第三十九話 賢者の最高の切り札
「さあてお前はこれをどう避ける?」
「…避ける必要もないでしょう。■■■■■」
ブラックホールは一瞬にして消滅する。ブラックホールですらグレイノアでは一瞬で消してしまえるようだ
「空間抹消!やっかいですね。生半可な魔法では一瞬にして消されてしまうか。ならもう一度ニュークリア・ラジエーション」
ジェフメスはもう一度核魔法をグレイノアに打つ
「一度効かなかった魔法をもう一度打つとはなにかありますね」
グレイノアは警戒して巨大な防御魔法を作った。防御魔法は六角形がたくさん集まった四角い透明な壁である
「…?なにかあるかもしれないがなぜ俺はこんなにも魔力の食う防御魔法を作ったのでしょか」
グレイノアは自分の行動に引っ掛かりを覚える
「ハハハ。引っ掛かりましたね。まあ、簡単な話です。私のスキルは二つあってね片方が価値観を操れるのですよ」
ジェフメスは簡単に自分の手の内を説明した
「…なるほど。なにかありそうな魔法は念入りに通常の百倍以上の防御魔法で対応するべきだと価値観を操作したのですね。例え干渉できるのは一瞬だけだとしても魔法の対策をしようとした瞬間だけで十分ですからね」
これぞまさに相手が超越スキルを持っていたら一瞬だけしか干渉できないを逆手に取った技である
「さすが、情報生命体というだけはある。物わかりが良い」
ジェフメスは相手を褒める
「では、私はこのままこの防御魔法を展開させっぱなしにしましょう」
「確かに魔力効率は悪くないですが、それでは両脇ががら空きですよ」
ジェフメスはカーブをかけて横からニュークリア・ラジエーションを打つ
「何防御魔法を動かせばいいでしょう」
グレイノアはまるでそれが普通のように防御結界を横に動かした
「………君は価値観にとらわれない人間なのかい。普通防御魔法は動かせないっていうのが一般の価値観なんだよ」
これにはジェフメスも驚きを隠せないようだ
「面白いことをいいますね。俺は人間ではもうないと言ったではありませんか」
「…ハハ、そうだったね。ならばやることは一つかな?」
次の瞬間大量の魔法陣がジェフメスの後ろに出来上がる。放たれた魔法は一つひとつがニュークリア・ラジエーションだ。グレイノアは完璧に防御魔法で対応してみせる。本来なら面白くない光景だがジェフメスここでニヤリと笑う
(フフ、ここまでは想定内。だが防御魔法を動かすときに防御魔法は動かせないという価値観を埋め込んでやる)
ジェフメスは蹴りをつけるべく魔法を核魔法 キングデーモン・コアにしてグレイノアに一斉に振りかける。キングデーモン・コアは一つひとつが原子爆弾千個分に及ぶ原子エネルギーの一斉放射である。そしてジェフメスの予想通りグレイノアは防御魔法を動かした
(…いまだ)
グレイノアの防御魔法の動きが止まる。必中は免れないだろう。ジェフメスは勝利を確信した。そしてジェフメスは留めとして強めの魔法を打つ
核魔法 黒金色の太陽 太陽の百倍の熱エネルギーが一気に打ち出される。光の色もあまりの量に黒く変質する。これがジェフメスの奥の手の一つであった。
「ふう。神ではないのによくやったと言おうではないか」
ジェフメスはさっさと完全に殺ったと思い自分の研究室に戻ろうと思った。しかし、いつの間にか後ろにはグレイノアが武器を構えていた
電空憑依 雷荒廻斬流 渾身奥義 雷虎
「がッ!!」
ジェフメスは切りつけられた。そして同時に電撃と空間が破壊される感覚が伴なった
「留めに死体が確認できない魔法を使ったのは間違いでしたね。お陰で油断したあなたの後ろに余裕でまわり込めましたよ。死体の確認はしっかりしないと」
「なぜだ。どうやってあの無数の魔法を防いだ」
ジェフメスは勢いよく後ろに振り向きキングデーモン・コアを放つ
「別に特別なことはしてません防御魔法を転移させたのですよ。動かせるなら転移もさせられるでしょう。その後の強大な魔法は安全に転移して避けさせて貰いましたよ」
グレイノアは同時に転移させた防御魔法でキングデーモン・コアを防いだ。本来ならそれぐらいの防御魔法ではキングデーモン・コアを防ぎ切れない。しかし防御魔法は余裕でジェフメスの魔法を止めた。そしてお返しに今自分のなかで最高の切り札である魔法を放つ。
星1つ分の雷これは地球ぐらいの星を一つ全て電気エネルギーに変える魔法だ。その電力50正ワット
「ッ〜〜〜〜〜〜〜〜」
ジェフメスが声にもならない悲鳴を上げる。完全に裏を欠かれた状態。ジェフメスはなんとか電気をくらいながらジェットゴールドリングを放つ。しかし、それすらも星一個分の雷の前には完全に無意味。威力をより百倍にしても拮抗の暇すら見えない。ジェフメスは魔法をずっと放ち続け少しでも威力を弱めることに専念そして。そしてなんとか命からがら生き残ることに成功する。しかしもうすでに完全に瀕死状態だ。
「へえ、いまのを耐えるんだ。こっちだって腕を犠牲にしてまで打ち込んだのに。さすが神だね」
見るとグレイノアの腕は根本から吹き飛んでいた。この威力にはさすがにグレイノアでも負傷を免れなかったようだ。グレイノアはもう腕を直すほどの魔力を残していない
「それはこっちのセリフだ。全く持ってそなたは恐ろしい生き物だ」
ジェフメスはどうにか魔力を振り絞ることで口を再生しグレイノアに返答する
「それじゃあ、勝負は」
「ああ、お前の勝ちだ。お前の実験台になってやろう」
「そうですか。ではこれからよろしくお願いしますね」
こうして賢者と探究神の勝負に決着がついた




