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空間の賢者と勇者に選ばれし魔王  作者: 砂糖キビ
第一章始まりの旅偏
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第五十五話 魔神

「ハアー、ハアー、ハアー」

ルシリアは自分の神聖魔法に全魔力を注ぎ込んでいた。理由は一気に全ての幽霊やゾンビを祓うためである。

 すると、周りのゾンビがルシリアの元に集まってきた。

(フォフォフォ、ゾンビは脳が腐っている。故にそんな賢い判断ができるはずがない。このゾンビは何者かに操られているみたいですね)

 バセデがゾンビの動きを見て確信した。しかし、バセデ目の前の敵に集中することにした。なぜなら主犯がいるのなら必ずグレイノアが見つけてくれるだろうという信頼が合ったからだ。そしてその考えは間違っていなかった。なぜならもうグレイノアは主犯を見つけているからだ。

(問題は、誰を差し向けるかだよな。今回は俺はあんまり戦わず。仲間の成長のサポートに徹したいし、ガンダルらへんが按配かな。敵の方から来たら使命しとくか)

 グレイノアは一旦思考を辞め、現場の舵に集中することにした。

「皆さん、ゾンビはルシリアの魔法が完成するまで倒さずに動きを封じといてください」

 グレイノアができるだけ声を大きくしてみんなに伝える。本来ならそれは無茶な要望。しかし、グレイノア一行には固定に特化した悪魔がいた。バセデだ。

 彼の金縛りによってゾンビの動きが全て止まる。

「フォフォフォ、ルシリアさんには一人たりとも近づかせませんよ」

 バセデのあまりの男前の言葉にカマエル、リュブナン、イヴァイルの三人がからかうように口笛を吹いた。

「「「ひゅ〜ひゅ〜」」」

「フォフォフォ、これだから悪魔どもは」

 バセデはいつだってからかってくる仲間に心のそこから怒りを覚えた。

「今回私たちの役目ないねカマエル」

 そんなことはつゆ知らず。リュブナンがカマエルの隣に立ち話しかける。

「そうだな」

 カマエルも役目がなくつまんなさそうだ。

「それにしても、あんたと共闘するときが来るとは思わなかったよ」

 そう言ってリュブナンは面白おかしそうに笑う。

「まだ、共闘はしてないだろ。だが、同感だ。俺が堕ちる前はよくあんたに手を焼いたよ。あんたにはよく俺の仲間が毒を盛らてた。その上、粘るし、すばしっこいし、倒しづらかったし」

 カマエルは懐かしそうに目を細める。当時は最悪だったが今となっては笑い話だ。少しカマエルの器が寛容すぎるような気もするが、まあ、そこはさすが元天使ってことで、

「アハハハ、あんたがいなくなっても、あんたの部下には毒を盛り続けてたよ」

 そうリュブナンはカマエルが引きこもりになっても部下に毒を盛り続けた。いや、むしろもっと天使中でも厄介なのがいなくなってより多く頻繁に毒を盛っていた。

「まあ、そうだろうな。俺がいなくなって変える理由ないもんな」

 カマエルは少し仲間のことが可哀想になった。二人は楽しく会話している所に二匹の魔神が現れる。片方は男で剣士、片方は女で魔法使いのようだ。

「ハア〜、私の部下が配下がヤバいって叫んでいたから取りあえず一足先に来てみればほんとにまずい展開になっているわね」

 魔法使いの魔神が面倒くさそうにため息を付く

「ていうか。やっぱ、こんぐらいで動けなくなるゾンビは雑魚だな。あいつが亜神のトップクラスなのあの辺りの元勇者を配下に出来たからで能力もそこまで厄介じゃないし本人の力は魔人並だしな」

 剣士の魔神の方は動かなくなったゾンビを見て鼻で笑った。

 魔神とは亜神の上位種で魔族の中でも72柱しかいない特別な種族であった。

 そんな強力な魔族が二人、本来なら誰もが死を覚悟するが、この二人はむしろ喜んだ。

「あら〜、魔神じゃない。⋯玩具にしがいがあるわ〜。魔神は希少なのよね。72柱しかいないし」

 リュブナンはそう言いながらどうやって魔神を拷問しようか試行錯誤する。

「玩具にするときは、あんま堂々とするなよ。特にルシリアとガンダルの前ではするなお前が悪魔であるとバレたら俺が殺す」

 そう言っているカマエルもなんとなく心が踊っているのが表情を見てわかる。

「あの人達まだ信じてるもんね♪」

「人は信じたいものしか信じない。そういう所は利用しがいがある」

「あんたほんとに元天使よね?」

「ああ、元だがな」

「ふふふ、いい性格になったわね。あんた、倒した魔神は生かして私に貢献しなさい♪」

「いいよ。俺には雑魚をいたぶる趣味はねえ。影でなら何でもしていい。それがここでの裏ルールだ」

「とても勇者パーティーのルールとは思わえないわね。あとで彼女たちは後でグレイノアに加工して貰おうっと♪」

「「あはははは」」

 二人は心のそこから楽しそうに嗤いあった。それを聞いた魔人達が激怒する。

「話を聞いてたら、人間風情が私たちは舐めやがって、殺す」

「そうね。逆に私たちがお前らを玩具にしてやるわ」

「あら魔神も人間と同じ習性を持っているみたい。力も底まで強くないのに頭も悪いみたいね」

 激怒した魔神をリュブナンが煽る。

「したがないよ所詮劣化コピーだ」

 カマエルもそれに便乗した。

「そうれもそうね〜」

 リュブナンは不吉な笑みを浮かべながらぺろりと口周りを舐めた。

 この後、魔神の断末魔が墓の周りの住民が聞いたらしい。

……… 少し遅れて、ゾンビを操っている亜神が来た。そして亜神はこの光景を見て本気で焦る。

「…何だこれは私の配下が全て動かなくなっている!!クソッ最悪だ!!………!あれはまさか広範囲神聖魔法!!まずいこのままでは私は亜神最弱になってしまう」

 そしてまた、彼はルシリアを止めるために走り出した。

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