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開始5分でサービス終了した伝説のバグゲーに転生したんだが攻略できない!  作者: 那須 儒一
第二章 居場所

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第32話 Cルート

【魔剣を入手したことでCルートに突入しました】

【チャプター6c-1 ギルド 】


あれからレメリアは何故かウチで暮らすようになった。

さて、ルートは変わったがストーリーが更新されたな。

結果的に、ガスタージャから魔剣を奪って正解だった。


「ダイチー! 帰ってきたんかー!」


部屋で考え込んでいるとリリムが背後から抱きついてきた。


「リリム! 俺も会いたかったぞ!」

リリムを抱きしめ彼女の頬に頬ずりをする。


「むぎゃーっ! キモい! やめれー!」


「ははは、そんなに嫌がらなくてもいいじゃないか。俺はリリムが大好きなんだ!」


「リリム、まだ子どもだもん!

そんなこと言われてもわかんないよ!」


リリムは、俺の顔を両手で押しのける。


「ダイチっ! 帰ってきたの!」

スターナが勢いよく部屋に入ってくる。


俺とリリムを見て……彼女は目を逸らした。


「なんか……心配して損した……」

はそれだけ言い残すと、部屋から出ていった。


「リリム……後で、お仕置きな」


「んなっ!? リリム、悪くないじゃん! ダイチが悪いんじゃん!」


リリムが俺の背中をバシバシ叩く。


ちえっ、スターナの奴、せっかく戻ってきたのに。

こっちだって大変だったんだぞ。


なんとなく、心のもやが晴れなかった。



昼間とは打って変わって夜は静かだ。

窓から差し込む月明かりだけが、存在感を示していた。


ギルドか……アーシャさんに聞くのが早そうだな。


コンコン――。

静かなノックが響く。


「どうぞ……」


「ダイチさん……入るわね」


「アーシャさん」


「お帰りなさい。無事でよかったわ」


「アーシャさん、丁度よかった。

ギルドについて……んっ!」


アーシャさんは人差し指で俺の唇を塞いだ。


「ダイチさん……疲れているでしょ。

その話なら、また明日すればいいわ」


「そうですね」


「今日は、一緒に寝てあげるわよ」


いつもならアーシャさんに飛びつくところだが、今日はそんな気になれなかった。


「スタちゃんと何かあったんでしょ?」

アーシャさんは俺の体を支えるように隣に腰掛けた。


「やっぱり、アーシャさんには敵いませんね」


「ふふ、二人とも大事な私の子どもだから」


「どうせ、俺は子どもっぽいですよ」


「ふふ、親はいつまで経っても、自分の子どもは子どものままなのよ」


「でも、俺とアーシャさんは血は繋がってませんよ」


「ふふっ、何も血の繋がりが全てじゃないわよ。

ダイチさんにもその内わかるようになるわ」


「そうなんですかね……」


「それとも、私と夫婦になりたいとか?」

アーシャさんが上目遣いで俺を見る。


「子どもをからかわないで下さい」


「あら、私、本気よ!」


「そんなこと言ったら、俺だって本気になりますよ?」


「ふふ、いいわよ。ダイチさんが《《本気》》ならね」


アーシャさんには全て見透かされている気がした。


優柔不断な俺の心も、誰にも向いないこの感情を……26歳にもなって……本当にガキのまんまだよ。


アーシャさんが俺の手を引き、二人で布団に包まる。


「今日はお母さんとしてなら、甘えていいわよ」


「そうですね。でも、アーシャさん……イビキがうるさいからなあ……」


「あら、ひどい。それなら、ダイチさんのキスで私の口を塞いで……」


アーシャさんが目を閉じた。


俺はキスの代わりに彼女の唇を摘んだ。


「俺が本気になったらお願いしますね」


「ダイチさんったら、意外と焦らすのが上手いわね。これまで何人の女の子を泣かせてきたのかしら?」


「いやいや、むしろ俺の方が泣かされてますよ」


「ふふ、でも大体はダイチさんの自業自得でしょ?」


「うっ……」

それを言われると、言い返せない。


――俺はアーシャさんに背を向けた。


「ダイチさん。これからも私たちをよろしくね」

アーシャさんの手が、俺の頭を優しく撫でる。


「俺には荷が重いですが……善処しますよ」

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