第十一話 魔人の敵襲
「急報!全方位から魔人族による敵襲。その数およそ二万」
「何だと!!総員直ちに全方位配置につけ、よいか相手は魔人だ。もたもたしていると国が乗っ取られるぞ」
「なあ、前々から思ったがきなこのお父さん偉いんだな」
イヴァイルが今までとはうって変わって威厳のある姿を見て思わず呟いた。
「偉いというか一応彼はこの国の王ですよ。獣王って呼ばれています」
そのつぶやきをルシリアが小声で訂正した。
「あー、道理で彼の無茶な要望に聞くわけだ」
ルシリアの言葉にイヴァイルは納得した。そんな会話も裏でありながら、その当事者である獣王は今の戦場を見て苦しげ嘆いた。
「…くそ今の我々に魔人二万をも守る勢力は存在しない全くどうすれば」
するとここでグレイノアがにこやかな笑顔を作りながら獣王の前に立ち言い放つ。
「それなら、いい案がありますよ。あなた達は南だけを守り他三方向は俺達に任せてください、一人残らず殲滅してさせあげましょう」
「なっそれは無謀です。確かにあなた達は私の僅かな気配にも気付く強者しかし、敵は二万それに一人ひとりが人間百人分の強さを持つあの魔人ですよ」
グレイノアの急な提案はとてもバカげた内容で、思わずきなこが叫んだ。それを聞いたイヴァイルはきなこの言葉を鼻で笑い
「はっ、それがどうした。人間にとっては脅威だろうが魔人なんざ雑魚だ。たかが二万葬ってやんよ!」
イヴァイルに自信満々と問題ないと言い放った。
「まあ、一応俺達が相手するのは一方向だけだから相手五千ぐらいしかいないけどね」
軽く内容を訂正したグレイノアも魔人と戦うのに不安の様子が少しも見られない。その様子を見て獣王は、なにかあるのではと思い。グレイノア一行の中で一番信用がある者に聞いた。
「ほう、なかなかの意気込みだな。なら彼らを連れてきたルシリアよ彼らはこう言っているができると思うか?」
「…わかりません。しかし彼らは力は未知数です。つい最近彼らが幽霊の大群を殲滅しました。できると思います」
少し悩んだあとルシリアは仲間を肯定した。国王はその言葉を聞き覚悟を決めた。
「そうか。ふむ、一か八か掛けだが、いいだろう我が国を任せたぞ」
国王の言葉を聞いてグレイノアはニヤリと嗤い言った。
「言われるまでもありませよ」
「……いや、その顔で言われると余計不安なのだが」
その邪悪な笑顔に獣王は思わず突っ込んだ。
「別にあなたを本気で安心させるようとは思っていませんので」
しかし彼は顔色一つ変えずより笑顔の深みを増して言った。
「…そうか」
獣王は「本当に大丈夫なのか」と思わずこめかみを抑えそうになった。
「さて茶番はこのぐらいにして、俺はプラチナを連れて北を担当しますのでイヴァイルは東、バセデは西をお願いします。あとイヴァイルにはルシリアを同伴させてください。二人には別任務がありますので」
いつものにこやかな笑顔に戻ったグレイノアがみんなの方を向いて説明した。
「いいぜ、リーダーやっぱお前といると退屈しねえな」
イヴァイルが上機嫌で言った。
「フォフォフォ、もちろん何人か自分のおもちゃにしていいのですよね」
バセデ方はグレイノアと同じぐらい不吉な笑顔で質問した。
「ああ、それじゃあ蹂躙といきますか」
そして五人は一瞬で現れた魔法陣と共に姿を消した。
「お父様いまのは!?」
一瞬のことにきなこが勢いよく獣王のほうに顔を向け質問した。
「…転移魔法か高度な魔法を使いよる」
獣王は質問したきなこにも聞こえないくらい小さな声で答えたあと、彼は深く行きを吸い込み、
「皆のもの、喜べ、今日聖女が連れてきた人達が魔人二万うち一万五千を倒してくれるそうだ。だがしかし、苦渋の決断とはいえこれは客に自分たちの問題!!客人に問題を解決させるのは本来あってはならないこと!今回ことを胸にうちに留め、そして五千を担当してくれる英雄達に感謝し、絶対に南からの進行を
阻止し、勝利を収めようではないか!!」
「おお!!」
これが後に幾度と行われる善魔世界対戦の第一回戦目であった。




