表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
それでも、止める? ~終わり続ける世界で、たった一人がすべてを壊し始めた~  作者: Studio No.13
第4章 拾われた願い

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
38/44

第38話「拾う」

 白が。

 傾いている。

 無数に。

 静かに。

 クロノは立ち尽くしていた。

『選べ』

 人影の声だけが響く。

 選べと言われても。

 違いなんて分からない。

 全部。

 同じ白だった。

「……どれを」

 呟いた瞬間。

 足が動く。

「……え」

 自分で。

 動いた。

 ……違う。

 足が止まる。

 ひとつの白。

 他と何も変わらない。

 それでも。

 目が離せなかった。

 白へ手を伸ばしながら。

 しゃがみ込む。

 そっと触れた。

 温かい。

 白だったはずなのに。

 春の日差しみたいに。

 少しだけ。

 温かい。

 その瞬間。

 白がほどけた。

『やった!』

 弾む声。

 泥だらけの手。

 転んで。

 膝を擦りむいて。

 それでも。

 笑っていた。

『もう一回!』

 小さな背中が。

 駈けていく。

 転ぶ。

 笑う。

 また立ち上がる。

 ただ。

 それだけの景色。

 「……」

 クロノの頬を。

 一粒。

 涙が伝う。

「なんで……」

 知らない。

 知らないはずだ。

 それなのに。

 懐かしかった。

 胸の奥が。

 少しだけ。

 温かい。

 どくん。

 肩が脈打つ。

 白が舞う。

 またひとつ。

 またひとつ。

 音もなく。

 ゆっくりと。

 舞い上がっていく。

 真っ白だった世界。

 だったのに。

 その中に。

 一粒だけ。

 青。

「……え」

 クロノは息を飲む。

 人影は動かない。

 白も。

 何も語らない。

 ただ。

 青だけが。

 静かに。

 そこにあった。

読んでいただきありがとうございます。

少しでも続きが気になったら、フォローや評価いただけると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ