第二十七話 神語
異空間の中は真っ白で何も無い空間だった。空間は3つに別れ、それぞれの元と今の職業が対峙している。
「ヒャヒャヒャ、異空間生成魔法とはこれまた高度な。やはり口だけではないようじゃのう」
元賢者とグレイノアの空間では、グレイノアが煽りまくったせいでもあるか殺伐としていた。
「元賢者、俺と手合わせをお願いできるかい?」
グレイノアがまたもや残虐な笑みを浮かべる。
「一応なぜ戦いたいか理由を聞いてもよいか」
「ただの興味」
「ヒャヒャヒャ、なるほど。それならば元賢者の威厳として本気で戦わせてもらおう」
元賢者のほうもかなりやる気のようだ。
「もとからそれを望んでいます」
「ヒャヒャヒャ、後悔するではないぞ」
と言っても大賢者はこの異空間魔法をみて自分が負けるだろうと予想していた。それでも、元賢者は今の賢者がどれほど強いのか興味が勝る。だからグレイノアを煽る。例え絶対に負けるとしても
「それはこっちのセリフですよ」
グレイノアも煽り返す。こうして火蓋が切られた。そして勝負は一瞬で決まった
「■■■■■(人間に発音不可)」
突如として、グレイノアから発せられた謎の言葉とともに大賢者のお腹にぽっかりと穴があく。
「…」
ドサッ、元賢者が倒れる。
「俺の勝ちですね。では、今回復させます」
グレイノアは元賢者の体を修復する。
「ッハ、ハアハアハア…寿命が縮むかと思ったわい、今のはなんじゃ?」
元賢者は、驚きながら起きてそして何が起こった問いかける。まあ、寿命が縮むどころか死にかけていたのだが、
「空間抹消、使用者が指定した範囲を空間ごと抉り取る魔法です。抉り取られた空間には何も残りません」
グレイノアが元賢者の質問に丁寧に説明する。
「あの言葉は?」
魔法の内容がヤバすぎで元賢者は震え上がった。
「神語ですね。それで魔法を発動すると効力が二倍になるので便利なんですよ」
「神語じゃと!!神語は人間の口では発音することができんじゃろう」
元賢者が恐怖を忘れ、食い入るようにグレイノアに聞いた。
「魔力で音を振動させて発音した」
「…ふん、化け物め。もういい、わしの負けじゃ。帰る!」
元賢者はプンプン怒りながらも転移魔法で去った。
「またお会いしましょう」
そして帰っていく元賢者に手を振りながら寂しそうに呟いた。
「…分かっていたけど、弱かったな。さて、他の人達の戦いでもみるか」
………イヴァイルと元勇者の空間
「戦おうとは、お主の賢者も好戦的で困ったもんじゃのう」
元勇者はため息を吐いた。
「好戦的じゃなきゃ俺はあいつとはあってねえよ。それに俺もかなりの好戦的だぜ」
イヴァイルは二って笑う。イヴァイルも元勇者と戦うのが楽しみのようだ。
「やれやれ。今回の勇者パーティーは特段と血の気が多いのう」
元勇者はまた、ため息を吐きたい気分になった。
「類は友を呼ぶってことだ。それじゃあ、教えてくれよ先輩。勇者とはなんなのか!!」
イヴァイルは聖剣ノーデンスを取り出した。剣にはすでに青白い炎を纏っている。
「はあ、お前勇者向いてないと思うぞ」
元勇者も呆れながらも聖剣を抜く。まあ、魔王が勇者に向いているわけなだろうが、
「新しい勇者よ教えてやろう、これぞ聖火だ」
元勇者は剣を構え、剣は青白い炎を纏う。そしてこちらも勝負が始まった。




