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開始5分でサービス終了した伝説のバグゲーに転生したんだが攻略できない!  作者: 那須 儒一
第二章 居場所

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第29話 汚染

絶望の中、熱気が肌を刺す。

排泄物のような不快な臭いが漂っている。


「ぬし様……ひどい……」


あっ……ミスティの服を引っ張ったせいか、ドレスが破れていた。


「ミスティ……グッジョブ!」

彼女の下着姿に思わず、称賛してしまう。


「ぬし様……早く、衣装を出せ! 殺すぞ!」

ミスティが胸を隠しながら、震えている。


「仕方ない」


パーティー→装置→衣装→ミスティ。

うーん。何の衣装がいいかな。


スク水、ブルマ……あれ?

通常衣装を選択すれば、破れた服も元に戻るのか……いや、せっかくの機会だからもったいない。


ある衣装を選択する。

瞬時に反映された。


黒タイツとガーターベルトが白く細い脚を彩る。

黒と白を基調としたメイド服に身を包んだミスティは、どこか不機嫌そうにこっちを睨んでいた。


腰まで届く翡翠色の髪はさらさらと揺れ、白いフリルのカチューシャが頭上を飾る。


これは、想像以上に……

「かわいい!」


「えっ、ぬし様……妾、可愛いか?」

褒められ慣れてないのか、ミスティは目を伏せ頬を紅く染める。


「ミスティは元から可愛いからな」


「ぬし様……」


「ミスティ、せっかくだから、ご主人様と呼びなさい」


「ご……ご主人様?」


「うっほー!」

両手に手を高く上げ、舞い上がる。

なんて、甘美な響きなんだろう。


って、そんなことをしている場合じゃなかった。

どれだけ落ちた?


空を見上げるが……地上すら見えなかった。


……落下ダメージがなかったのは不幸中の幸いだな。


死んでリスポーンした方が早そうだが。

バグが怖いな。万が一、ミスティを失ったら……俺は立ち直れないかもしれない。


試すのは最終手段だ。



俺たちは朱い荒野を延々と歩く。

魔界には10メートルはある化け物が、そこら中を闊歩して飛び回っていた。


オニトンボ……2525レベル。

バキュラ……3252レベル!?


既に数字がぶっ壊れている。

これは確かにエンドコンテンツだわ。


「ふっ、久々に魔女の血沸くの!

妾の名は創世の魔女――ミスティ!

いざ、尋常に勝負!」


アホの子、ミスティがモンスター相手に名乗りをあげる。


俺は慌てて、ミスティの口を塞ぎ、岩陰に身を隠す。


「馬鹿野郎……お前、余計なトラブル増やすなよ。ミスティよりもレベルが高いんだぞ!」


俺は、膨大な経験値をもらっても、レベルアップができないから、マジで戦う意味がない。


ボトッ……空から何か落ちてきて、ミスティの頭に乗っかる。


「何だこれは……?」

ミスティが頭に乗ったそれを触る。


不快な臭いを撒き散らしながら。


「うぐっ……くさっ、ミスティ臭えよ!」

これは、排泄物!?

……なんで、空から?


「ぎゃあああ!」

ミスティが半ばパニックに陥る。


「ミスティ、落ち着け! バレるって!」


このままじゃまずい、モンスターに見つかる。

俺はクラフトメニューを開く、

クラフト→建物→横穴式住居。


岩にクラフトを反映させて、岩屋いわやを造る。

ミスティを抱えてすぐさま飛び込んだ。


水着に着替え、二人で湯船に浸かった。


「魔界怖い……魔界怖い……」

ミスティは排泄物を浴びたショックで、ひどく怯えている。


「ダイチ……怖い、妾を抱き締めて……」

ミスティが泣きながら両手を伸ばす。


「うっ……」

微かに排泄物の臭いが漂ってくる。


「臭いからか、近づかないでくれ……」


「うっ、うわぁぁぁぁん」

創世の魔女が泣き出した。


1000年以上生きている彼女が泣くとは……魔界恐るべし。


スク水衣装のミスティを抱き締めたいのは山々なんだが、臭いのはちょっと……。


これからどうするかねぇ。

素材はたんまりあるからクラフトには困らないけど……食べ物がないのがきついな。


死ぬことはないけど、空腹がずっと襲ってくるってのもなあ。


「ミスティ、こっちにおいで」

俺はミスティを座らせる。


クラフトでシャンプーとボディーソープをボトルで作る。


「これ、どうするのだ?」


今まで、素材が希少であったため、シャンプーとボディーソープは自分用にしか作っていなかった。


それに、もともとお風呂やシャワーに馴染みのないこの世界の住人は使用方法も分からないだろうし。


「俺が、洗ってやるから目を閉じてろ」

ミスティの頭をシャカシャカと洗ってやる。


「ぬし様……これ、気持ちいい……ふぎゃー、目がー目が痛い!」


「だから、目を閉じとけって言ったろ」

ミスティの頭を流しながら、目を洗ってやる。


「ったく、子どもみたいだな」


「むぅ……ぬし様が悪いんだ……」


「ほら、ボディーソープもあるから、自分で体を洗えよ」


「ぬし様……洗って……妾、やり方わかんないから」


「えっ……いいのか?」


ミスティはこくりと頷く。

背中を向けていたので、彼女の表情までは窺えなかった。


摺りタオルは無いため、素手でボディーソープを泡立て、ミスティの白い肌に手を伸ばす。


スク水があるとはいえ、異性の体にしっかりと触れるのは……これが初めてだ。


ごくり……生唾を飲み込む音がやけに大きく聞こえる。


背中、肩、手足、お腹……ゆっくりと彼女の体に手を這わせる。


「ん……ぬし様……くすぐったい」


ミスティの艶めかしい声に、理性が飛びかける。


「ミスティ……このまま全部洗うのか?」


ミスティは何も言わない……洗っても良いってことだよな?


何か喋ってないと、どうにかなりそうだ。


「ミスティの肌……歳のわりに綺麗だな」


ミスティが俺の手を払い除けて、振り向く。


「えっ……?」


「死ねっ!」

彼女は、俺をおもいきり突き飛ばした。


「ふぎゃ!」

俺は湯船にダイブする。


「もういい。自分で洗うから!」


ミスティは顔を背け、自分で洗い出した。


何がまずかったんだ……女心は難しい。

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