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それでも、止める? ~終わり続ける世界で、たった一人がすべてを壊し始めた~  作者: Studio No.13
第4章 拾われた願い

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第39話「青に映るもの」

 青だけが。

 残っていた。

 静かに。

 揺れている。

「……」

 さっきまで。

 そこにあった白は。

 もうない。

 拾った。

 そのはずだった。

 なのに。

 手の中には。

 何も残っていない。

 残っているのは。

 目の前の青だけ。

 水面みたいに。

 静かに揺れていた。

 クロノは。

 ゆっくりと手を伸ばく。

 触れる。

 青が揺れる。


 瓦礫。

 煙。

 崩れた校舎。

 空は黒い。

 知っている。

 知らないはずなのに。

 知っていた。

 その景色の奥で。

 一人の男が立っていた。

 後ろ姿しか見えない。

 服も。

 背格好も。

 自分によく似ていた。

「え……俺?」

 声は届かない。

 その先には。

 黒。

 男は。

 一歩。

 また一歩。

 歩く。

「……っ」

 傷だらけだった。

 それでも。

 止まらない。

 その姿から。

 目が離せなかった。

 青が揺れる。

 景色が崩れる。

 瓦礫が。

 煙が。

 黒が。

 ゆっくりと溶けていく。

 白い空間だった。

 クロノは。

 その場に立ち尽くしていた。

「クロノ。」

 ミナの声。

 すぐ近く。

「大丈夫?」

 肩へ手が触れる。

 そこでようやく。

 息をしていなかったことに気づいた。

「……見えた。」

 小さく呟く。

「何が?」

 少しだけ。

 沈黙。

「……俺。」

 少しだけ首を振る。

「……いや。」

「多分、俺。」

 ミナが首を傾げる。

「でも。」

「……何かが、違った。 」

 言葉がまとまらない。

 違う。

 同じ。

 どちらも正しい気がした。

 ただ。

 一つだけ。

 どうしても。

 分からないことがある。

「……馬鹿だ。」

「え?」

「もう。」

 青を見つめる。

「あんなになってまで。」

 少しだけ笑う。

 自嘲じゃない。

 呆れたわけでもない。

 理解できない。

 そんな顔だった。

「……なんで。」

 誰に聞くでもなく。

 呟く。

「なんで、諦めなかった。」

 青は。

 何も答えない。

 ただ。

 一度だけ。

 静かに揺れた。

読んでいただきありがとうございます。

少しでも続きが気になったら、フォローや評価いただけると嬉しいです。

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