三十六話 巨神王
前回のあらすじグレイノアはギガテンスに邪神討伐に協力を仰いでいた。
「お主ら人間が邪神を倒すだと?まあいいが、まずお前らが魔王をやってくれないとおれらが邪神を倒すのに集中できないだぞ。魔王が邪魔してくるからな」
ギガテンスは優しくグレイノアに言い聞かせる
「今は魔王は今回妨害しません。なので邪神を倒すには今がチャンスなのです」
しかしグレイノアは今更目標を変えるつもりはない
「根拠は」
その満ち溢れた自信にギガテンスは少し疑問に思う。そうだろう、あの魔王が戦争に参加しないなんてありえないことなのだから
「魔王は妨害しないと俺と契約してくださいました」
実際は妨害しないではなく討伐の協力だがまあ妨害しないことには変わりない
「魔王の言葉を信じるのか。奴らはでまかせおを言って俺達を欺くのだぞ」
ギガテンスはグレイノアの話を疑う
「しかし、契約です。悪魔は契約を破りません。例えそれは悪魔の王であっても同じです。それは悪魔にそこまで詳しくないあなただって理解しているでしょう?」
確かにそれは正しい悪魔は契約をしたらその内容は絶対に守る。まあ、用意に契約内容を逆手に取るがそれでも妨害はしないと言ったならそうなのだろうが
「…確かにいいだろう。だがその前に一つやっておきたいことがある。それは実力の確認だ。お前に足手まといになって貰っては困るからな」
そう言ってギガテンスは手をゴキゴキと鳴らす
「いいでしょう。ではここは私も全力でいかせてもらいます。これは契約ですよ」
グレイノアもやる気満々のようだ。ほんとにグレイノアは勝負になると目がない
「お前悪魔みたいなことを言うな。では行くぞ」
ギガテンスは自分の巨大な拳でグレイノアを潰そうとする
「望むところです」
グレイノアも拳を構える
「ヤバい。シールド張れイヴァイル」
カマエルは大慌てで魔法で結界を張る
「言われんでもわかるよ」
イヴァイルもカマエルに被せるように結界を張る
ドーーーーーーーーーン
拳と拳はぶつかり、地面が揺れる。地面が割れる。地球が凹む。振動であたりの家が崩れる。周辺の国に震度7以上の揺れが起こる。これだけでどれほどまで二人の実力が飛び抜けているのがわかる。
ボコ メキメキ バシャーン
白熱のぶつかり合いのすえ、グレイノアの拳にギガテンスの拳が耐えきれず腕が破裂してギガテンスがよろめき倒たことで、グレイノアの勝利として終わる。
「フン。私の魔法なしで負けるとは、やはりイヴァイルの言った通り図体がデカいだけのようですね」
勝負に勝ったグレイノアは少し物足りなさそうだ
「…なあ。俺、グレイノアは人じゃないと思うんだ」
勝負を安全な結界の中から見学しているガンダルは思わず呟いた
「実は今、私もそう思った」
ルシリアもあとに続く
「え、人だったんでありんすか」
きなこはもうすでに人間だとは思っていなかったらしい
「相変わらず。こういうとこは派手にやるなあ」
必死に結界を維持していたイヴァイルは周りをみてせめて結界を作ってからやれと思った
「普段は清潔感があるイケメンなんですけど、勝負が絡むと頭のネジが吹っ飛ぶのは難点ですね」
カマエルはもう少し周りに配慮しろよと心の中で毒づいた
「わざとだろうな」
「わざとでしょうね」
二人は前途多難だと思い呆れた。イヴァイルの方は言えたことではないと思うが
「取りあえず俺の勝ちってことでいいかな」
グレイノアは倒れているギガテンスの前まで飛び確認する
「ああ…問題ねえな。それにしても」
ギガテンスは敗北を認めたあと、何かを言おうとする
「なんですか」
グレイノアは聞く。まあ何をいいたいか自分でも理解しているが
「お前、実は魔王が変装しているなんてないよな」
しかしその言葉は想像の斜め上だった。なぜなら魔王はイヴァイルで近くににいるからである
「ハハ、ありえませんよ。私はあの人まで冷酷には慣れませんでしたから。腕は治しておくよ」
グレイノアは否定すると、圧倒的な魔力量でギガテンスの腕をなにも言わず治した
「ありがとう。魔王ではないか、だが人ではないのは確定だな」
そう言ってギガテンスは眠りについた。グレイノアは否定しなかったなぜなら確かにもう人ではないから




