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今の目標は三千文字を平均的に出せるようにしたいです。

(今回は二千文字でした)

 さあ冒険を始めよう。

 と言いたいところだけど、さすがに準備もなしに行くと、ただの屍(しかばね)になることは想像に難くない。


「荷物、なにを持っていけばいいですかね?」

「お前のなんとか丸と野営の用意、あと金はやるよ」


 思ったより少ないと思うけど、持ちすぎていても、魔物に襲われたときに重くて逃げきれない、そんな状況になると困るうえに、万全に準備したときに限って、ほとんど使わないなんて事はよくあるらしくて、そう説明されると、なんとも世知辛い。


 それはそうと、お金である、思えばこの世界に来てから初めてのお金なのだ。

 冒険には、金銀財宝が付き物で、紙に慣れてしまった異世界人としては、この世界の金、銀、銅貨に大変興味があります。


 もしかして、鉄貨なんてあるのかしらぁん? と光り物に引き寄せられて心のオネェまで出てきそうな気分。


 だけど心のオネェを放し飼いにするには周りの視線が痛いので、心の檻にそっと閉じ込めるのよん……いや、閉じ込めようと奮闘していると、いつの間にか倉庫へ到着していた。


「ここにあるものは探索者時代に集めたものだ、好きに持っていけ」


 バルトリウスさんの心が広すぎて、嬉しさあまり頬がキュってなる。

 俺なんて、心に増えた住人すら御しきれないのに。


 そしてお楽しみの時間である、前に入ったこともあったけれど、本格的に見るのは初めてだ。

 これは探索と言えるのではないだろうか、冒険の第一歩なのではないだろうか。


 今の心境を表すとすれば、ワクワクに違いない、ドキドキの可能性も無くはないけれど、今は心の表現なんぞより、現物の方が大切である。


 期待に胸をふくらませて、見回して気づく。


「何を期待しているのか予想はつくが、金になるものは売っている、ここにある物は売れなかった物、日常で使うものだ」


 うん、知ってた。


 だって前に見たもん、もしかしたら未知の発見がなんて淡い希望は、この世界も紙幣だったという現実と共に打ち捨てられた。

 この紙幣は古代文明から変わっていなくて、破れない技術が使われているとか、機密なので知らないが偽物はすぐ分かるようになっているとか、何も知らない子供へ自慢げに教えるように生き生きとしたバルトリウスに物申したい。


 凄まじく知っています。


 確かに紙の方が管理しやすいだろう、けれど俺は……金貨をジャラジャラして遊びたかったのだ。


 めそめそと探索を再開して、ライターこと着火箱や予備のナイフ、それらを伸縮する素材のカバンに入れて貰った。


 現金なヤツとでも言えばいい、俺は今とても喜んでいる。


 血湧き肉躍る、そんな気分で粉砕丸を磨きにかかっていると、ふと思い出す。


「そう言えば、アリウスちゃん見ませんね」


「アリウスなら鍛冶屋に武器を取りに行ってる」


 え、なにそれ、聞いてない。


 確かに、居候に実の子以上の待遇をしろなんて言うはずもない。

 だけど方や畑で使っていた鍬、方や鍛冶屋でオーダーメイド。

 せめてまともな武器が欲しかった。


「あのぅ、俺の鍬ってなにか特別だったり……」


「言わなかったか? それ昔に拾った何かの牙で作ってるんだぜ。調べてもらったが結局、分からなくてな倉庫に眠ってたから鍬にしたんだよ」


 だから鍬にしては先端が見るからに牙だと思っていた。


 それにしても……勝利! 何に勝ったのか分からないけれど、このガッツポーズに後悔はしていない。


「ぜひ! その時の話を聞きたいです」


 俺も男なので、尻尾を幻視するような甘えてくる女の子に憧れたりする。

 胸を張って言おう、俺は今、見えない尻尾を全力で振っているつもりだ。


「ん? その牙か、たしかそれは仲間だった奴に騙されて谷底に落ちた時、何かの巣に落ちて助かったんだが、見たこともない形の巣で、落ちてた牙も初めて見る形だったから、それだけ持って逃げ帰ったもんよ」


 あのあと騙した奴を牢獄にぶち込んでやったぜ、そうキラリと笑うバルトリウスさんに一言。


 貴方、俺より主人公してませんか?


 これ以上、冒険譚を聞かされると何か乗っ取られそうな気がするので、この辺にして、改めて凄さを知った粉砕丸様に頬ずりをしていると、アリウスちゃんが帰ってきたようだ。


「アリウスちゃん、どんな武器にしたの?」


「ふふん、これを見なさい」


 そう言って、自慢げに掲げた獲物は……なにそれ?


 長物なのだろうが、打撃か斬撃かと聞かれると突撃? と言ってしまいそうな、はっきり言って巨大な肉叩きハンマーである。


「えぇと、どうしてそこまで凶悪なものが」


「これはね、斬撃に耐性があっても、打撃に耐性があっても、ぶち抜ける万能武器よ!」


 すごい笑顔で自慢してくるのだけど、あの後ろをニコニコ着いてきたアリウスちゃんはどこへ行ってしまったのだろう。


 アリウスちゃん、それは敵をミンチにしてやるぜという意味なのかな。


 うっかり、遠くを見る目をしてしまったが、それはそうと準備は整った。

 ついに明日、俺たちの冒険が始まるぜ!


 よく考えたら、俺は鍬で、アリウスちゃんが肉叩きハンマー、両方とも刺突系武器(?)なのでピアッシングブラザーズなんて言われる日が来るかもしれない。

見返すと鍬を狩りで使うために

変な設定がついていたので

鍬は実は凄かったルートを辿りました


本当は鍬が壊れて、その刃を焼き直し新たな武器へ

という計画だったのですが、即興で書くせいか

道筋なんて知ったこっちゃねぇと言わんばかりです


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