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開始5分でサービス終了した伝説のバグゲーに転生したんだが攻略できない!  作者: 那須 儒一
第三章 陰謀と選択

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幕間 もう一人主人公

「春香……すまない。

初盆――間に合いそうにない」


届かない彼女への言葉は世界を隔てるほど遠くになってしまった。


この世界に飛ばされたのは、私に対する罰なのかもしれない。


家庭を顧みることなく仕事に打ち込み続けていた私への……。


「オルヴィエートさん……大丈夫ですか?」


「ロザリアちゃん……」

彼女の目は充血していた。

私のついた《《嘘》》のせいだが。


彼女の艶やかな黒髪は、少しだけ妻に似ていた。


ロザリアは良い子だ。

自分だって悲しいはずなのに、私の心配をしている。


“シノメと青年がカーリア組に殺された”

万が一に備えて、転送時にダイチの仲間を街中に誘導していてよかった。


ダイチを取り逃がしたが、仲間がここにいる限り、あいつは戻ってくるだろう。


「シノメとダイチ殿の仇は必ず俺っちがとる」

馬鹿みたいな一人称だが、序盤の変なストーリーのせいで一人称を固定された。従わなければ、何故かバグが増える。


「オルヴィエートさん……あなた一人には背負わせません」


彼女の手が私の手に重なる。


――!?

思わず手を引っ込める。


「す、すみません。馴れ馴れしかったですよね……」


だめだ……情に流されては……

この世界は残酷だ。ここに居場所を作ったら、妻の記憶が薄れてしまうかもしれない。

――それが何より怖かった。


だから、シノメとも距離を置いた。


くっ、頼むから止まってくれ。

震える手を抑えるように、握り締める。


……まだ、シノメを刺した感触が手に残っている。


すでに私は人間を一人殺めている。

もう、後戻りはできない。


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