↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/17

14

自分で生物の名前オリジナルって言っておいて、

鍬のこと竜の牙って使っちゃってた。

なので未知の生物の牙に変更します。

なんだか、その方がロマンあるし。

 コンクリートな町にいた頃は木なんて数える程度しかなかった。

 それが今や数えろと言われたら、鼻で笑ってやるくらい茂った森に居るのだから人生どうなるか分からないものだ。


 そして今の現状を一言で表すなら、迷子である。






「よし、荷物は持ったな」


 俺たちはバルトリウスさんに別れを告げて、家を出た。

 冬の間は来れなかったが、道が通れるようになると村に行商人が来る。

 今回はその商人の方に同行させてもらい旅に出ることにしたのだ。


「遺跡都市までよろしくお願いします」

「いやいや、君たち戦えるんだろう? こちらも金が要らずに護衛が増えるなら万々歳だよ」


 そう言って優しそうな細目の商人さんは歓迎してくれている。

 増えるという事から分かるように、箱の並べられている馬車の周りには武器を持った人達が居る。


「あの人たちは探索者ですか?」

「何を言っているんだい、探索者は護衛なんて普通しないよ。彼らは私個人で雇っているのさ」


 そう言われると、前に聞いたような気もしなくはない。


「ヨモ、前に聞いたじゃない、探索者はあくまで『探索』が仕事、町を守るのが兵士、それ以外は個人で雇っているのよ」

「まあ強くないと意味が無いから、彼らだって元が付くけど探索者だよ」


 なんと、それなら俺は彼らの知識にとても興味があります。

 なので脱兎のごとく……否、それを追う獣のごとき執着心で飛びつきます。


「あのー、少しお話など聞けたら嬉しいのですがぁ」


 誰も聞き方まで獣のようになんて言ってはいない、あくまで執着心が、である。

 いくら惹かれようと、無遠慮に聞くほどの度胸はない、それが俺なのだ。


「おう坊主どうした」

「いや俺、探索者になろうとしてまして、先輩方に何かご教示して頂けたらなぁと」

「そうか、ならその媚びた話し方をやめろ」


 俺としたことが前の世界の常識は通じないと知ったのに、つい癖で下手に出てしまった。

 この世界では下手に出るとダメ、俺、覚えた。


「探索者なんて成り上がってやる、って欲の多い奴らだ。そいつら相手に媚び売ったら一生こき使われるぞ」


 おや? なかなか良い人だとなのでは。


「まあ相手によると下手に出ていい事もあるがな、現に俺もお前に忠告してやってる」


 おやおや、『下手に出るときを見極めるには経験しかないけどな』なんて台詞を吐いて去る。

 そんな格好良い所を見せられると惚れてしまうじゃないですか。


 まぁ冗談はさておき。


 馬車は出発して、商人さんは御者をしており、俺たちは馬車を囲うように歩いている。


「だからよ、そのとき俺がそいつの目を潰して――」

「話を盛りすぎたろ、逃げながら投げた物が目に当たっただけじゃねぇか」

「うるせえな! 逃げきれたのは俺のおかげだろ」


 若い頃はどうのだとか、自慢話が果てしなくつまらなかった世界とは違って、この世界の話しはとても面白い、聞いたことの無い生き物の名前が出てきて、その時の傷がこれだと、普通に生活していると付くはずが無いような傷痕を見せられると、心が熱くなる。


 これを表現するには何て言えばいいだろう、たぶんワクワクが正しいかもしれない。


 そんな気持ちで話しの続きを急かしていると、日は既に沈みかけている。


 横に目を向けると、木々が広がっていた。

 今はこの森を迂回しながら進んでいるらしい。


「そろそろ野営にするか」


 そう言って、申し訳ないことに朝から喋らせ続けてしまったのに、疲れなんて微塵も見せずに行動する護衛の人たちを見て体力の差に驚いた。

 俺も結構、体力がついたと思ってきていたけれど、正直ここまで歩いただけで足が震えている。


 さっきまで話に夢中で足の痛みなんて気づかなかったけど。

 一度でも認識してしまったら、もう忘れることはできそうにない。


「おう、お前ら頑張ったじゃねえか、ここは任せて休んでろ」


 隣ではアリウスも座り込んで足を揉んでいた。

 話しに夢中になって気づかなかったとは、とても申し訳なく思う。


「ごめんね、気遣いもできなくて」

「気にしないで、私も話しにばかり気を取られて護衛なんて忘れてたわ」


 そうして話している間にも準備は見る見るうちに終わっていく。


「ほらお前たちも食え」


 そう言って渡された、スープを飲みながらも商人さんにも話しを聞いたりして、そうしながら時間は過ぎていき後は明日も早いので眠るだけとなる。

 

 思えば、人にとって最も怖いものは慣れかもしれない。

 慣れてしまえばそれだけ魅力は減ってしまう、だから俺にとって不慣れなこの世界は楽しくて仕方がない。


 明日はどんな冒険をして何を知るのかな。


「ん……お腹いたい……トイレ…………」






 目蓋(まぶた)越しに光が差して目が覚めた。

 もう朝か、昨日は楽しかったな、今日はどんな話を聞こうか。

 そこで初めて目を開くと、周りには誰も居なくて、無理やりにでも言うなら、森が居た。

実は、一章にはプロットモドキが存在していましたが。

今は作って無くて頭の中でこんな事をしたいなって程度。

だから本当は遺跡都市編をするつもりだったのに、

どこからか現れた森の猛攻により、

サバイバル編とか始まりそうな予感がしなくもない。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。