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лекция:講義

【ソビエト 軍学校 第3講堂】


 この日、一人でソ連に取り残されたニーナ・セルゲーエヴィチ・フルシチョワ大尉は自中隊の1ヶ月に1,2回ある座学の講習のため、教壇に上がっていた。


「ヴォロシーロフレクチャー(教科書の名前)170ページを開きなさい、

今日の講習は、3巻、戦術規模の原則について、それでは早速、

ソ連戦術は3つの構成要素を有します、ポーリナ、その3つとは何だったかしら?」


「はい、

①、戦争のために軍隊を準備すること、

②、戦争の計画を練り遂行すること、

③、様々な軍事部局を運用し部隊の統制を確保すること、

です。」


「その通りね、作戦術とは戦略と戦術の中間次元領域にあたり…」


《ニーナ教官、頭の中》

 あ~、今日もポーリナは偉いわね、ちゃんと私の前回の授業の復習をしてきたのね、あの子の将来はきっと明るいわね…

ーーーーーー


「…戦術が関与するのは、作戦術によって指定される任務を…」


「zzzzzzzzz…」


「おいおい、ドミトリー起きろよ、講義中だぞ?(小声)」


「んぁ?…いいんだよ、ニーナ教官の講義なんか、ニーナ教官はアレクサンドラ教官とは違って優しいんだから、何しても怒らないって(小声)」


「…でも講義は聞いた方がいいと思うぞ?」


「ピョートル、お前はクソ真面目だな、いいんだよ、座学なんか、演習や実戦で結果を出せりゃいいんだって、それよりさこの講義が終わったら飲みに行かね?」


「お、いいね!」


ーーーーーー

《ニーナ教官の頭の中》

…聞こえてるわよ、ドミトリー、ピョートル、それに他の者も、さっきから時計ばかりをチラチラ見ている者、こそこそとメモのやり取りをしている者、なんか食ってる者、白眼向いてる者、隣とじゃれあってる者…

ばれてないとでも思っているのかしら?、

全て見えてるわよ、教壇からは全てが把握できる作りになっていて、いくらコソコソやったとしても逆に悪目立ちするだけなのよ、

全く…「座学なんかやらなくても演習や実戦で結果を出せればいい」ですって?

その通りよ、座学で真面目にやった人と同等以上の結果を出せればいいの、

でもね、そんな奴いない、

座学で真面目に出来ない人はいざ戦場に出ても結果は出せないわ。

講義は戦争と同じなのよ、講義でだって油断すれば教官に"点"引かれて死ぬ。

講義で寝る奴は戦場でも寝る、

講義でよそ見する奴は戦場でもよそ見する、

講義で戦術について学んでおかないといざ戦場に出れば何すればいいのかわからなくて困ることになる、

軍学校でも普通学校でも同じ、勉強は頭を良くするためのものじゃないのよ、

将来、社会や戦場に出てからどのように行動すればいいのかを学ぶのよ、

正直「作戦術」なんて覚えても意味なんて無いわ、実戦場では何が起こるかわからない、そんな所でいちいち「作戦術」なんて考えても仕方がないわ、

私の授業ではいきなり人に当てるようにしている、

それは戦場でいきなり自分の身に予想外の出来事が起こったときに冷静に対応する練習をしてほしいからよ、

でもいざ当てられたら皆(ポーリナ以外)「わかりませ~ん」の一言、

戦場で「わかりませ~ん」なんて通用しないのよ。

私は断言するわ、「講義で講義内容以外を学べない奴は戦場に出ても生きて帰ってこれる程度、講義で講義内容すら学べない奴は戦場ですぐ死んでただ自軍の邪魔になるだけのクズ」

つまりドミトリーはただのクズ。


 教官だって人間よ、「どの生徒にも平等に」なんて出来るわけ無いじゃない。


これは、今度の人員会議でポーリナ以外全員「総入れ替え」ね、

こんな講義で何も学ばない(クズ)どもは戦場に出ても使えないだけね。

さっきからもう30分たっているけどずっと寝てる奴、じゃれている奴、メモの交換している奴…ポーリナを見てみなさい、講義が始まってから30分、ずっとこっちを凝視してるわよ…(まばた)きすらしない…どうなってるのかしら…

…ってか大丈夫あれ?、ヤバイわよ!?、ちょっと怖いわ…

あれは…戦場に出ても大丈夫そうね…


ーーーーーーー【講義終了】ーー


「よし、終わった!、飲みに行こうぜ!!」


「おう!!」


「…はぁ、今日も疲れたわぁ…」


「ニーナ教官!、」


「あら、何かしらポーリナ、」


「質問なんですが、よろしいでしょうか?」


「ええ、いいわよ。」


「ここの《戦場での対応》の②はわかったのですが、③はどのように対応すればいいのでしょうか、」


「…ポーリナ、本当に真面目ね…こんなこと、覚えても意味ないわよ?」


「へっ?」


「ポーリナ、あなた…いえ、なんでもないわ、これからも頑張りなさい。」


「はい!」


 何だかんだでニーナは、今、幸せだと思っていた、お気に入りの生徒(部下でもある)から(した)われ、何不自由なく暮らす…アレクサンドラもレーニナ中佐もいなくなったが私はこのまま平凡な生活を…でもそれって本当に幸せなのだろうか…


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