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聖騎士

GWという事で久し振りに更新しました、リハビリを兼ねてなので短めです


こちらでの更新が此処まで遅れた理由としてハーメルン様の方で二次創作小説にはまり、自分でも書いていたからです


この小説の息抜きで書こうと思っていたらいつの間にか向こうがメインとなってしまいました、長くお待たせしてしまい大変申し訳ございません


今後は絶対に最低月一回の更新を心掛けて参ります、今後とも『異世界召喚の傭兵操者』をよろしくお願い致します

この場に残る事を選んだ者達は全員で二十にも満たない人数しか居なかった


しかしその殆んどは探索者としてのランクはAやBの者達ばかり、この中では俺と瑠璃がCと一番低い


だがランクが一番低いにも関わらず俺は先陣を切る為に整えた陣形の最前列に立つ、あれだけの啖呵を切ったのだ、その俺が最前列に立たなくてどうする、折角高めた士気が台無しになってしまう


「来た!通路左側からオーガの一団!」


オーガが来るまで時間に多少の余裕はあった、なので作戦を練り対策を講じている


足に自信のある斥候役の者達が俺達の待ち構えている場所から先行して偵察を行い、オーガの姿を捉えた為に戻ってきて報告する


いよいよ始まるのだと否が応でも教え込まれる報告にこの場に残る事を選んだ者達にも緊張した空気が流れる


「作戦通り、俺とアロイージで先陣を切る。敵は確かに強大だが、俺達人間には数と戦術がある。例え万の軍勢といえど、恐るるに足らず!」


俺達は入り口付近の一本道になる通路にて陣形を組んでいた、とはいえそこまで凝った物ではなく大まかな役割を持った者達で別れただけだ


最前列に俺やキアラ・アロイージのように直接オーガと剣を交える者達を配置し、その直ぐ後ろに交代要員の剣士や槍使いが控える


そこから多少の距離を空けて弓使いや魔法使いが配置されている、オーガは物理一辺倒で魔法が効果が高いが魔法使い達の魔力も無限ではない為に切り札の役割である


この通路は狭くオーガは二体も並べば一杯になってしまう、逆に人間は二人並んでもある程度の余裕が出来る


一対一の状況でオーガと連戦して勝ち続ける、それが作戦だ


何も全員で掛かる必要はない、狭い場所では大人数の方が邪魔になる事があるし、一対一なのでいざという時には後ろの控えの者達と交代して体力の回復も出来る、今回はそういう作戦なのだ


「それにしても、今更だが俺みたいなランクの低い人間の指揮で良いのか?」


「キミはあの状況で見事に士気を上げて見せたではないか。今必要なのは高ランクの戦力ではなく、纏め上げる説得力だ。おまけにオークの群れを留めていたのだろう?ならば戦闘力に関しても問題はあるまい」


「そうか、ならばその期待に応えるとしよう」


重ねて言うがオーガは物理一辺倒であり、本来であれば前衛は足止めに徹して後衛の魔法使いが魔法で攻撃して仕留めるのがセオリーとなる


どのような名剣であろうと魔法の力を宿さない武器では例えその固い皮膚を切り裂いたところで再生されてしまう


もし前衛だけで仕留めるならば魔法の力を持つ武具を使う必要があるが、それは数も少なく高価で高ランクの探索者といえどもそうそう持っている物ではない


聖剣を持つ俺ならば問題ないが業物とはいえ物理的な力しか持たない剣を構えるキアラ・アロイージがどうやってオーガを倒すのか、それは今から俺が解決する


「さて、《ホーリー・エンチャント》!」


先程、自分の能力を改めて確認していたところ、いつの間にか職業の部分が聖騎士になっていた為に使える魔法だ


効果は単純、武具に聖属性を付与する事、つまり一時的に普通の武具を魔法の力を宿した武具にする事が出来るのだ


そして魔法の付与された剣を構えたアロイージと並走して星剣エトワールを抜いた俺は重厚な足音を立てながら此方へと向かってくるオーガを接触する


もはや棍棒ではなく太めの角材そのものを担いで振り回すオーガ、だが連携が取れておらず二体の持つ角材がそれぞれぶつかり、互いに動きを阻害している


そのような大きな隙を晒したオーガなどただデカいだけの的に過ぎない為にそれぞれ一体ずつ受け持った俺とアロイージの手によってその首を落とされる


「まずは二体!」


「後続四体、一気に仕留める!」


だがそれで終わりではない、後ろの方から更に追加で四体のオーガがやってくる


オーガの出現数はゴブリンなんかと比べるとかなり少ないらしいが、それでも下の十階層分の数となるとそれなりだ


軽く百は超えるだろう数を相手にするのは想定内、対して此方は一撃でも喰らえば危険、一人でやれば集中力が持たない


だが俺達は一人ではない、四体の内前の二体の足を斬り裂き膝をつかせる、それからナイフを後ろに居た一体の目に投げつけ片眼を潰す


いくら強靭な肉体といえど眼球にそこまでの強度はなく、刃が刺さったままなので再生もされない中で四体目のオーガに向かう


そのオーガは拳で俺を打ちのめそうとしてきたが、逆にその拳に星剣エトワールの刃を合わせると殆んど抵抗もなく真っ二つに割かれる


そんな痛みに大声で喚くオーガだが腕を切断してから無防備な胸に星剣エトワールの刃を突き立てる


心臓を貫かれたオーガはそのまま塵へと変わり、魔核と角材を残して消えていく


それを見届けるよりも先に、目にナイフを投げたオーガの背に乗り首を飛ばす、先に足を斬っておいた二体は既にアロイージが仕留めているからこれで六体だ


今は次の群れがくる気配はない、警戒するに越した事はないが、来ないなら来ないでやる事がある


「よし、戦利品を後方に移せ!今の内だ!後で邪魔になるぞ!」


それはオーガのドロップアイテムの回収である、別に金になるからという理由ではなく、魔核も角材も残っていると足場が安定しなくなる為だ


それでオーガが転倒するなら良いが、サイズ的に人間の方が大きく影響を受ける、なのでオーガが来ない今の内に邪魔にならない場所に移すのだ


その作業はオーガとの戦闘にあまり役立てそうにない軽装備の人間があたる、彼等の装備はナイフといった小型の武器が主なので例え魔法を付与してもオーガに致命傷を与えるのに手間取るからだ


その間手持ちぶさたにならないように前衛の戦う為の場を整える作業を行う、派手さはないが絶対に必要な作業だ


「回収終わりました!」


「可能なら角材を組んで壁を作れ!後々役に立つ!」


「はい!」


回収した角材は放置するのではなくバリケードを作るのに利用する、今は問題ないが後で必要になるだろうからだ


「オーガ接近!数、四!」


そこまで指示を飛ばしたところで新たなオーガが近付いてきた報告が上がる


確かに四体、また通路の奥から此方へと走ってきている


その装備は角材を持っているだけだ、ならばまだまだ問題はない


手順は先程と同じ、俺が先行してオーガに手傷を負わせる


それをアロイージが仕留め、俺が後方の二体を仕留める、一度やった事だから今度はよりスムーズに終わる


「これで十。交代、行けるか?」


「応よ!Aランクの力、見せてやるぜ!」


「どれ、一働きするとしようか」


最前列の人間が交代する目安として討伐数が二人で十を超えてからと決めていた


俺が確認すると槍使いの犬科獣人の男と自身の身の丈ほどの大きさの戦斧を背負ったドワーフの男が代わりに前に出る


前衛となる全員の武器には先程の《ホーリー・エンチャント》の付与が乗っている、あの二人の武器も仄かに光を帯びている


俺とアロイージは休息として少し後ろに下がる、だがいざという時には即座に助けが出せるように俺も装備を聖槍アキレウスに持ち換えておく


俺達の更に後ろには魔法使いや弓使いも援護出来るように控えている、まだ使うには早いが援護出来ると分かっていれば安心感もあるだろう


戦いは始まったばかり、敵の装備は角材を持っているだけ、その装備が変わってきてからが本番だ

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