな角を生やした和服姿の同年代くらいの少女であり、その手には日本刀が握られていた

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