20 一方、その頃② ~獣人国ファンタスク~
本日2話目の投稿です。
かなり短いです。
「…と、今回の情報はこんな感じかな?」
「いきなりの急展開みたいでついていけないっすよ…」
「あはは、そうだろうね。 私も今回に関してはこんがらがってる」
俺は穴水 和孝。
九重 有人とは、中学時代は親友だった。
高校も隣のクラスとして、一緒だった。
だが、奴…安地 平斗と取り巻きが入ってきてからは自分たちが正義と言わんばかりに、反目した有人をいじめのターゲットにした。
ご丁寧にカースト最下位に仕立てて。
俺たちは抗議したり、証拠を集めて警察に通報したりしたが、奴らの権力の力でねじ伏せられ、有人は退学した。
怒りを隠しきれなかった俺たちもクラスごと後を追うように退学した。
その後の準備の時に、いきなり異世界に飛ばされた。
俺の飛ばされた先は、獣人国【ファンタスク】。
ここは猫耳や犬耳の人間…いわば獣人が中心に住んでいる国家なのだそうだ。
なお、ここはどうも『七人委員会』とやらに属している国家だそうで、人間の住民もいるらしい。
そして今、俺と話している猫耳の女性は、そのファンタスクの第三王女様だ。
名前はセシリー・アルマ・ファンタスクというらしい。
「有人達もこの世界に飛ばされただけでも驚いたのに家族もだとか…。 しかも敵対国の召喚ターゲットにあいつらがいたとか…」
「そして、そのいじめの主犯格と取り巻きは『色無し』判定で追放され、そのうちの一人はステラ王国の最南端の森の中で変死体で発見…と」
「ホントに色々起こりすぎっすよ…。 俺のクラスメートの一人がエクリプス皇国にいるんすよね」
「うん、あそこも七人委員会に所属している魔族の国家だしね」
ちなみにここの魔族は基本的に友好的な種族なのだそうだ。
魔族というと『悪』のイメージが強かったが、セシリー王女の説明でそのイメージは払拭された。
ついでに言うと、七人委員会所属国家は、人族至上主義国家群と敵対している模様。
メインはアッシュ王国という国だそうだ。
「それで、セシリー王女様はどうするんすか?」
「セシリーでいいよ。 あと、普通にタメ口で喋っていいからね? 私はカズの嫁なんだから」
「ホントに決定事項なんだな…。 で、どうするの?」
「アッシュ王国に対しては他の七人委員会所属国家と力を合わせて強く対応するつもりだよ」
「そう簡単にいくのかねぇ?」
「まぁ、ステラ王国などの人族メインの国は、売国主義の貴族もいるみたいだしね。 それでも向こうはかなり厳しい対応をしてるみたいだし、大丈夫だよ」
あっけらかんと答えるセシリー。
しかし、膠着状態とはいえ戦争の真っ最中というのも気分的によくないなぁ。
「大丈夫。 カズの意思を無視して戦争に参加させるなんてことはないし、させないから」
彼女は俺のことをカズと呼んでいる。
城門前に倒れていた所を保護されてから、色々話をしたら仲良くなった…どころかいきなり許嫁宣言された。
ちなみにこの世界には『ハーレム制度』なるものがあるそうだが、出会っていきなり求婚はありえないだろうと突っ込みたかったが、見事にごり押しされました。
まぁ、女性に好かれるのは悪い事じゃないが…。
「でも、この際だからお友達との再会も兼ねてステラ王国に行っておこうか。 情報共有もしておきたいし」
「それに関しては賛成だな。 久々の友達の顔を見てみたいし」
「じゃあ決定だね。 明日出発しよう」
というわけで、明日、俺たちはステラ王国に向かうことになった。
有人や神楽に会うのも楽しみだ。




