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コーンフリーク  作者: 角野
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「混在」する「カオス」その①

ある日、暁国安全保障防衛部隊第7戦隊「能力者対策課・輪廻」宛てに一本の通報が入る。それは聖フィーリス女子学園からだった。通報内容は居住区域内に見知らぬ集団が出入りしており、その集団が何か怪しいことをしているというものだった。普通なら警察に繋げるがとある言葉によりこの通報の調査を輪廻で行う事となった。それは「その集団が様々な色の炎を手から出していた」という。このことを受けて輪廻はこの通報を「集団能力者事案」として聖フィーリス女子学園での捜査を開始した。中目封戸を筆頭に7人の精鋭部隊で聖フィーリス女子学園内の居住区域へ向かった。それぞれ別行動で捜査し中目は学園付近での捜査を行うことした。聖フィーリス女子学園には何度か来たことはあったが少し来ないうちにまた一段と発展した光景に驚き若干の眩暈を覚えた。今中目がいる学園付近は東京駅付近のビル群や秋葉原の電気街を混ぜ合わせたような場所になっており、比較的富裕層エリアになっているため繫華街エリアのような盛り上がりはない。まず捜査前にその通報者と会うため聖フィーリス女子学園へと入っていった。郊外にある超巨大ショッピングモールくらいの広さを誇る学園内を歩き応接室へ着き10分程中で待っていると、ドアがノックされ制服を着ていないギターケースを背負った小柄な少女が入ってきた。その少女はギターケースをソファに投げると自分の目の前へとふてぶてしく座った。「あぁ……えーっと君が通報者の…?」少女はめんどくさそうにこちらを見ると少し姿勢を正して話し始めた。「そーっすよ。まっ正確にはあたしの兄妹達っすね」「ご兄妹?じゃあ代わりに通報したってことでいいかな?」「そうっすね…噓くさいっすよね」「いやいやそんなことないよ。映像付きのメールまで送ってくれてありがとうね」「そんで話をしますとねぇ~うちの兄妹達…バカだから夜中こっそりコンビニ行ってお菓子買おうと外に出たんすよ…そしたら遠くから変なフード被った奴らが手から火出しながら歩いてたらしいんすよ」「大体何時頃かわかるかな?」「えーっと確か11時とか言ってましたね~」「それでその後に通報してくれた感じなんだね」「そうっすね。あまりにも必死な感じで映像見せてきたんで通報しました」「その集団を他の日にも見たことある?」「いや~ないっすね~うちの学校のサークルにもこんな奴ら見たことないんでわかんないっす」「そうか。じゃあその子達にも話を聞くことってできるかな?」「できますよ~なんなら今から聞きますか?ちょうど帰ってきてるだろうし」「君がいいならいいけど…」その後その少女の家へ向かい中へ入ると兄妹であろう4人が小さいテレビでゲームをしていた。「お前ら~この前の映像のこと聞きたい人がいるからいったんゲームやめろ~」4人の子供達は渋々ゲームを一時停止し中目を別の部屋へと案内した。やや大きめのちゃぶ台を囲うようにして座ると中目は通報の経緯と映像にあった謎の集団について聞き細かい聴取に移る。「その集団は何人くらいいたかな?映像見た感じだと4人くらいにみえるけど」「えーっとね!確か5人だった!」「ちげーよ4人だよ!」「5人!」「4人だったじゃん!」「えーっと4人から5人ってことにしよう!次に能力ってのは炎だけだった?」「うん!何か色んな色の炎出してたんだぜ!」「そう!なんか手から炎出してた!」「ね!めちゃくちゃ明るかった!」「すごかったよ!」中目は一人一人の発言を丁寧に記録する。実際にこういう子供の戯言とも思える発言が後々重要な手掛かりだったという例年も少なくない。「お前ら一気に話すな!一人ずつ話せよ!」「だってねーちゃん!怖かったんだぜ!ポテチ落としたし!」「あんな遅い時間にお前らだけで出かけるからだろ!自業自得だ!」「まぁまぁ落ち着いて!それでコンビニには行けて買ってこれたんだね?」「うん!ポテチと色んなお菓子買った!」「でも凄い怖かった!」「まぁそうだよねぇ…何より無事でよかった。次からは早い時間に買いに行こうね」「はーい!」こうして色々な話を聞き時間はすっかり19時になってしまっていた。ご両親も帰宅され事の経緯を説明し周囲の警備を強化することを話した。「そうだ中目さん!お夕食食べて行きませんか?この辺り大して飲食店とかないですし!」「いえいえ!お気になさらず!」「そうだぞ母さん!中目さんは忙しいんだから!」「でもこの辺り全然よ?」「ホントに大丈夫ですよお母さま!」「あらそうですか?じゃあ今度お時間あった時に是非~!」「はい…!ではこれで」こうして一日目の調査は終了した。ある程度の背景がわかったことで捜査にも正確性が増す。明日は目撃された場所の捜査をする。とりあえず今日はホテルでカップ焼きそばを食べそのまま眠りについた。

翌日

目撃されたエリアへ向かい周辺地域に聞き込みを行う。しかしなかなかそのような集団を見たという証言が取れず苦戦していると、ある家族がその集団らしき人物を目撃していた。情報も一致していたためその集団だと確定し更に詳しい情報をもらった。どうやらその集団は2年くらい前にも目撃されており、その時は聖フィーリス女子学園の変なサークルだと思われ通報されていなかった。何の被害もなく特に誰にも迷惑がかかっていないため聖フィーリス女子学園への通報もしなかったという。また一つ謎が深まったがその貴重な情報を基に更なる捜査を行った。次に聖フィーリス女子学園へと向かい全公認サークルと非公認サークルの情報をもらった。「それで~うちの生徒ってわけじゃないですよねぇ?」案内してくれた教員が中目の顔を覗き込みながら恐る恐る質問をする。「今のところそうと信じたいです。まぁ恐らく貴校

の生徒さんではないと思いますが一応念のためにです」中目はタブレットをスクロールし300にもなるサークル一覧を見る。しかしそのようなサークルは見つからなかった。「一応我々でも生徒に情報を伝えてさせて大丈夫でしょうか?」「いえ…まだこの事は内密にお願い致します」「承知致しました!」捜査を終えて学園内を歩いていると通報者の少女と偶然にも出会った。「あれ中目さんじゃん。どったの?」少女の隣には背の高い「The清楚な優等生」みたいな少女がいた。「この方とお知り合いですか?」「ん~?まぁ色々ね~」「そうなんですね…そうだ私、聖フィーリス女子学園生徒会生徒会長を務めさせて頂いております金糸雀ケ原・アテネ・イリアと申します」「あぁご丁寧にどうも…自分は暁国安全保障防衛部隊第7戦隊「能力者対策課・輪廻」隊長を務めています中目封戸といいます」「あぁ!安保隊の方なんですね!」我々暁国安全保障防衛部隊は名前が長すぎるので世間では「安保隊」と略されて呼ばれている。正直自分も長いと思う。「ライア?なぜこんなトップ中のトップの方と面識があるんですか?もしかして何かとんでもないことでもしでかしたんですか!」「いえいえ!実はとある捜査で少し…」「そーそーうちのガキ共がねぇ~」その様子を見たアテネは屋上天空庭園へと場所を移し話を聞いた。「わざわざありがとうね。それで今のところ秘密裏に捜査してる形にはなっているんだけどね、今この学園の居住区域内で不審な能力者と思われる集団の目撃情報があってね…えーっと君の名前聞いてなかったね」「神代ライアです。まぁなんでもいいっすよ」「それで神代さんのご兄妹さんの目撃情報と神代さんの通報を基に捜査をしてるんだ」「そうだったんですね。それでその集団はこの学園の生徒なんでしょうか?」「いやまだ決まった訳じゃないんだけどね」「そうですよね…それでその能力者達は何か被害を?」「まだ出してないんだけどいつ出してもおかしくないからね」アテネさんにも集団のことを共有し注意してもらうこととした。2人は手をつなぎ庭園をあとにする。最近能力者の集団化や組織化が横行している。それらが単なるサークルや仲良しグループの域に収まればいいものの、テロ組織や過激な思想グループとなると厄介なこととなる。更に厄介なのはこれらのグループが対立し衝突した時だ。非能力者の抗争とは訳が違う。能力者同士の抗争は「小規模な戦争」である。未然に防ぐためにもこういう小さなきっかけを解明しなければならない。今日の捜査を終えると仲間達からの情報が次々と入る。皆自分と同じような情報でどれもこれもが抽象的。しかしこれらをつなぎ合わせると大きな真相に辿り着くことがある。情報を整理していくと奇妙な共通点があった。それはこれらの集団が現れた日が「上越あんなちゃん拉致誘拐事件」の発生日と発生時刻と一致しているのだ。そしてこの「上越あんなちゃん拉致誘拐事件」は自分が担当した事件でもあった。

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