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異世界召喚の傭兵操者《マーシナリー・ランナー》  作者: RABE
第二章 流星《メテオール》
18/72

戦果確認

少しばかり上流の方に居たとはいえ《マスタング》の足なら歩いてでも直ぐに村へ戻る事が出来た


カメラ越しに村人達の姿が見え、ボロボロの《マスタング》に驚いているのか口を開けてこっちを見ている


そんな彼等の近くまでいき片膝をつかせてコックピットから降りるとリーダー格のあの男が村人達の間を掻き分けて近付いてきた


「戻ってきてくれたか!無事なんだな?」


「ああ、二体の《タラスク》が居た。一体ずつだったから助かったぜ」


「二体もか……遠目に見えてはいたが、やっぱりそうだったんだな」


「それでも討伐は完了だ。これで奴等の脅威に怯える必要はなくなったな」


「そうだな……本当に、本当にありがとう……これ以上、何て言ったらいいか、分からないくらいだ……」


男は涙混じりになりながら俺へと感謝の言葉を伝えてくる


他の村人達も同じく泣いている者がいるがその顔に陰りはない、またこの村で暮らせると分かったからだろうか


俺も、これだけ喜んでいる姿を見れば助けて良かったと思えるよ


「そういえば、アイツは何処に行ったんだ?」


「ん?ああ、彼女なら向こうでポーションを作ってるよ。元は薬師の店兼住居だったんだが、その薬師は死んじまったからな。その薬草を捨てる訳にもいかないって、使いきろうとしてくれてるんだ」


成る程、瑠璃らしい考えだ


まだ錬金をするつもりだろうが、取り敢えず俺の方が終わった事を報告に行くか


男に言われた方へと行ってみれば確かに瑠璃が錬金術に使う大鍋を使って大量のポーションを製造しているところだった


ポンポン飛んでくるポーションの瓶を子供達が楽しそうにキャッチしては瑠璃が材料を大鍋に入れる、そんなやり取りが繰り返されていた


「瑠璃、こっちは終わったぞ」


「あら、早かったのね。どんな感じだったの?」


「二体居る予想外の事態になって機体が大破したが、討伐には成功した」


「そう、それは予想外―――ちょっと待ちなさい、機体が大破ってアンタは大丈夫なの!?ケガとかしてないでしょうね!?」


「見ての通りぴんぴんしてるよ。機体の方も修理が可能なレベルだから何とかなる」


「そうなのね、なら良かったわ。それで、私に解体の依頼かしら?」


「頼みたいところだが、後でも良いぞ。まだ材料が残ってるだろ」


「そうだけど、そろそろレシピを確認して他の薬も作りたいのよ。下級回復ポーションは需要があるから幾らあっても困らないみたいだけど、それだけで全てのケガに対応出来る訳でもないでしょう」


「分かった、後でレシピを調べておく。スキャンすれば必要になるレシピは簡単に見付かるからな」


試しにバイザーを使って近くの使われていない薬草を見ると、なんと上級回復ポーションやエリクサーといった薬品の材料まである


元の持ち主である薬師はかなりの腕だったんだろうか、今となっては分からないが


他の材料は……少し足りないな、無事だった分には無かったらしい


「もう少しでエリクサーが作れるのになあ……」


「そうなの!?」


レシピからのリンクで調べてみれば体力魔力の完全回復に加えて体の部位欠損さえ治してしまう力があるという


回復はともかく、その治癒能力はいざという時に備えて一本か二本は常備しておきたいアイテムだな


必要な素材は《月の涙》、普段のポーションに使っている《月の雫》の中でも特に効果の高い希少な薬草らしい


とはいえ無いのであれば仕方ないか、後でエリクサー二本分の他の材料を貰えないか交渉しよう


「まあ旅をしていればその内に見付かりそうだな。多分、高いだろうが流通もあるだろう。保留としておこうぜ」


「そうね。それで解体よね?場所は何処なの?」


「少し歩く事になるが、あまり遠くはない。精々が一キロといったとけろか」


話ながら歩いていればそこまでの距離ではない、それからもう一体の場所へは更に二キロはありそうだが


《マスタング》は大破してるからハンガーに戻るように指示を出してある、修理費用は大体で10,000CPくらいと安さに定評のある《マスタング》らしい価格と言えた


そして俺達は歩き続けて一体目の平均サイズの《タラスク》の死骸の前に立っていた


「こうして見ると、本当に大きいわね……」


「《マスタング》よりもデカいからな。頭を吹っ飛ばしたから動き出しはしないだろう」


「これは解体にどれだけ掛かるかしら?取り敢えず、吸い込んでみるわ」


そう言って腰の鍋を取り出し大鍋のサイズに変化させる瑠璃


明らかに入らないだろうという大きさではあるが問題なく次々と吸い込んでいく大鍋に、俺も瑠璃も改めてその規格外さに驚かされる


「まさか入るとはなあ……」


「凄いのが、これで私のレベルが上がっていく事よね。この大きさだとどれだけ上がるのかしら?」


「そうなのか?直接戦闘だけがレベルアップの手段じゃないんだな」


大鍋が解体を終えるまで暇になったのでバイザーでちょっと見てみれば瑠璃のレベルが17になっていた


解体や錬金術といったスキルを使っていってもレベルは上がるらしいが、これは大物ばかり相手にしていたからか?


「そういえば、俺のレベルもさっきので33だ。幾つか新しいスキルも増えたぞ」


「これだけの大物を二体も仕留めればそうでしょうね。それで、何が増えたの?」


「スキルは《簡易ショップ》と《アイテムインベントリ》だな。言葉から分かるように、魔核の売却と武器や弾、食料といった消耗品のみ取り扱いできる《ショップ》の下位互換スキルだ。ただしマイルームの端末からじゃなく、何処でも使えるっていう利点がある」


左手首のリング状の端末から操作可能であり、これなら魔核かCPさえあれば何処でも補給が可能という状態になった


「それと《アイテムインベントリ》だが、まあゲームのようにアイテムを収納可能ってだけだ。15種類、最大99個とゲーム内の物と同じだな」


便利ではあるがよく考えて収納しなければ直ぐに一杯になってしまう、条件付きとはいえ無制限の瑠璃のポーチが羨ましい


「後はハンガーの機体格納数が二機増えた。新しいフレームを購入して別の機体を構成する事が出来るようになったぞ」


「あの《マスタング》だと力不足って感じたのよね?なら今回の魔核で買えるかしら?」


「同時に第三世代まで購入可能なパーツが追加されたからな。このランクだと、1,000,000CPくらいあれば完全に一式揃えられる」


「《マスタング》を改造するだけだとダメなの?」


「あれは初期配布機体だからな、修理コストが安いから予備にしたい。武装のアップデートだけして、装甲関係は弄らないでいたいんだ」


俺もゲームではメインの機体を使うまでもない時とか武装のテストをしたい時なんかに使っていた


しかも再入手不可能だから、売って後悔しているプレイヤーもいたくらいだ


「と、終わったみたいだな。また派手に跳ね回ってたけど」


「そうね。本当、此処まで動き回るとは思わなかったわ」


解体が終わるまでゆっくりするつもりだったが、その間に大鍋が俺達の周囲を転がり回っていた


中身が溢れたりはしないが、何でこの大鍋はここまで動き回ったのか、少し怖くなった


とはいえ終わりは終わりだ、また大鍋が素材を吐き出していくので拾わなければならない


かと思ったが、大鍋はいつもの携行している時のサイズに戻る


その代わりに瑠璃がポーチの中から幾つかの素材を取り出してくる


「レベルアップで大鍋から直接ポーチに移せるようになったのよ。それで、これが素材みたいなんだけど、また調べてみてくれないかしら?」


「分かった。結構あるんだな」


バイザーを使って《スキャニング》を使用、出されたアイテムの解析を行う


《竜骨》《竜の血》《竜玉》《竜の肝》《タラスクの甲羅》《タラスクの肉》等々、錬金術や武具に使ったりする素材が幾つもある


そして魔核だが、立方体に近い形で一辺が一メートルはありそうな程に大きい


だが俺が気になったのは《タラスクの甲羅》というアイテムだ


タラスクの甲羅:陸皇亀タラスクから得られた素材。主成分がアダマンタイトであり非常に硬い。火山地帯でタラスクが岩を齧っている姿が発見されるのはアダマンタイトを摂取しているからとされている。その硬さから加工は極めて難しく、熟練の職人によって造られた武具は時として国宝となる事もある。


アダマンタイト、その名前は幾つものファンタジー作品に登場する金属としてあまりにも有名だ


聖剣や魔剣の材料として様々な媒体で使われているだけに、俺はリンク先に飛んで更に調べてみた


アダマンタイト:この世で一番硬いとされている金属。火山地帯の奥底で精製されるという希少な鉱物である。その硬度はダイヤモンドにも匹敵するが、ダイヤモンドとは違い衝撃にも強い。


そんな説明になっているが、俺が一番注目したのはタラスクの甲羅の主成分は金属という事だ


これ、もしかして金属に対して効果の高いHEAT弾頭を使ってたら楽に終わってたんじゃなかろうか……


「カナ?どうしたの、何だか浮かない顔だけど?」


「ああ、もしかしたら戦い方次第ではもっと楽に勝ててたんじゃないかと思ってな……」


「そんなこと気にしてたの?もう過ぎたことじゃない。確かに反省は大事だけど、いつまでも引き摺ってるものじゃないわよ」


「いや、まあそうなんだが……」


無駄な手間を掛けたと脱力感があったんだが、次からはランクA+の魔物をカモに出来ると考えればいあか


さてと、魔核の変換をしようと思うんだが、説明の通りだと左手の端末で魔核に触れるんだったな


「おっ、出来た」


触れた途端に魔核が光になって端末へと吸い込まれていった


さてさて、どれだけCPが貯まったかなッ!?


「に、2,000,000CP……」


「嘘でしょ!?まだ一体目よ!?」


あまりの額の多さに俺は自分の目を疑い、目を擦ってから再び数字を確認した


だが何度見ても桁を間違っていたりはしない、本当に2,000,000CPがチャージされていた


「これともう一体、これより大きい個体がいるんだが……」


「どれだけ稼いだのよ……」


この後、もう一体の解体に向かい魔核を変換したのだが2,300,000CPと少し多かった


まさかの新品の機体を数機保有可能な額が手に入る事になるとは思わなかったが、あって困る訳ではないから良しとしておこう


また大物を二体も解体した事で瑠璃のレベルも22まで上がり、素材も全て回収してから村に戻った


後で食料を渡す約束をしているから端末を使って保存の効く食料を中心に購入するとしよう


それでも今回の獲得したCPからすれば微々たるものになるだろうが、得た物が物だけに約束通り無償で渡そう

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