Гость:客
【ソ連 シベリア クラスノヤルスク工科大学 地下研究所】
「おはようエリザベータ!」
「おはようニーナ、良い朝だな」
「そうね、あなたが元気そうで何よりだわ!」
「昨日は本当にすまなかったな、心配をかけた」
「良いのよ、無事だったから!」
「ありがとう、」
「それより…ラスプーチン博士はまだ自分の研究に没頭しているのかしら…」
「ああ、教授は…もうここ数週間は寝ないで研究しているな、」
「よく生きているわね、」
「科学者なんてそんなもんさ、」
エリザベータとニーナが話していると突然、研究室の電話が鳴った、
〔ジリリリリリリ、ジリリリリリリ〕
「電話だ、」
「ラスプーチン博士には聞こえてないようだし、あなたは病み上がり…ここは私が出わ、」
「すまないニーナ」
そう言ってニーナが受話器を取った
〔ガチャっ〕
「はい、クラスノヤルスク工科大学地下研究所です、」
『こちらクラスノヤルスク工科大学事務室です、そちらの研究室にお客様がいらしています、至急、正門まで、』
「了解しました、」
〔ガチャン〕
「なんだった?」
「お客様だって、」
「お客…そうか、」
「私、正門にお客様をお迎えに行ってくるわね、」
「…私も行こう、ニーナだけでは心配だ」
「え、じゃ、エリザベータ、気をつけて行ってきてちょうだいね」
「えっ、いや、ニーナも…来て、」
「え、あ、二人で行くの?」
「…ダメかな…?」
「うーん、いや、良いわよ、」
ーーーーー
二人で正門に行ってみると、大学の敷地の外に1台の黒い大きめの車が停まっていた、
近づいて見るといきなりドアが開き、中から制服を着た数人の男達が出てきた、
そしてその男達はドアの前に道を作るように2列に並んだ、
ソビエト赤軍であるニーナには、その制服に見覚えがあった、
「(はっ…あれは、КГБ)」
ーー
《КГБ(KGB)とは》
1954年からソ連崩壊(1991年)まで存在したソビエト社会主義共和国連邦の情報機関・秘密警察。軍の監視や国境警備も担当していた組織で、東西冷戦時代にはアメリカの中央情報局(CIA)と一、二を争う組織と言われていたが、ソ連崩壊と同時に共和国間保安庁(現在のロシア連邦保安庁)、中央情報庁(現在のロシア対外情報庁)、連邦国境庁(現在のロシア国境軍)などに権限を移行した、要は、ソ連軍すらも恐れる秘密警察であり、悪いことをした人はこの人たちに粛清されたりしてしまうのだ、ちなみにプーチンもこの組織出身。
ーーー
「…」
ニーナの表情はこおり、固唾をのんだ、
「(私を粛清しに来たのかしら…)」
「…」
エリザベータはニーナの緊張に気付きそっと肩に手をあて、こちらに引き寄せ、耳元で呟いた、
「…大丈夫、心配しないでニーナ、大丈夫。」
「…」
車のさっきとは違うドアが開き、
中からさらに階級の高そうな制服を着た人が1人、異様なオーラを放ち出てきた、その人は先に出てきた男達の間を通り、ニーナとエリザベータの前にやってきて、険しく冷たい顔で言った、
「…アナスタシア·ミハイェールヴィチ·ゴルバチョワКГБ副指令だ、ソビエト中央委員会の命により、地下研究所のヴァレリアノヴィチ·グレゴーリアス·ラスプーチン博士に用事があってここへ着た。」
「…こちらへ。」
エリザベータもまた、厳しい表情で歩きだした、
ニーナはこらえきれず、小さな声でエリザベータに言った、
「…お、女!?」
「(しっ!聞こえたら殺されるぞ、)」
「…」
緑色の重みのある制服に身を包み、まるで狼のような顔をしたKGB副指令と名乗る人物はニーナより数歳年上、エリザベータとほぼほぼ同じくらいの年齢の女の子だった、、
アナスタシアはすでに、言われなれているのでこれは聞こえなかったふりをし、黙ってついてきた、彼女達が大学に入っていくのを見届けた他のKGBの男達は車に消えていった。
ーーー
廊下に響く足音、、幸い生徒は授業中で廊下を歩くのは怖い顔をしたアナスタシアとエリザベータ、そしてその真ん中を歩く今にも泣き出しそうな顔をしたニーナだけであった。
「(…全く…ラスプーチン博士は一体何をしたって言うの?…よほどのことをしない限りKGBなんてそうそう動かないわよ…)」
ニーナはエリザベータの白衣の袖をギュッと握りしめ、歩いた。
地下研究室に入るとアナスタシアは研究室中央にいるラスプーチン博士に近づいて行った、だが自分の世界に入り込んでいるラスプーチンは気づかない、
アナスタシアはひとつ、咳払いをした、しかしそれでもラスプーチンは見向きもしない、
そこでアナスタシアが胸元から取り出したのはPMマカロフ(ソ連の自動拳銃)だった、
「や、やめて、何をするの!?」
思わず声をあげてしまったニーナの口をエリザベータは慌てて手でふさいだ、
アナスタシアはお構いなしに拳銃をラスプーチンの頭に突き付け、引き金を引いた…
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