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開始5分でサービス終了した伝説のバグゲーに転生したんだが攻略できない!  作者: 那須 儒一
第四章 魔王討伐編

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第66話 帰国

ナージャ王女を助け出したことにより、大手を切って国に帰ることができた。


もちろん暗殺容疑は白紙となった。


“王女の救世主ダイチ”

人々は口々にそう呼ぶ。

もう誰も、俺をトイレの神様とは呼ばなくなった。


【チャプター8-1 夜伽】


ナージャ王女の寝台にて、純白のネグリジェ姿の彼女が俺の上にまたがる。


ミシッ……彼女の体重でベッドが悲鳴を上げる。


ナージャ王女のお腹が……俺を抑えつける。


うっ……だ、だめだ……これ以上は我慢できない。

このままでは……。


「きゃあ!?

……ダイチ様……そんな強引な……」


俺はナージャ王女をベッドの下へ押し出した。


「重すぎんだよ! 俺を圧迫死させる気か!」


「ダイチ様……あんまりですわ……ハーマンの出す食事があまりにも美味しくて……」


このままでは俺のHPが保たない。

まずは痩せてもらおう。


クラフト:ランニングマシーン


俺はナージャ王女の両腕を手錠でランニングマシーンに括り付ける。


「だ、ダイチ様……これは、どういうプレイ何でしょう……」

彼女の蒼い瞳は怯えていた。


「五時間耐久コースな」


「ダイチ様!

そんなの、私が死んでしまいますわ!」


「大丈夫。野菜を多めにして、調味料も使わず、俺が管理してやるから。安心してくれ。

――一ヶ月もすれば可愛いナージャ王女に戻れるから」


「そんな……ありのままの私を愛してください!」


「これは二人の明るい未来のためなんだ……許せ……」

俺は唇を噛み締めた。


「ふぇーん。ダイチ様ぁ……」

ナージャ王女は泣きながら走り続けた。



一ヶ月後――


彼女は元の引き締まった麗しい姿を取り戻していた。出るとこは出ている理想のプロポーションだ。


「ナージャ王女……よくぞ、頑張りました!」


俺は綺麗になった彼女を抱きしめる。


「ダイチ様……もう、二度と私に顔を見せないでください……」

ナージャ王女は、泣いていた。


「そんな、ナージャ王女!

今のキミならいくらでも抱ける!」


「ダイチ様のためと、頑張ってきましたが……あなたの私への仕打ちが……忘れられません」


「それは、ナージャ王女を鼓舞しようとわざと厳しくしたのです。俺も辛かった」


『醜い王女……』

『体もわがままだ……』

『王女じゃなくて農場の方が似合っているよ』

ナージャ王女は呪文のように俺からの罵声を羅列し始めた。



「なにより、許せなかったのは……私の前で美味しそうにステーキを頬張るあなたの笑顔……」


【ナージャ王女の好感度が基準値を下回ったため、チャプター8-1 ミッション達成目標が変更されました】


ゲームログとともに視界に亀裂が入る。


あれ……気づくと俺は鎖で繋がれていた。


【ナージャ王女の噛みつきに一ヶ月耐えろ。

噛みつきによるダメージは無効化されました】

 

不穏なログがよぎる。


目の前には不敵に笑うナージャ王女。

彼女の八重歯が月明かりに反射して輝く。


「ダイチ様……どこを噛みちぎられたいですか?」


「ナージャ王女……話せば分かる……」


「ダイチ様は……私の言葉を聞いてはくれなかったではありませんか……」


「でも、私は優しいから……」


ガブッ!

ナージャ王女が俺の鼻に噛みつく。


「んぎゃあああ!」


「ダイチ様の悲鳴――しっかり聞いてあげますね」


こんなに痛いのに、無傷だ。


「こんなの……生殺しだ……いっそのこと殺してくれ……」


「私がダイチ様を殺す?

愛する人に、そんなことをするわけないじゃありませんか。

ふふっ、壊れないお人形さんみたい。

これなら、本気で噛んでも良さそうね」


彼女は舌舐めずりをする。


「ふぇーん!」


【チャプター8-1 クリア】

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