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勇者の召喚と魔王討伐の時代は終わった。CEOの俺が女神から課された試練は異世界創業だった ~だけど世界の全ては“魔王”に繋がっていた~  作者: スアップ
1章

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第6話 Angelの条件と徹夜のビルド

テラス席に沈黙が落ちた。

夜風がキャンドルの火を揺らす。

御堂はしばらく無言のまま、冷め切ったハーブティーを口に運んだ。


その後:


【御堂】

「……面白い。リスクジャンキーの顔になったな、第783期生」


御堂は懐から、創真たちがギルドで受け取ったものより遥かに禍々しい、漆黒の魔導水晶プレートを取り出し,

ドン、とテーブルに置いた。


【御堂】

「ネクサスフラット(NexusFlat)。君たちのピッチは、投資家としての私の『NO』を『MAYBEもしかしたら』に変えた。だが、エンジェルはボランティアじゃない。実数(数字)を見せろ」


【創真(CEO)】

「条件は?」


【御堂】

「明日の朝までに、そのシステム(MVP)のプロトタイプを組め。そして明日中に、商業ギルドの鼻を明かして『実際の配送実績を30件』作ってみせろ。もし1件でも遅延するか、商業ギルドに差し押さえられたら、その時点でこの話は無しだ」


御堂が立ち上がり、ローブを翻す。


【御堂】

「明日、最初の30件のトラクションを持って、もう一度ここへ来い。数字が本物なら――私の『Angel Round』の財布を開いてやる」


男はそう言い残すと、夕闇の路地裏へと消えていった。


残されたのは、俺たち3人と、ノートPCの青白い光。

視界の端のカウントダウンは、無情にも【残り13日 22:15:43】を刻んでいる。


【レイ(CTO)】

「(眼鏡をクイと上げ、キーボードに指を構えて)……創真。バックエンドの魔導コード、朝までに書き換える。……徹夜、確定」


【氷華(CFO)】

「下層のスカウト(配達員)のギルドに乗り込んで、最初の50人を札束で口説き落としてくるわ。創真,

オペレーションの設計は任せたわよ」


【創真(CEO)】

「(拳を固く握りしめ、不敵に笑う)――ああ! 最高のデッドライン(締め切り)だ。一晩でこの街の物流の歴史を書き換えるぞ。ネクサスフラット、開発ビルド開始だ!」


異世界の路地裏のカフェで、俺たちの最初の「プロダクト」が産声を上げようとしていた。



街の片隅にある、ひなびた安宿の一室。

ロウソクの炎が壁に3人の影を大きく揺らす中、そこは完全に「スタートアップのガレージ」と化していた。


カタカタカタカタ、ターン!


レイのタイピング音が、狭い部屋に凄まじい速度で響き渡る。

女神のアップグレードによって、レイのノートPCは異世界の「魔力波長」を完全に知覚していた。画面には、複雑な魔導回路のバイナリデータが滝のように流れ落ちていく。


【レイ(CTO)】

「(ブツブツと呟きながら)……街に満ちている環境魔力をキャリア(搬送波)にして、パケット通信のプロトコルを構築。……配達員の現在地は、彼らが持つ『登録水晶』の固有魔力パルスでトラッキングする。……クソ、フロントエンドのUI(操作画面)の描画が、魔導水晶の応答速度に追いつかない……!」


【創真(CEO)】

「レイ、UIは綺麗じゃなくていい! ボタンは『受託』と『完了』の2つだけでいい。今はデザインを磨く時間じゃない、機能コアが動くかどうかだ! 削れる仕様は全部削れ!」


【レイ(CTO)】

「(キーを叩く速度をさらに上げながら)……了解。コア機能(配送マッチング)だけに絞る……。無駄なエフェクトは全カット……!」


その時、バタンと激しくドアが開き、夜風と共に氷華が飛び込んできた。

そのスーツの裾は泥で汚れ、息は荒い。だが、その目は勝利を確信した肉食獣のそれだった。


【氷華(CFO)】

「(乱れた髪をかき上げながら)……ハァ、ハァ……! 創真、やってやったわ。下層の『猫目ギルド』の長を直談判で落としてきたわ。前払いで5万ゴールド、残りの10万は明日の実績連動ボーナス。これで、身体能力最上位の猫人族のスカウト50人が、明日の朝から私たちのシステムにスタンバイするわ!」


【創真(CEO)】

「さすがだな氷華! これでアセット(人員)とロジは揃った。あとはシステムだ。レイ、進捗はどうだ!?」


【レイ(CTO)】

「(画面に映る赤いエラーログが、一瞬で青い『SUCCESS』に変わるのを見届けて、不敵にニヤリと笑う)――システム、デプロイ完了。プロトタイプ・コードネーム『バステト』……今、起動ローンチした」


ノートPCの画面に、この街の簡易マップと、氷華が確保した50人の配達員を示す「青い光のドット」が、リアルタイムで正確に点灯し始めた。


窓の外を見ると、空が白み始めている。

生存デッドラインまで、残り13日。

俺たちの命を賭けた、異世界初のオンデマンド配送プラットフォームが、ついに稼働する。


(第6話・了)


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【ネクサスフラット(NexusFlat)】

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・ステータス:

MVP開発完了

プロトタイプ「バステト」稼働


・Company Rank:F

・バッチ:第783期生


・手元資金:149,700 Gold

(猫目ギルド前払い:-50,000)

(黒コーヒー×3:-300)


・登録配達員:

50名(猫人族スカウト)


・トラクション:

0 / 30件


━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【Angel Pipeline】

━━━━━━━━━━━━━━━━━━

御堂(元・第42期生)


興味度:

██████░░ 62%


状態:

【条件付き審査中】


条件:

明日中に配送30件達成

━━━━━━━━━━━━━━━━━━


⚠ 生存デッドライン

残り14日

━━━━━━━━━━━━━━━━━━


NEXT MISSION:

配送実績30件を達成しろ

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