第二十二話 怠惰な堕天使
パーティーも終盤になりダンスの時間になった。
「プラチナ、一緒に踊りませんか」
グレイノアがダンスを誘う
「はい、よろこんで」
プラチナもとてもうれしそうだ。二人が踊る姿は、これもまた精霊が戯れているように美しく、たたでさえ倒れている人がいるのに、今度はまた気絶する人まで出始めた。
その上、謁見の間の雅やかな空間が二人の姿によく似合い、もはや王のためでなく、二人のために作られた部屋なのではないかと思わせるほどだった。
「ねえ。バセデさん、私たちも一緒に踊りませんか、二人を見ていると羨ましくて」
驚いたことにルシリアはバセデを誘った。
「フォフォフォ、私で良いのなら」
バセデも満更でもなさそうだ。
「お前らいつの間にそんなに仲良くなっていたんだ」
イヴァイルは驚きを隠しきれず、思わずつぶやいた。そしてバセデとルシリアの踊りも先の二人には劣るも、人々の目を魅了した。
そして終わる頃には全員が気絶していた。そして、この話は勇者達は周りの人を昏睡させる程の美貌の持ち主と後世に語り継がれるのであった。
………
「はあ、だから、料理を運ぶ以外で部屋に入るなって」
堕天使は今日も何もせずゴロゴロしている。そこにメイドが入ってきて掃除をしに来たので、彼はそのメイドを面倒くさそうに注意した。
「申し訳ございません。しかし主様の部屋はきれいにするのがメイドのしごとなので」
そう言ってメイドはなお掃除をしようとする。
「だる。じゃあ、クビね」
反論された堕天使は面倒くさそうにしながらメイドを解雇して、堕天使はメイドを即座にどこかに飛ばそうとした。
「解雇なんて酷いですね。メイドさん頑張っているじゃないですか」
不意に、二人しかいない空間に三人目の声が聞こえ、魔法も妨げられる。
「…誰」
堕天使はうまくいかないことにイライラを募らせながら何も無い空間に声をかけた。すると何もない空間から人が現れた。
「始めまして、グレイノアと申します。此度はーー」
「おい。ここは、天使の家だ。帰れ」
グレイノアの自己紹介を遮り、堕天使が面倒くさそうに命令した。
「何を。ここは、天使の家ではなく堕天使の家でしょう」
グレイノアはクスクス嗤った。
「お前さ、まさか俺に喧嘩を打ってんの」
堕天使のイライラがもっとたまる。
「まさか、私はあなたに勇者の仲間の一人になって貰いに来たのですよ」
ここでグレイノアは自分の目的を話す。なんだか胡散臭い。
「面倒くさいから断る。だいたい人様の家に勝手にはいるやつの仲間になるわけ無いだろう」
そう言って堕天使は寝ようとした。そして同時に彼はグレイノアの方向に魔法を目にも止まらぬ早さで放った。
「まあ、そう言うと思ってました。それにしても、今の貴方を見るととても滑稽で仕方がありませんね」
グレイノアは魔法を防ぎながら仕返しとばかり堕天使を煽った。
「断ったんだから、さっさと帰れよ」
さすがにイラッと来たのか少し強めに睨みつけてきた。
「おっ、怖いですね。ほんと今の姿を見たらセレリア様もなんと思うか」
グレイノアが再び煽る。それを聞いた堕天使は劣化の如く怒り狂った。次の瞬間、堕天使は異空間から二本の剣を取り出し、グレイノアに斬りかかる。グレイノアも堕天使に対抗すべく、両矛を取り出し回転させる。周りに衝撃波を放ちながら火花を散らしながら刃と刃が交わる。
「人間族のお前らには言われたくねえよ!!」
堕天使がグレイノアに武器を叩きつけながら叫ぶ。
「まあ、それはごもっともなんですけど。ですが、あなたは逆にいつまでも引きずりすぎだと思いますよ」
グレイノアはこれを待ち望んでいたとばかり口を吊り上げ言い返す。
「うるせー、お前に何がわかる!!」
堕天使はより激昂しより剣に力がこもる。
「フッ、なんにもわかりませんよ!!」
しかし、グレイノアも武器を持つ力を強め、堕天使を押し飛ばした。
「ぐっ」
力に耐えきれず堕天使を吹き飛ぶ。ついでに、グレイノアが振ったときに放たれた斬撃によって部屋が真っ二つに斬れる。
「おっと」
急いで、グレイノアが魔法で固定する。
「少し力みすぎたようです。ここで戦うと被害が大きくなりますね。別の所に行きましょう」
グレイノアが言うと同時に二人の周りの下に魔法陣が出現する。そして一瞬で二人は姿が消える。
何が起こっていいるのかわからずオロオロしているメイドを一人残して




