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それでも、止める? ~終わり続ける世界で、たった一人がすべてを壊し始めた~  作者: Studio No.13
第4章 拾われた願い

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第37話「積み重ね」

 落ちている。

 いや。

 沈んでいる。

 いったい。

 どこへ。

 分からない。

 光の中。

 白の中。

 音もなく。

 どくん。

 肩が脈打つ。

 その瞬間。

 止まった。

 足が地面につく。

 ……地面?

 違う。

 見渡す。

 白。

 果てが見えない。

 ただ。

 今までとは違った。

 足元。

 無数の白が並んでいる。

 ひとつ。

 またひとつ。

 拾えそうな距離に。

「……これ」

 気付けば。

 白へ手を伸ばしていた。

 しゃがみ込む。

 触れた。

『できた!』

 幼い声。

 知らない子供。

 小さな手で。

 誰かに何かを見せている。

 次の白。

『ありがとう』

 泣きそうな老人。

 笑っていた。

 次。

『また明日!』

 走っていく子供たち。

 次。

『大丈夫』

 誰かの背中を叩く手。

 クロノは固まる。

「……違う」

 これは。

 俺じゃない。

 人影の記憶でもない。

 知らない。

 全部。

 知らない人だ。

 それでも。

 胸が少しだけ温かい。

 人影の声が響く。

『それも』

『置かれたものだ』

「……」

『願い』

 ひとつ。

『約束』

 またひとつ。

 白が揺れる。

 またひとつ。

「全部……」

『拾われなかったものもある』

 白が静かに揺れる。

『それでも』

『ここへ来る』

 クロノが周囲を見る。

 無数の白。

 どれだけある。

 数え切れない。

「全部……?」

『そうだ』

 その一言だけで。

 十分だった。

「そんな……」

 世界中の。

 願い。

 約束。

 希望。

 後悔。

 全部。

 ここに。

 置かれている。

 そう思った瞬間。

 ぞわり。

 足元の白が。

 ひとつ。

 またひとつ。

 揺れる。

 いや。

 違う。

 近づいてくる。

「っ!」

 一歩下がる。

 白は歩かない。

 転がりもしない。

 それでも。

 距離だけが縮まる。

 理解できない。

 理解できないまま。

 白が。

 クロノの足元を囲んだ。

 人影は動かない。

 ただ。

 静かに言う。

『選べ』

 クロノが息を飲む。

『今度は』

『お前が』

『拾う番だ』

 足元の白が。

 一斉に。

 クロノへ傾いた。

読んでいただきありがとうございます。

少しでも続きが気になったら、フォローや評価いただけると嬉しいです。

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