表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
それでも、止める? ~終わり続ける世界で、たった一人がすべてを壊し始めた~  作者: Studio No.13
第2章 過去の残響

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
12/44

第12話「仮説」

 静まり返った世界。

 クロノは、ミナを背負って歩いていた。

 軽い。

 あまりにも。

 呼吸はある。

 脈もある。

 それでも。

 目を覚まさない。

(……やりすぎたな)

 いや。

 違う。

 あの力を使った。

 その結果だ。

 崩れかけたビルの影へ腰を下ろす。

 ミナを静かに寝かせた。

「……死ぬなよ」

 小さく漏れる。

 返事はない。

 空を見上げる。

 亀裂は止まったまま。

 黒も動かない。

(……違う)

 止まっているわけじゃない。

(抑え込まれてる)

 いつでも。

 動き出せる。

 そんな静けさだった。

 視線をミナへ戻す。

 さっき。

 力を使った直後。

 何かが変わった。

 呼吸。

 体温。

 反応。

 全部。

 少しずつ薄くなった。

 体力じゃない。

 精神でもない。

 もっと。

 別の何か。

(……限りがある)

 そう思った。

 世界を止めるたび。

 何かが減っていく。

「……ふざけた話だ」

 吐き捨てる。

 それでも。

 世界を書き換えるなら。

 代わりに失うものがある。

 そう考えれば。

 筋は通る。

 空を見る。

 黒。

 起点。

 境界。

 頭の中で。

 少しずつ繋がっていく。

(起点は一つじゃない)

 あの奥に。

 まだ先がある。

(干渉はできる)

 それも分かった。

(でも)

 一度で終わらない。

 止めても。

 また動き出す。

 そこだけが。

 まだ足りない。

「……クロノ」

 かすれた声。

 振り向く。

 ミナが。

 ゆっくり目を開けていた。

「……起きたか」

「……おはよ」

 少しだけ笑う。

 焦点はまだ合っていない。

「止まってる?」

「ああ」

「でも」

「長くは持たない」

 ミナは少し考えて。

「じゃあさ」

 こちらを見る。

「止め続ければいいんじゃない?」

 一瞬。

 思考が止まる。

(……そうか)

 単純だった。

 だから。

 思いつかなかった。

 止める。

 動き出す。

 また止める。

 それを繰り返せば。

 時間ができる。

 時間さえあれば。

 もっと奥へ行ける。

「……なるほど」

 自然と笑っていた。

「それは使える」

「ほんと?」

「ああ」

 クロノは立ち上がる。

 空を見上げる。

 黒が。

 ゆっくりと脈打つ。

 もうすぐ。

 また動き出す。

 時間は少ない。

 それでも。

 今までとは違う。

 初めて。

 進むための方法が見えた。

読んでいただきありがとうございます。

少しでも続きが気になったら、フォローや評価いただけると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ