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少しスランプ気味かもしれない。

 拝啓、賊の襲撃により怒号の飛び交う今日この頃、ますますご健闘のこととお喜び……喜べねぇよ、絶賛(?)ピンチ真っ只中だよ、いやアリウスちゃんが助けてくれたけど状況が飲み込めないよ。


「ごめんね、心配で来ちゃった」


 あっ可愛い……じゃなかった


「なんで来たの!? いや大丈夫なの?」


 安否を確認しようと思ったけど、思えばさっき無双していなかっただろうか。


「あまり見くびらないでよね、これでもお父さんの娘なんだから、所でお父さんは?」


 正直、アリウスちゃんには会いたくなかった、いや合わせる顔がなかった、どうして助けに言ったけど邪魔になって死なせちゃった、なんて言えようか。

 でも言うしかないだろう


「すまないバルトリウスさんは俺のせいで!」


「え? 盗賊になんて殺せるはずないのに」


「そうだ! 本来なら勝ててたのに俺を庇って」


「そうじゃなくてお父さんの回復力じゃ殺せないでしょ?」


 言葉の意味がわからず目を白黒させていると、ふとある記憶が蘇る。




「人も進化できるんですか、すげえー、バルトリウスさんも進化したことあるんですか?」


「おう、進化は当人の望みが強く出るんだ、前によく出る奴だと硬くなったり、再生力が上がったりしてな、いつか機会があれば、やられたフリして感動的なこと言ってやるよ」




 思い出した途端に自分でも自覚できるくらい顔が熱くなる、傍から見たら真っ赤になっているに違いない。


「バルトリウスさん、向こうに居ます」


 もう今日は何も考えたくない気分だ、アリウスちゃんはバルトリウスさんのいる方へ盗賊を蹴散らせながら向かっているし、俺も慌ててついて行く。

 俺、来た意味あったのかなぁ。


 散々苦労した強敵(盗賊)たちが簡単に倒れ伏してしく様が、ぼやけているが、きっと気のせいだ。

 アリウスちゃんの後ろ姿を見ていると、何故か、しょっぱいけど何かの間違いだ。


 もっと……強くなりたいなぁ


 バルトリウスさんの元へ戻ると、やはりと言うか、まさかと言うべきなのか、既に盗賊は残骸しか残ってなかった。


「戻ってくるのが早かったな、ああアリウスが来たのか」


「あの、アリウスちゃんって凄く強いのになんで隠れてろって?」


「そりゃ、可愛いアリウスを盗賊が変な目で見たら大変だろう、それにしても、これが覚悟か……、って格好よかったじゃねえか」


 もう泣いても良いだろうか、この歳になっても無様に泣きわめいても許してもらえるだろうか。

 いや正直に言おう、とうに涙は溢れ返っている。


 だけどこの仕打ちはないのではなかろうか、確かにバルトリウスさんは家にいろと言ったし、それを聞かずに勝手に苦労したのは俺なのだか……もしかして全て自己責任なのでは?


 もう何もしたくない、何も考えたくない。




 その後、特に何事もなく遺体を弔って日常が帰ってきた。

 遺体の弔い方が山の決まった所に安置して、虫や獣に喰われたりして自然に還したあと遺骨を持ち帰り墓場に埋めるという、やり方を見て異世界を感じた。


 なんでも今まで山のものを頂いてきたので死後は山に還すやらなんたら、都になると違ってくるそうだが、村とかは基本、自然の中へ安置して骨にするらしい。

 火葬はないのかの聞いたら燃やすなんて酷いと言われた、確かに今まで疑問に思ったことなかったけど、埋めるなり方法はあるのに、大切だった人をなぜ燃やすという考えが出てきたのだろう。

 まぁこの世界で知るすべはないのだから考えても仕方ない。


 盗賊については冬前になると、集めた食料を奪うために村が襲われることはよくあるらしい。

 やはり元の世界とは常識が違いすぎる。


 そうした騒動はあったものの無事に季節が変わった。

 山まで行かなくても外は以前にも増して真っ白になっている。

 最近は鍬を振れなくて少し物足りない、もしかして鍬って依存性があるのかもしれない。


 冬の合間はすることがほとんど無いので毎日、団欒の時間を過ごしている。


「ヨモ、暖かくなったら外を見てくるといい」


「もうこの村もだいたい見回りましたよ?」


「そうじゃない、世界を見てくるといい」


 なぜそんなことを言われてるのかというと、俺が強くなりたいと言い始めたことから始まる。

 盗賊の襲撃で、覚悟だとか以前に力が足りないと痛感したので戦い方を学んでいたのだ。

 そしてアリウスちゃんの強さの秘密を知った、なんでも進化した者に子ができると、子も親の特性が少し出るそうだ。


 世界が変わっても才能に差があることは変わらないらしい。


 進化にも個人で多少の差はあっても、大まかな括りがあるらしい。

 肉体が特化した物理系、魔法に特化した魔法系、それ以外の特殊系。


 バルトリウスさんは物理系、そのなかでも回復力と筋力に優れたトロール型らしい


 俺、初めて会ったとき、バルトリウスさんのことトロールって言わなかったっけ? 当時の俺に言ってやりたい、エスパーかよ、正解だったよ。


 そうして強くなるには進化するのが一番とのことでアリウスちゃんも遺伝ではなく自分自身で進化するようにと2人旅が決まった。

バルトリウスが何故か生きている、本当は死んで主人公の覚悟の中核になるはずだったのに。

進化っていいよねって加えた設定で復活するなんて。予想外!


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