第二十話 ルシリアの家
殺された暗殺者のひとりの話し
彼はかなりの凄腕の殺し屋であった。殺した人間は数知らず。失敗した時の瞬時の撤退も徹底している。
「ヘヘっ、ありゃかなり高い身分だな。殺した後は死体から金品剥がすか。どれどれリーダーぽそうのは、お、あいつか」
暗殺者はゆっくりと矢の標準をイヴァイルに向けた。しかし、突然燃えだす。
「は?」
暗殺者は何が起こったのかわからず。一瞬唖然とする。そして暗殺者は長年の勘でこれがかなりヤバいことに気づき撤退を選択しようとした。だが、もうすでに遅かった。いや、元からこの依頼を受けた彼には生存の道など存在していなかっただろう。何はともあれ暗殺者は体が痺れ動けなくなる。
(クソッ、どういうことだなぜ動けねえ)
そして彼はイヴァイルと目が合う。イヴァイルの目はしっかりと自分を射抜いていた。その時彼は自分の死を悟った。
(ハハ、化け物め。どうやら俺はとんでもない依頼を受けてしまったようだ。今回は少し、欲を掻き過ぎたな)
そしてそのまま彼は何故か誰もいないのに首を切断され、死ぬのであった。
⋯⋯⋯グレイノア達は
「みんな眠りましたね」
いつも通り、グレイノアがトランプを出してイヴァイルに勝負を持ちかける。
「なあ、何で今回は首を切ったんだ?しかも、空間魔法で遠距離から。別にあのまま、感電死させときゃよかったのに」
イヴァイルがトランプの最中昼間のことを聞いてきた。
「ああ、昼間の暗殺者ですか。別に特に理由もありませんよ。強いて言うなら気分でしょうか?」
グレイノアはイヴァイルの質問に答えながら自分の手札を見せる。ストレート
「なるほど」
イヴァイルは相槌を打つと同時に自分の手札を見せる。フルハウス、一回目はイヴァイルの勝ちのようだ。
「てか、いつも迷うのですよ。どれで殺すか。思いつく殺し方がいっぱいありすぎて困ってしますよね。イヴァイルも経験ありません?」
グレイノアは会話の続きをしながらシャッフルした。
「そういう経験しかない。やっぱ最後の命を奪う瞬間は一番拘りたいよな。あ!!なあ、一緒にこれからの殺害方法一緒に考えないか?」
イヴァイルは引き知りに頷いたあと、突然いいこと思いついたと手をたたき、グレイノアに提案する。
「いいですね。まずは感電死と焼死と首切りの三択から行きましょう」
グレイノアはニヤリと口角をあげ嬉しそうに賛同する。
グレイノアのターン スリーカード
イヴァイルのターン ワンペア
今回はグレイノアの勝ち
「「二ィ」」
そして今夜はいつも以上に盛り上がったそうな。ちなみにイヴァイルが勝ちました。
聖都についていた。聖都は今まで巡った街や村とは違いしっかりと道が整備されており、人が多く皆忙しそうであった。
「よし着いたな」
イヴァイルが嬉しそうに言った。いくら疲れないとは言えずっと歩き続けたら旅に飽きたりもする。イヴァイルはグレイノアと雑談しながら歩いていたが正直暇で暇で仕方がなかった。
「意外と早くつきましたね。それにしてもイヴァイルはやけにやる気が高いですね」
そういうグレイノアもどことなく聖都を楽しみにしているようだ。
「まあな、俺が勇者になった発表会だろ。しっかりやらねえといけないからな」
イヴァイルの顔には緊張はないようだ。羨ましい限りだ。
「ええ、このために数週間で貴族の礼儀をイヴァイルに徹底的に叩き込みましたからね。準備は整っています。さあ、行きますよ」
そう言ってグレイノアは聖都の入口へ向かう。
「それにしてもなんで途中から衛兵が来なくなったんだ」
イヴァイルがふと思い出した。そう、イヴァイルとグレイノアは前回の話で奴隷商を大量虐殺をして指名手配犯になっている。そのため、しばらく衛兵に追われていたのだが(毎度グレイノアが気絶させていた)、急にパッタリといなくなっていた。
「諦めたんですよ。でも変わりに暗殺者をよこして来ましたけどね。まあ闇社会ごと消してやりましたけど」
グレイノアによると闇社会の人間は一部何人かを除いて全員雑魚だったそうだ。まあその除かれた何人かも瞬殺されていたが、
「前から思っていたんだけど、私たち好き勝手しすぎじゃない。まあやっているとことはそこまで悪いことじゃないからいいけど」
ルシリアは自分の仲間がやっていることに呆れる。
「フォフォフォ。もとからですよ」
バセデが何を今更と一笑した。
「これでも控えてる方だぜ」
そしてなぜかイヴァイルが偉そうに言った。
……ルシリアの家に着いた。ルシリアの家はまさに広々とした豪邸だった。さすが聖女、貴族並みの部屋に住んでいる。
「聖女様、お帰りなさいませ。聖女様、獣人の国はどうでしたか?予言通り新しい勇者は見つかりましたか」
ルシリアの執事が門で迎えて来た。
「見つかリましたわ。このイヴァイルさんが新たなる勇者です」
そうしてルシリアは自分の仲間を執事に紹介した。
「そうですかあなたが。支給、部屋を手配をさせていただきますね。ミーナ!」
ルシリアの執事が大声で呼んだ。
「はい、何でしょうか」
一人のメイドが大慌てでやって来た。どうやらルシリアはそのメイドと面識が無いようでどうやら新人のようだ
「あなたが屋敷の案内をしなさい」
「わかりましゅた」
ここは定番というべきか案の定そのメイドは舌を噛んだ。
「そっそれでは案内を仰せつかまりました、メイドのミーナと申します。不慣れな点もあるかと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。………あの、お荷物はこちらでお預かりいたしますね」
そして言われるがままメイドに従い、グレイノア達は案内される。メイドは重厚なオーク材の扉を開ける、開けた先には天井の高い大広間が出迎える。そこから右手へ進み扉の前でメイドが止まった。
「お客様、こちらが応接室でございます。どうぞ、お掛けになって旅の疲れを癒しください。……旦那様、すぐにお茶の支度をしてまいりますね」
説明は噛まなかった。むしろゆっくりとハキハキと言えている。
(でも少しおどおどしている。新米のようだが大丈夫だろうか?それに庭からあきらかに土ではない別の物質…人間の皮膚らしき物質が感じ取れる)
グレイノアはこころの中で思案した。そんなことはつゆ知らずメイドがお茶を注ぎ終わり解説の続きをやる。
「正面に飾られております肖像画は歴代聖女たちでございます…一番左にあるのが世界で初めての聖女となり名前は……え〜と」
メイドはこの人物についてはすっかり忘れたようで首を捻った。
「聖女ジャンヌですね。確か戦場では魔人すらも労って傷を治していたと、誰にも差別しない神様みたいに慈悲深いお方で有名でしたよね。最後は自分が回復させた人間に刺し殺されたとか」
なのでグレイノアが変わりに答えてあげる。
「かっ解説もされてしまった。………この絵にお詳しいんですか」
メイドががっかりとして肩を下げた。そして虚ろの状態で首をあげ質問する。
「俺は芸術作品全般に詳しいですよ。あと案内もう大丈夫です」
実はグレイノアは能力の副産物によってグレイノアは過去にあったことを全部知っているのである。
「えっ、何でですか?」
突然案内を断られたメイドはなにか過ちを犯したのではないかと動揺する。
「もうこの家についてすべて把握しましたから。あと殺人犯は牢獄行きって相場が決まっているので」
グレイノアが急に今までにないほどのにこやかな笑顔を作って言った。
「さっ殺人犯?なんのことでしょう」
ミーナは首をかしげた。しかし、顔はどことなく青ざめていた。
「とぼけなくていいですよ。ここに来てからずっと気になっていたんです。花瓶とかが埋まっているならともかく何故か人の皮膚と骨が地面に埋まっていたこと。あなたですよね死体の過去を調べたら容易にわかりましたよ」
そしてグレイノアは薄い笑みを浮かべる。
「ひぇっ、なっなんで」
そう言ってミーナは恐怖で顔を歪めながら逃げた。
「………ルシリア、あの人は裏で何人も人を殺している殺人鬼です。おっちょこちょいな性格も演技です。
そうして優しい貴族に同情を買い、全員を殺したら別の所にまた別の貴族に行き惨殺を繰り返しています。あの人は自分の親しい人が死ぬ前に解雇したほうがいいですよ」
グレイノアはルシリアに促した。
「…そうしますわ」
ルシリアは自分の部下に犯罪者がいるとしって少し悲しそうに言った。まあ、ルシリアの仲間も今前回大暴れした指名手配犯だが。ちなみに隣にいるのは人殺しが趣味の悪魔だ。それにグレイノアも獣人の国に行くまでに殺人を犯している。なのでこいつが一番殺人犯は牢獄行きなんて言えない人なのだが?
「なあ、グレイノア酒飲みに行っていいか。人間の酒は以外とうまいんだよ」
今まで面倒くさそうにメイドの話を聞いていたイヴァイルはメイドがいなくなった途端にこれを見よがしに言い出す。
「いいですよ。イヴァイルは酒が一番美味しくなるのを待たずに飲みますからね」
少し空気を読めていない発言に苦笑しながらも許可を出し、グレイノアはイヴァイルを少し、茶化した。
「よっしゃ!じゃあ行ってくる」
しかしイヴァイルはグレイノアのからかいをスルーして一目散に酒を飲みに行く。
「でも発表は明日なのでハメを外しすぎないようにしてくださいね」
嬉しそうに走って行くイヴァイルを見て天然のルシリアは真面目に注意する。まあ、悪魔は酔わないのでハメを外しても問題はずなのだが、




