表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
コーンフリーク  作者: 角野
PR
37/40

「堕胎」した「ガラス」その①

霞と謎の少女との生活が始まった。初日は軽い会話をしてしばらくは放置。干渉しすぎてもよくないと思い必要最低限の触れ合いしかしない。食事は夕食から少し白米を多く取りタッパーに詰め、おかずなどは24時間営業している生協で買った。風呂は学生寮付近のシャワー室にて済ませた。「…美味しい?」「うん…美味しい」「お腹すいたら言ってね。買ってくるから」「わかった…」少女はご飯を食べるとすぐに寝てしまった。霞は少女の寝顔を見て部屋の電気を消しスタンドライトの灯りをつけて勉強をした。2日目。授業があるので学生寮に少女を残し学園へと向かった。今日も今日とて訳の分からない授業を受けて疲れてお昼ご飯を食べてライアとアテネと話す。「それでどうなの?あの子とは?」「大変ですよ…バレないようにしなきゃいけないし…ライアのせいでこうなってるんだからね」「ごめんて…」「何が『せっかく校舎に誰もいないから噂を確かめよ~!』なんだか…そのせいで変な気を遣う生活してるんだよ」「そうですよライア…謝りなさい」「それは…まじでごめんて」「まぁいいけど…」俯きながら鯖を箸で切り口に運ぶ。味のしない塩焼きに味を探す努力をして時間を消化させる。放課後ライアに呼び止められた。「なぁ…その…あたしも何か手伝うからさ」「例えば?」「飯代出すよ…」「いいよそんなことしなくて」「じゃあ…何かするから」「…今日の昼はごめん…怒りすぎた」「いや…全部あたしが悪いんだよ…なぁ今日部屋行っていい?」「いいよ」そうして学生寮の部屋に入れると少女は本を読んでいた。「よかった…お昼食べたんだ」「うん」「随分おとなしくなったんだな」「まぁね」「そうだ霞…金」「いやいいよぉ」「いいや!こうなったのはあたしの責任だから取らせてくれ。まぁ3万だけどな…」「ほんとにいいの?」「あぁ」ライアは霞に三万円を渡すと部屋から出て行ってしまった。「はぁ…なんだかなぁ」「おねえちゃんご飯何時?」「ん~?19時とかかな」「わかった」少女は自分の邪魔はしないものの自分の将来のことを考えると邪魔なのは否めない。「ねぇ君の名前は?」「えーっと…なんだっけ…たしか…あり…みたいな」「アリ?」「うん…アリ…なんとかみたいな感じだった」「じゃあアリスでいい?」「アリス…うんいいよ」というわけで今日から「アリス」と呼ぶことにした。しかしながらこの子を卒業までずっと保護していくことは現実的に不可能でありいつかはバレる。しかも学園長はこのことに必ず気が付いている。いつか命を奪われる。というよりこの子の「能力」も危険そのもの。益々気が滅入る。「おねえちゃん…だいじょうぶ?」「うん…大丈夫………お菓子でも食べようか」その日も周囲の目を気にして白米を多く取る。食堂の人に「鍛えてるの?それとも失恋?」と聞かれたので「失恋」と答えた。おかずは昨日とは違うカレー。それをアリスに食べさせる。こんな生活を2週間続けていくと次第にアリスの存在が心の拠り所になり始める。最近では学校生活での愚痴を言ったり何か他愛もない話をしたり確実に仲が深まっていた。ある日の深夜アリスは突然泣き出してしまった。「ねぇおねえちゃん…私はどうなるの?」「どうなる?」「私って変な力があるし」「大丈夫だよ。私だってあるし」最近アリスはネガティブな発言が目立つようになってきた。どれもこれも漠然とした悩みなのだが、霞にとってその悩みは痛いほどわかる。「おねえちゃん…私おねえちゃんのこと信じてる」「ありがとう」「私に何かあったらおねえちゃん守ってくれる?」「…うん絶対守る」毛布の中で指切りげんまんをしアリスを抱きしめるとそのまま眠りについた。翌日、食堂でライアと話す「最近どーよ?」「う~ん普通かな」「あのアリスって子の能力は?見せたことあるの?」「あれ以降はない」「それならいいけどまたあんな肉団子になりやがったら次こそ殺さなきゃいけねぇ…」「………そうだね」すると突然肩を叩かれる。「こんにちは霞さん…」「………学園長!」「あなた…あのカプセル内にいた子供のこと知ってるわよね」「何言ってんだよがくえんちょーさん!そんなの知らねーよ」「噓おっしゃい…あなたの学生寮にいる少女は誰?」「まさか…!アリスをどうするつもりですか!」すると奥から走ってくる人物がいた「そこまでだ!」それは中目だった。「あら中目さん…どうしてここに?」「あんたが23クラブというものに所属しているのはわかっている。こっちはもう証拠も持っている」「………ではあのアリスと名付けたうさぎちゃんを殺しましょうかね」「やめて!」中目は懐から銃を抜くと多くの生徒が食事をしている場所で構えた。当然悲鳴が起こり周囲からは生徒がいなくなった。「監禁罪及び拉致誘拐、そして不当な人体実験を行った罪でお前を逮捕する…!」「あら…やれるもんならやってみなさい」すると学園長の身体は身震いを起こすと突然腕が阿修羅のように6本に増えた。「さぁ………倒してみなさい」中目は煙を出すと床一面に揺蕩わせる。そして煙の棘を地面から発生させるが腕でがっしり掴まれるが煙を消すと足を拘束する。「無駄な抵抗はするな」「ふふふ…じゃあこれはどう?」学園長の6本の腕は12本に増える。そしてナイフを12本の腕をフルに使って投げつける。「あぶない!」霞は時間を停めて中目を突き飛ばし回避させる。しかし霞はよけきれず複数のナイフが足に刺さってしまった。ライアが音波を放ち学園長を吹き飛ばす。「くそっ…君は後ろにいてな」「すみません…私がやらなきゃいけないのに」「君がやる必要はない…ここからは自分にまかせて逃げなさい」「嫌なの…あの子は私を信じてる!だから私がここで引くとあの子の信頼を裏切ることになる!」「…ならやってもいいが無理はするなよ」学園長は腕をしまうと指を鳴らす。するとライアのギターが浮き上がりライアごと窓の外に投げ捨てられる。「神代さん!お前!自分の生徒だろ!」間髪入れずテーブルに置かれていたナイフとフォークをこちらに飛ばす。中目は座り込んでいる霞を庇い背中で受る。「ぐっ…はぁ痛てぇ」「あら意外とタフねぇだけどあなたは私を捕まえられない」「絶対にやってやる」中目は銃を撃つが弾が学園長の目の前で止まり落ちた。「複数能力持ちなのはわかっていたが対策をどうするかだな」「あの子を返せば私もこれ以上しないわ」「腕の増殖と磁力操作…か」霞は学園長を睨み必死に訴える。「あの子だって自由に生きる権利はある!」「えぇありますとも…しかしまだあの子には早い」「あぁやって抑えつけたような環境じゃ育たない!」「あの子…いえ私の娘はこの世の汚い空気に晒されるべきじゃないのよ」「はぁ…あの子はあんたの娘じゃない。娘のDNAから作ったクローンもどきの人工物だろうが」「そんな………!」「いいえ………あの子は私の娘よ!」「あんたが娘と言っているあの子のサンプルは赤の他人の子供だ!あんたの子供はとうの昔に死んでいただろ」「違う違う違う違う!!!」学園長は頭を搔きむしり錯乱すると、腕を8本にし厨房にある包丁を8本引き寄せると途轍もない殺気を放ちこちらへと襲い掛かる。先ほどのでたらめな投擲攻撃よりも確実な攻撃になる。床の煙も分散している。座り込む2人に学園長の包丁が振り下ろされる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ