第五十六話 白金の能力
「じゃ〜ん、プラチナのためにコウモリのぬいぐるみを買ってあげました。常日頃から料理を作ってくれているお礼です。名前は逆蝠くんです。コウモリは吸血鬼の守護神なんですよ。大切にしてあげてください」
グレイノアが前回の話でかったぬいぐるみをプラチナに見せる。
「かわいいですね」
プラチナはグレイノアからのプレゼントに大喜びである。その浮かれっぷりに思わずイヴァイルは呆れ半分で否定した。
「いや、可愛くはないだろ」
「可愛くはないですね」
ルシリアもイヴァイルの意見に同調する
「フォフォフォ、随分とリアルなぬいぐるみですね」
バセデは否定はしなかったがなんとなくどこか引いているようだ。
「⋯逆になんか怖くない?」
カマエルは正直であった。
「いいんです。グレイノア様から貰ったものは全て可愛いんですよ」
しかし、みんなから否定されても純粋なプラチナは満面の笑顔でこのぬいぐるみは可愛いと言い切った。
「う〜ん。プラチナはいい子ですね〜」
グレイノアはニコニコしながらプラチナをよしよしした。
「「⋯⋯⋯」」
周りからの視線は痛かった
「それでは、今回は久しぶりの試験です。腕は鈍っていませんよね?」
グレイノアは急に真面目な目つきで言った。
「もちろんです!!さあ、今回の課題はなんですか?」
プラチナはやる気満々で答える。
「このコウモリとそっくりなぬいぐるみをこの素材から作りあげなさい」
そう言ってグレイノアは実はこっそり盗んでいた光龍王の鱗を取り出す。
「まて、そんな硬い鱗をどうやってぬいぐるみにするんだ」
イヴァイルが少し驚きながら聞く。
「わかりました」
プラチナはそう言うとあっという間にその鱗を糸に変えてみせた。そしてプラチナはどこからか針を二本取り出す。
「「は?」」
そのグレイノア以外のみんなが鱗が糸になったことに驚きあんぐりと口をあげた。
「準備はいいですね。測りますよ」
グレイノアが確認する。グレイノアの隣では半透明な四角型のタイマーが浮いている。グレイノアが魔法で作ったタイマーだ。
「ええ、お願いします」
プラチナの目は真剣だ。
「では、ようい、スタート!!」
グレイノアの合図とともに一瞬でグレイノアが持ってきたぬいぐるみと全く同じのぬいぐるみが出来上がる。速度は人の目が捕らえられるスピードをように超えておりまさに人智を超えた動きであった。
「「⋯⋯⋯」」
あまりの出来事に今回は誰もが言葉を失う。実はプラチナのスキルは純愛、有限系星1つである。そのスキルは自分が好きなものがものすごくうまくなる、あらゆるものを糸に変えることができる、愛する人に頼まれたことをやる時はいつも以上の技術と素早さと成功率が上がるという効果がある。まさに愛の力そのもののスキルである。
「さすがだね。なまるどころがもっと早くなっているよ」
グレイノアは仏の様な笑顔で言った。グレイノアはあのプラチナの裁縫を目で追えたらしい。
「ありがとうございます」
プラチナは愛する人に褒められてとてもうれしそうだ。ちなみに愛する人に褒められると3つ目の効果と同じ効果が現れるらしい。これも純愛の効果だ。
「⋯プラチナだけは常識をしらないだけで普通の人と同じだと思っていたのに⋯」
ルシリアは少しがっくりと肩を落とした。だがその顔は呆れた顔だ。
「化け物だったでありんす」
きなこはまだ驚いているようだ。
「鱗ってそんなに柔らかいものだったっけ?」
カマエルは首をかしげた。
「フォフォフォ、私ですら追うのに精一杯でした」
バセデはあまりの速さに頬に一筋の汗をかいた。
「さすがはグレイノアの従者だな。オールノワールの兄弟なんだなんかあるとは思っていたが、これほどとは⋯」
イヴァイルもプラチナの超人的な動きには驚かざるおえなかったようだ。というかグレイノアは親友にも自分の従者のスキルを教えていなかったのか。
「⋯裁縫教えて貰おうかな。」
ガンダルに至っては現実逃避していた
「それじゃあ、プラチナ、これはあなたからの私へのプレゼントということでいいですよね」
グレイノアがプラチナが作ったぬいぐるみを持って言った
「はい!!」
プラチナが元気よく答える。完全に二人だけの世界であった




