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それでも、止める? ~終わり続ける世界で、たった一人がすべてを壊し始めた~  作者: Studio No.13
第1章 例外との出会い

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第10話「干渉の結果」

 世界は、まだ崩れている。

 それでも。

 終わってはいなかった。

 空に走る亀裂は途中で止まり、

 黒い“何か”も、広がるのをやめている。

 まるで。

 時間そのものが噛み合わなくなったように。

「……ありえない」

 クロノは呟く。

 何千回と見てきた光景。

 何千回と迎えた結末。

 その“最後”だけが。

 今だけ違っていた。

「ねぇ」

 隣で、ミナが空を見上げる。

「これ……止まってる、よね?」

「……ああ」

 肯定するしかない。

 否定する理由が、どこにもなかった。

 本来なら。

 この時点で、すべてが消えている。

 街も。

 人も。

 空も。

 光も。

 何もかも。

「……なんで?」

 単純な問いだった。

 だからこそ。

 答えられない。

「分からない」

 クロノは即答した。

「ただ一つ言える」

 空を見上げる。

「これは――例外だ」

「例外……」

 ミナが小さく繰り返す。

「お前が動いた」

 あの瞬間。

 壊れるはずだったものへ。

 手を伸ばいた。

「干渉……したってこと?」

 少しだけ間を置いて。

 クロノは頷く。

「本来、変えられない流れに」

「割り込んだ」

 その結果が。

 今、目の前にある。

 止まった世界。

 終わりきらない崩壊。

 成功か。

 失敗か。

 まだ分からない。

 そのとき。

 空の奥で。

 何かが動いた。

「……っ」

 ミナが息を呑む。

 黒い“何か”。

 崩壊の中心にあったそれが。

 ゆっくりと。

 形を変え始める。

「止まって……ない?」

「違う」

 クロノは低く言う。

「変わった」

 本来の崩壊じゃない。

 終わりでもない。

 別の何かへ。

 変わり始めている。

「……最悪だな」

「え?」

「終わりが決まってる方が、まだマシだった」

 ミナが顔をしかめる。

「なんでそんなこと言うの」

「終わりが見えていれば」

「迷わない」

 短く答える。

「これは違う」

「どこへ向かうのか分からない」

 予測できない。

 繰り返しも効かない。

「……初めての世界だ」

 静寂が落ちる。

「……じゃあさ」

 ミナがぽつりと呟く。

「よかったじゃん」

 クロノは眉をひそめる。

「何がだ」

「だって」

「今までと違うんでしょ?」

 こんな状況なのに。

 ミナは笑っていた。

「終わらないなら」

「まだ、できることあるじゃん」

 否定できなかった。

 言葉が。

 出てこなかった。

 その瞬間。

 黒い“何か”が。

 大きく脈打つ。

 ドクン。

 生き物の鼓動みたいに。

「……来るぞ」

「うん」

 ミナが一歩前へ出る。

 また。

 考えるより先に。

 体が動いていた。

「やめろ」

「だめって言ったでしょ!」

 その声と同時に。

 空間がわずかに揺れる。

 黒い“何か”の動きが。

 一瞬だけ止まった。

「……っ!」

 クロノの目が見開く。

 偶然じゃない。

 今のは。

 確かに。

「……お前」

 ミナは、自分の手を見つめていた。

「……今、止まった?」

 クロノは答えない。

 ただ。

 目の前の変化だけを見ていた。

 干渉した世界は。

 もう。

 以前と同じ動きをしていない。

「……次も来る」

 静かに言う。

「でも」

 ミナが振り向く。

「止められるかもしれない」

 その言葉を。

 クロノは、もう否定しなかった。

 空の亀裂が。

 再び、ゆっくりと広がる。

 黒も。

 静かに動き始める。

 終わりは。

 確かに変わった。

 そして。

 二人は、その変化を見つめ続けていた。

読んでいただきありがとうございます。

少しでも続きが気になったら、フォローや評価いただけると嬉しいです。

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