表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
それでも、止める? ~終わり続ける世界で、たった一人がすべてを壊し始めた~  作者: Studio No.13
第4章 拾われた願い

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
40/44

第40話「届かなかった声」

 青は。

 動かない。

 クロノは。

 もう一度だけ。

 手を伸ばす。

 触れた。

 動かない。

 ……

 一度だけ。

 揺れた。


 瓦礫。

 煙。

 崩れた校舎。

 さっきと同じ景色。

 男は。

 まだ歩いていた。

 一歩。

 また一歩。

 足を引きずりながら。

 それでも。

 止まらない。

「……」

 今のクロノは。

 ただ見ている。

 男の視線は。

 黒じゃなかった。

 その先。

 瓦礫の陰。

「……!」

 誰かがいた。

 小さな影。

 こちらへ。

 必死に手を伸ばしている。

 声は。

 聞こえない。

 男は。

 迷わなかった。

 黒へ向かっていた足を。

 そのまま。

 かげへ向ける。

「っ!」

 クロノは。

 思わず一歩踏み出した。

 届くはずがない。

 分かっている。

 それでも。

「行くな……!」

 初めて。

 声が漏れた。

 男は振り返らない。

 ただ。

 走った。

 瓦礫を越えて。

 手を伸ばく。

 その瞬間。

 黒が。

 全てを呑み込んだ。


 青が揺れる。

 景色が。

 白へ溶けていく。

 クロノは。

 肩で息をしていた。

「クロノ!」

 ミナが駆け寄る。

「今度は、何が見えたの?」

 すぐには答えられない。

 さっきまで。

 分からなかった。

 どうして。

 あんなになってまで。

 諦めなかったのか。

 でも。

 今なら。

 少しだけ。

 分かる。

「……助けたかったんだ。」

「え?」

「勝ちたかったんじゃない。」

 小さく首を振る。

「止めたかったんでもない。」

 青を見る。

「ただ。」

 少しだけ。

 息を吸う。

 青は。

 また。

 静かに揺れていた。

読んでいただきありがとうございます。

少しでも続きが気になったら、フォローや評価いただけると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ