スターナエンド
【強くてニューゲーム】
【スタート地点:アルスタイン王国】
迷いはなかった。
白い光に包まれ、気づけば懐かしい天井が目に入る。
視界が開け――幼馴染のヒロインの家で朝食を食べていた。
「ちょっと、ダイチ! また人参残して!
私が食べてあげるね!」
懐かしい雰囲気に懐かしいやりとり。
トイレもないあの頃のアーシャ邸で、
再び物語が動き出した。
「スターナ!」
アーシャさんの目も憚らず、俺はスターナを抱きしめた。
「ちょっ、ダイチ! なによ、突然!」
「あらあら、二人とも。仲が良いわね」
アーシャさんはステーキを頬張りながら微笑む。
彼女と過ごした日々も彼女とのキスも、
今のスターナの中には残っていない。
それでも、スターナと再び会えたことが何より嬉しかった。
❇
翌朝、スターナとともに魔法学園を目指した。
彼女の黄金色に輝く髪には俺が買ってあげた星の髪飾りは、当然ながらついてはいなかった。
「スターナ、ちょっと寄り道していい?」
「いいけど、早く行かないと入学式に遅れるわよ」
俺は雑貨屋で髪飾りを購入した。
スターナに向き直り、彼女の髪に重ねて髪留めを着ける。
「ダイチ……どうしたの?」
「スターナ……愛している」
あの時届かなかった言葉を、彼女に告げる。
「……」
スターナは髪留めに触れ、その輪郭を確かめるように何度も指をなぞる。
彼女は目を伏せ、次第に肩を震わせる。
スターナは涙を流し、微笑んだ。




