第三十三話 泥棒の対処法
「へっへへ、さあて今回はどれくらい入っているかな……あれ、財布がない!!」
泥棒は大慌てで周りを探した。するとある男が泥棒に話しかける
「そこのお兄さん、財布落としましたよ」
もちろんグレイノアだ。
「え、あっああ、ありがとう。助かった」
そう言って泥棒は財布を受け取る。その瞬間財布は手元から消えた
「残念それは幻覚です。どうでした。落ちる感触までそのまんまだったんじゃないですか?俺も相手に偽の情報を脳に直接流し込む時はかなり細かく情報流しているんですよね」
グレイノアが泥棒を嘲笑う
「は?俺のだぞ盗むなや」
そう言って泥棒は怒ってグレイノアに襲いかかる。だが彼女の手がグレイノアに届くまでに異空間から出現した武器、荒神の先端が泥棒の首筋に当てる。泥棒に冷や汗が出る。
「あなたのじゃないでしょう。俺の仲間から盗んだ財布を勝手に自分のにしないでください」
グレイノアは少し口角を上げる。焦っている泥棒を見て楽しそうだ。実に性格が悪い
「お前。まさか私が泥棒だって自分から気づいて…」
泥棒は震えながら喉から声を出す。しかしグレイノアはそれを見てただただ薄ら笑いを浮かべ泥棒を見つめるだけ
「ごっごめんなさい。実は妹が病気になって治療する金もなくて許してください」
泥棒は一生懸命に命乞いをする。しかしそれも虚しくただ首筋にあたっている刃が2つになっただけだ
「俺はですね、人の心を読めるんですよ。だからあなたのそんな勢い任せの嘘なんて一瞬で見抜けてしまうんです」
泥棒にとってそれは何よりも絶望的音であった。その姿を見てグレイノアはもっと楽しそうに顔を歪めた。そして、椅子を取り出しあろうことか茶を飲みだした。
「やっぱり。人の恐怖を見ながら飲む茶は最高だなあ」
グレイノアはほんとに性格が終わっている。そして泥棒の恐怖で歪んだ顔を見続け満足したのか慈悲もなく荒神の刃によって泥棒の首は三枚にスライスされた。そして死体を眺めながらしばらく茶を飲み続け証拠隠滅に
「■■■■■」
空間抹消を行い。泥棒の死体は骨も残らずこの世から消え去った。
「チッもう終わってやがる。独り占めは良くないぞ」
イヴァイルが来て名残惜しそうにかすかに残る魂の残滓を見る
「どうせ、一人だけじゃ物足りないでしょう。今回は彼が絶望に歪んで死ぬ動画だけで許してください」
グレイノアは自分で研究して作った空間撮影魔法で動画作ることができる。これでイヴァイルを満足させるためにわざわざグレイノアはわざと時間をかけて泥棒を殺したのだ
「おお、やっぱ気が利くな」
イヴァイルは嬉しそうだ
「喜んでくれて嬉しいですね」
グレイノアも嬉しそうに目を細める。その姿はここに女性がいたら絶対に一目惚れしていただろうくらい美しい
「…無理すんなよ」
イヴァイルは満足したのか。そう言って仲間の場所に戻って行った。
「…しているつもりはないんですけどね」
イヴァイルがさったあとグレイノアはひとりでボソッと呟いた
「まあ私は元とはいえ人間なんだから、心配されるのも無理もないよ。それくらい彼に大切にされているってことでしょう」
グレイノアの精霊ウラノスがひょっこり現れる
「確かに、考えると嬉しいですねあの無慈悲で自由気ままな魔王に心配されるなんて。でも私にもう人を殺して後悔する様な心は残っておりませんよ。イヴァイル」
そう言ってグレイノアは誰も見られていない路地裏で自由に羽を広げた。そして泥棒の魂の残滓を掴み何かを引っ張る
「何はともあれあの泥棒が持っていたスキル模倣を得られたのでこれで満足としましょう。まあ俺は自分の能力で模倣と同じことできるけど一応持っといて損はなさそうだからね」
本来ならば魂に直接根付くスキルを剥がすなどできないしかしグレイノアは自分の能力によってきれいにスキルを魂から剥がしてみせた
「それにしてもこの人も不運だよね。仲間の財布を奪わなかったらグレイノアも見逃して上げたのにねw」
ウラノスがクスクス嗤う
「でも、貰ったからにはうまく使ってあげないとね」
「すぐに他のスキルと統合するんだろ」
「もっと素晴らしいスキルにしてあげるためですよ」
「「あはははは」」
二人?は大声で嗤いあった。そしてこの後翼と消して仲間の所に戻ったらイヴァイルが事実を全て仲間に話しており、ガンダルとルシリアの一般人にドン引きされていた




