第三十二話 泥棒
グレイノア一行はとある街に来ていた。今この街はビッグセールがあっているため人混みがすごく一行は皆進むのに苦労している。
「グレイノア様、次はどこに行くのですか?」
毎度ながら何も考えずにリーダーであるグレイノアに全てを任せているため。今度も旅の途中でプラチナがふと思い出し聞く。こういうのは出発前にみんなで確認するべきだろうに
「それはもちろん勇者の剣、賢者の書つまり次は癒しの杖でありんす」
きなこがすぐさま答える
「いや、エルフの国は遠い。先に行くとこがある」
しかし、グレイノアに否定された
「え、じゃあどこに」
ルシリアもおどいて聞く
「次は巨人の国ですね」
グレイノアは当たり前のように返答した。
「ああ、あの大きさだけが取り柄の種族」
イヴァイルがさらりと侮辱する。本当にそれぐらいの認識なのだろう
「いや、ちゃんと実力もあるだろ」
すかさずイヴァイルの友達の中唯一まともなガンダルが呆れ顔で突っ込む
「たしかあそこには確か神の岩があったな」
イヴァイルは古い知識を掘り起こす
「ああ、確かあの岩は全て神珍鉄でできているとても硬い岩だよな」
カマエルも記憶を掘り返しながら相槌を打つ
「そもそも神珍鉄ってなんですか?」
ここで知らないあまり有名ではない単語が出てきたためルシリアが質問する
「フォフォフォ神珍鉄は文字通り神が作りしこの世でもっとも硬い鉱石です。そして、この世で最も重たい鉱石でもあります」
ここで、ルシリアと何故か恋愛関係のバセデが答える。これが愛の力か
「そんな鉱石があるのになぜドワーフじゃなく巨人族が住んでいるんでありんすか?」
きなこも引っ掛かりを覚えたようだ
「神珍鉄はほんとに固くてドワーフでも発掘できないです。たまに化け物みたいな怪力ドワーフが現れて神珍鉄を熱することでやっと加工することはできるけど何もされていない神珍鉄を削ることはどんなにやっても彼らじゃ無理だったらしいですよ」
これはグレイノアが答える。グレイノアは今前回一度一瞬だけ読み取った情報を特殊な空間で保管しており能力によっていつでも引き出せる様になっているのだ
「山ぐらい大きい神珍鉄の岩もあったよな。その上に巨人たちが神珍鉄の岩の上で勝負しても壊れなかったんだぜ。まっ俺は試しに一発お気に入りの魔法を打ってみたら簡単に粉砕したがな。でもあれだけ硬いと言われていた岩の一瞬崩壊はかなり痛快だったよ」
そう言ってイヴァイルは高笑いした。それにしてもこの四人が仲間の質問に瞬時に解答していく姿はさすがは世界の情報を一瞬だけ全て読んだ人間と年齢一万以上の悪魔や天使どもだ。実力も知力も化け物じみている
「何はともあれそろそろ疲れが溜まってきた人もいるし休憩としましょうか」
グレイノアはそう言って魔法で椅子を作成したら
”ドン”
ルシリアが後ろから誰かにぶつかられる。そしてその人は誤りなにやら急いでいるのかすぐさまその場から離れていった。グレイノアはその人をちょっと目で追ったあと手の甲を下にして指を突き出し手ごと指をひゅいと上にやる。するとなんと言うことでしょうルシリアの財布が中をふわふわと浮きながらこちらにやってくるではないですか。
「あの人、泥棒ですね。ちょいと頭と胴を切り離してきます」
「おい待て」
グレイノアは見た目はいいのにいつだって物騒だ。そしてグレイノアは制止の声も聞かずすぐさま人混みをスルスルと通り泥棒を追うのであった




