моp:物質量
【深夜 ソビエト シベリア連邦 クラスノヤルスク工科大学】
研究室に、眠らないマッドサイエンティスト、ラスプーチン教授を残し、ニーナとエリザベータは各自、部屋に戻り眠りについた。
…真夜中の2時頃、エリザベータはふと、トイレに行きたくなり目が覚めた。
「う…んっ……」
眠い目を擦りながら暗く、不気味なラスプーチン教授の独り言が響く廊下を歩きトイレへ、用を済ませ自室へ戻ってくると、隣のニーナの部屋から光が漏れていることに気がついた。
「むっ?…電気を消し忘れたか…」
〔ギィィィッ…〕
「…あらエリザベータ、どうしたのかしら?こんな夜遅くに、ノックもしないで、」
「…起きていたのか…」
「ええ、ちょっとね、」
「…(机の上にあるのは…教科書??…しかも高校の化学基礎?…勉強していたのか!?)」
「…?、どうかしたの?」
「い、いや、おやすみ。」
「おやすみなさい!」
ーーーーー
エリザベータは自室に戻りベッドに潜ったが、目をつむってもなかなか眠れない…
「…ニーナ、頑張っているな、……差し入れでも持っていってやるか…」
ーーーーー
〔コンコン〕
「は~い?」
「私だ。」
「あら、エリザベータ、もうおきたの?」
「いや…差し入れだ。」
「あらありがとう、、マロウブルーティー?」
「いや、アールグレイだ。」
「あら、どうも!」
〔カチャカチャッ…とぽぽぽぽ…〕
「お砂糖は?」
「2つお願い!」
「2つね…」
〔トプン、トプン…〕
「…勉強…していたのか?」
「え、ええ、ちょっとね、この前授業やらせてもらったときに…自分でも授業内容がわかっていなかったから…」
「本職は軍人なんだからそこまでやらなくてもいいと思うが…ほう…molか…」
「…難しいわね、化学って。」
「いや、そんなことはないぞ?、」
「いやいや、公式とかがなかなか覚えられなくて…」
「覚えなくていいぞ、公式なんて、」
「え?」
「そんなの覚えてたらきりがないだろ、私は少なくとも覚えていない、molの公式なんて、比がわかれば解ける!」
「そう…かしら?」
「ああ、例えばな、私が70kgあるとしよう、本当はもっと軽いが、体重が70kg、そして私のとなりに140kgの熊がいたとしよう、じゃあ、私の体重を1とすると熊の体重はどう表される?」
「…2?」
「そう、じゃあ、1ダース、これは何個?」
「12個?」
「じゃあ2ダースは?」
「24個?」
「そう、じゃあ、1molは602000000000000000000000個、じゃあ2molは?」
「…1204000000000000000000000?」
「ああ、そうだ。そして我々科学者は、できた式をできるだけ見やすいよう、シンプルにしたがる、だから12.04×10²³、そしてさらに、数を1以上10未満で表す、すると1.204×10²⁴と表される。」
「なるほど!」
「1ダース12個、じゃあ0.5ダースは何個?」
「6個」
「じゃあ0.5molは?」
「…3.01×10²³?」
「そう!!…二酸化炭素1molには、O原子が2mol、C原子は1mol含まれる、じゃあ二酸化炭素1.5molに酸素原子と炭素原子は何mol含まれるか、」
「…」
「なぜ黙る!!、いいかニーナ、私とカフェへ行ったとしよう、カフェで紅茶を頼むと2つキャラメルワッフルがついてくる、そういうセットがあるんだ、私は腹ペコだったからな、そのセットを2つ、1人で頼んだ、すると紅茶2カップ、キャラメルワッフル4つついてくる、じゃあ、そこへ、イカれた教授が、6.02×10²³セット注文したとする、…まあ、そんな量、一生かかっても食いきれないがな、すると、紅茶とキャラメルワッフルは?」
「紅茶が6.02×10²³カップ、キャラメルワッフルが1.204×10²⁴枚ね、」
「そう!!じゃあ、それを二酸化炭素に置き換える、紅茶は炭素、キャラメルワッフルは酸素原子に置き換えると、ね?…」
「なるほど~!!、わかったわ!!、ありがとう!」
「いやいや、頑張ってくれ、また、いつでもなんでも聞いてくれよ!、おやすみ!」
「おやすみなさい!!」
ーーーーー
「…(ついつい熱をもって教えちゃったな、こんなにしっかり誰かに教えたのはいつぶりだろうか…やはり、努力している人を応援したくなるのは、教師という生き物…いや、人間皆同じかな…)…ねよう。」




